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191 今度こそ休むよ!

誤字報告いつもありがとうございます。

「戻ったのじゃ」

「おお、お疲れさん。4人で戻ってきたって事は?」

「ああ、奴らは生かしておいてはダメな連中じゃ」

「そうか…」


 まぁ想像はついていた、俺に見せないように配慮するくらいだったからな。まぁ人殺しを仕事にしていたくらいだ、返り討ちに遭う覚悟くらい持っていたと思っておこう。


「それでそのエルフは?」

「こやつには一仕事を頼んだからの、このまま放逐じゃ」

「そっか」


 放逐という言い方はともかく、とりあえず今回はどうにかなったって事で良いんだよね?


「さて、今からでは街への門も閉まっておるじゃろう。今日はこのまま野営じゃのぅ」

「そうだね…」

「別に良いではないかご主人よ、このまま探索を続けても問題ないのではないか?」

「いやいや! せっかくだから予定通り休もうよ!」

「太陽なら日中に十分浴びただろう、肉を食いながらな」

「と、とりあえず休む準備をしようか!」

「では私はこやつを外に連れ出してくるのじゃ。シフよ、担いでくれ」

「はい」


 クローディアとシフがエルフを抱えて転移陣に消えていく、彼は相変わらず簀巻きのままだ… まぁさすがに外に出たら解いてあげるのだろう。あげるよね?



 その後、クローディアとシフが戻ってきてから色々と報告を受けた。闇ギルドの目的とか依頼主とかね… しかし、推定とはいえ依頼主がエルフとはね。グレイとは別の次元での戦闘狂が多いのかなって思っていたエルフだけど、人間のように地位なんかに執着するエルフもいるんだって素直にそう感じた。

 まぁクローディアが言うには? 長官ともなると資金が潤沢になり魔法研究がすこぶる捗るそうだ… それを狙ってって事も多少はあるのかもしれないね。即物的だけど。


「まぁそんな訳で様子見をしたいのじゃ。一応バーバラの耳には脅しとも言えるような噂を流すよう言いつけておる、それが功を奏せば100年は何事もなく過ごせるじゃろう」

「そうか? 俺には攻撃開始の期限を教えてあげてるだけに思えるけど。もしも俺がそんな事を言われたら、間違いなくクローディアの弱点はその主という人間だと思うよ。そしてクローディアが本格的に動く前に行動するかも」

「まぁ個人でならそうじゃろうがあやつは魔法省長官じゃ、噂が流れてしまえば国民がバーバラの監視役と抑制力になるはずじゃ、下手に動けば噂通りじゃと思われるし王家も黙ってはおらんじゃろ」

「本人が動けばそうなるだろうけど」

「それも恐らく大丈夫じゃろう。あやつのコミュニティはそれほど大きくはない、その派閥もろとも他のエルフの目が向く事になるじゃろうて」

「ふむふむ…」


 まぁ重い肩書を持つ人は醜聞を嫌うからね、確かに抑制力にはなりそうだ。しかしいくら他者の目が光っていようとも、恐らくは部下とか腹心とかを使って何かしらやってきそうな気がするんだよな… ドラマや映画の観すぎかねぇ? ま、俺だけでもその辺の気配りをしておこうかね。


 バタバタと動いていたせいか、寝る前なのに空腹を訴える鬼がいるので夜食にしよう。本当にグレイのお腹は底なしだな! 夜食のせいで腹時計が狂わない事を祈りつつ、本日の行動は終了としよう。一見ただ野外で焼き肉していただけのように思えるが、実際は常に周囲の気配を窺っていたわけだから精神的にも疲れているだろう。特にアイシャとシフが。今夜もケルベロスの毛皮にくるまって存分に休むと良いよ。













 SIDE:シフ


 闇ギルドに所属する暗殺者達との戦闘が無事に終わった。

 普通闇ギルドに所属する者といえば、私のような特に取り柄も無い者にとっては畏怖の対象だ。音も無く近づいてくるソレは多くの仲間を連れ去り奴隷とし、金稼ぎの道具のようにしか扱われないからだ。

 私も今回の相手が闇ギルドだと聞かされた時は、せっかくご主人さまに買われて手に入れた幸せな食生活を失う事になるのかと慄いたのだけど… 終わってみれば何も問題が無く圧勝で終わった。


 実際私も闇ギルドの者達とグレイ様が立ち会うのを見ていたが、思ったより… いや、これで本当に闇ギルドの暗殺者なの? と疑うくらいに弱く見えた。

 もちろんグレイ様はレベルも高いし、近接戦闘では敵などいないんじゃないかっていうくらい強いのは身をもって知っていたけど… まぁ私も闇ギルドの暗殺者が弱く見える程鍛えられたって事なのかな?



 捕えた暗殺者をダンジョンへ連れて行き、事情を話させるために拷問をかけていく。もちろん私も手伝った、つま先から少しずつ釘バットで潰していく簡単なお仕事だったけど役に立てたようで良かった。


 普段のご主人さまを見ていると、さすがに拷問は無いだろうと思っていた。だってご主人様は優しすぎて甘すぎるから。たとえ敵だとしても殺さずにって言うくらいだから今回も手足を折って放逐すると思っていたから尚更… まさかクローディア様が殺せと言うとは思わなかった。

 まぁご主人様を拷問の場に連れてこなかった時点できっと想定していたんだろう… 私個人としてはクローディア様の行動には賛成だけどね。闇ギルドなんて無くなればいいのにってずっと思っていたから。


 でも一つだけ気になる事ができてしまった。クローディア様が言った事だけど、ご主人様の寿命について… 確かにクローディア様の言う通り、人間種であるご主人様の寿命は長くても50年そこそこ… それは私の種族である兎人族よりも遥かに短いという事だ。近い内に奴隷からは解放してくれると言われているし、解放されてもご主人様の傍を離れるつもりはなかった。でもご主人様が寿命を迎えて死んでしまったら? その後私はどうすればいいの?


 今のように充実した時間を過ごしていれば50年なんてきっとすぐに過ぎてしまう… 魔境に潜む魔王だって討伐する予定だしきっとこれからもやる事はたくさんあるはず、それまでの間に未来について考えなくちゃいけないのね。

 まぁクローディア様の報復にはきっとグレイ様やアイシャ様も同行すると思う、それについて行けばそこそこの時間は稼げるかもしれない。


 ふふっ、まさか私がこうして未来の心配をするなんてね… ほんの少し前だったら考えられない事だったよ。人間種に買われたから性奴隷にされるのかと思ったら全然違うし… だってねぇ、人間なんてそういう事しか考えられない種族でしょう? 

 でもご主人様は違った。他にもクローディア様やアイシャ様という女性がいるから私の相手は出来ないのかと思ったけど、このお二人にもそういった事をしている気配がないのよね… まさか男色家というやつなのでしょうか!? グレイ様がお相手なのか… 疑惑は深まるばかりですね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 ん~、やっぱり種族の違い=寿命の格差は目を背けられない事実ですよね。 とある作品だとレベルを上げまくり→新陳代謝も上がる→サイ○人みたく若い期間が伸びて実質的に寿命が…
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