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203 闇ギルド、動き出す

不定期更新中です。感想返しはちょっと時間がなくて… 申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 

 ギルドを出てダンジョンへと向かう。シフがアイシャとお喋りしている風を装って大きな耳を頻繁に背後へと向けている… うん、さり気ないね!

 あからさまに振り向かないよう気を付けながら俺も背後を気にしてみるが、全く気配なんか掴めない。一体どういう感覚なんだろう… 気配を読むってやつは。


「ご主人、心配しなくても付いてきているぞ。1人しかいないから残りを連れに行ったのだろう、良い感じだな!」

「全員釣れればいいんだけどね… でも忘れないでよ? 連絡係を1人残すって事を」

「大丈夫だ、問題無い」


 本当かなぁ? まぁそういう事にしておくか。


「主よ、マップは購入済みじゃが釣るとなればフラフラした方がいいのか? ある程度までは進んでしまって問題無さそうじゃが」

「そうだね。どうせ俺達の事は色々と調べているんだろうし、あからさまに迷ったような素振りを見せたら怪しんで来るだろう。そこそこ進んで良いんじゃないかな? ちゃんと追いついてこれる程度には」

「承知じゃ、どうせ連中も仕掛けを考えておるじゃろうから魔物も上手く利用できるよう考えてみるのじゃ」

「よろしくね」


 実際俺達に関する噂だけでも1階層とかじゃ迷うはずがないと判断されるだろうし、多少引き込んだ方が良いんじゃないかと判断する。逆の立場であれば、迷いなんかしてたものなら即座に罠を疑うだろうしね! いくらなんでも騙されちゃくれないよ。




 早速俺達はダンジョンへと向かう。リャンシャンカンチャンもそうだったが、ダンジョン産業で成り立っている都市というのは本当にすぐ近くにダンジョンがある。近くに街があるとそれはそれで危険なんだろうけど、それよりもダンジョンアタックを済ませてきた冒険者を迎え入れる方を優先している感じなんだろうね… まぁそこら辺の運営方法について文句を言える筋合いじゃないから放っておくしかないけど。


 購入してきた地図を頼りに1階層を進んでいく。とりあえず10階層までは地図を見ながら直行するつもりでいるんだが、俺達を尾行している者がついてこれないならそれは問題だからな… ある程度のんびりと動くことにした。

 後方の探りはシフに任せる。相手が手練れの暗殺者だろうと、シフというか兎人族の持つ大きな耳からはそうそう逃れることはできないだろうというクローディアによる提案があったからだ。周囲を索敵している風を装いながら全方位の音を拾ってくれているとのこと… 負担が大きそうだが本人曰く「普段と変わりません」なんだそうだ… 毎回そんなことをやってくれていたのね。



 かなりのスローペース、おまけにちょいちょい寄り道をしながら訪れた夕飯時… シフがぼそりと呟いた。


「後方からついてきたいた者が5人に増えました、それから私たちとの距離を縮めてきています」

「おお! ようやく追いついてきたのか。ご主人よ、やるのか?」

「落ち着くのじゃグレイよ。どうせあ奴らはしょせんただの暗殺者、正面から向かってくることはないのじゃからあえて攻めてきやすいように隙を見せてやる方が良いじゃろう」


 ふむふむ、確かにいつ襲われるかわからない状況だと精神的に面倒だし、こちらから襲いに行っても想定以上に取り逃がしてしまうかもしれないしな…


「じゃあいつでも動けるように整えつつ、襲ってきやすいようにご飯でも食べるか」

「うむ、それがいいと思うぞ。見通しの利く通路で待ち構えていても違和感も無いしな」

「それが良いじゃろ。袋小路になっていれば尚良しじゃが、そう都合よくもいかぬ… 中央に主、それぞれ前衛にグレイとシフじゃな。主を挟むように私とアイシャで固めればどうとでも対処可能じゃろう」


 つまり挟撃されるのは想定内であり、それぞれ前衛ということはグレイとシフのどちらかが一番前で進み、残ったどちらかが最後尾ということだね。そしてクローディアとアイシャで中央にいる俺を挟み込むと… なんとも過保護な陣形だが、この手のことに俺が口を挟む余地はないので素直に従おう。


 そんな用意をしつつ、魔物を狩りながら闇ギルドからの襲撃を待つ。傍目から見ればおかしな陣形だが、先頭を歩くグレイが嬉々として戦闘をしているので違和感はないだろう。多分だが。



 現在の陣形は… 先頭にグレイ、その後ろにクローディアが続いて俺もその後に続く。俺の後ろにはアイシャが歩き、そのすぐ後方にシフがいる感じだな。


 一見前方だけに戦力を集中させているように見せつつ、後方にまだまだ幼く見えるアイシャとこれまた一見おとなしそうに見えるシフを配置することにより、後方から攻撃するように仕向けているとの事だ。まぁ実際には後方の2人は探知能力に優れているから、後方から不意を突こうなんて却って難易度が上がるんだがそこは闇ギルドの者には知らない事… いつでも来いやという陣形になっていた。












 SIDE:闇ギルド員キャメル


「来た来た、来やがったぜ! 黒髪の優男にエルフとオーガ、獣人2人のパーティなんざあいつらしかいねぇだろ!」

「おう! ようやく獲物が到着したな。じゃあ他で張っている連中を呼び戻して片付けようぜ、俺たちの飯の種なんだからな」

「よし、じゃあ俺が連絡してくるからやつらの尾行を頼むぜ。目印を忘れるなよ?」

「任せろ。というか、俺が連中を始末してもいいんだろう?」

「出来るんなら好きにしろ。だがしくじれば連中の警戒度が上がるんだからな? そうなれば他のメンバーから報酬が引かれるかもしれんな」

「チッ、わかってるよ、尾行だけだ。キャメルも急げよ? 本当に待ちきれなくなったらやっちまうからな?」



 そう言いつつ暗殺対象の後を追うため立ち去るメンバーを見送り、自分も仲間と連絡を取るためにギルドを飛び出した。


「魔物に強いだけの冒険者パーティなんざ敵じゃねぇが、身内が実際やられているから多少は慎重に動かないとな。だが、あんなのにやられた身内はいったいどこまで油断したんだ? 馬鹿な奴らだぜ」


 その後、俺は宿街にて張り込み中の仲間2人と合流し、先行して追っている者を目指してダンジョンに入るのだった。

 さぁ、この仕事が終わればしばらく遊んで暮らせるぜ! 前回失敗した連中には感謝しないといけないな、こんな儲け話を棒に振ってくれたおかげで俺達に回ってきたんだから…

誤字報告ありがとうございます。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 なんかの作品で「獲物を前にして真っ先に舌舐めずりする奴は三流」みたいな描写が有りましたが、完全にその理論に当てはまってますねこいつ等。多分全員、純粋な戦闘力は(グレイ…
[一言] 更新お疲れ様です(((o(*゜▽゜*)o)))
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