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187 罠とは?

誤字報告いつもありがとうございます。

 食事を終えて全員でまったりと寛ぐ… いや、外なんだけど寛いでるんだよ!

 グレイは大の字になって寝ころび、クローディアはアイシャの尻尾をモフモフしている… 俺もやりたい! シフも座って楽にしているように見えるが、大きな耳をあちこちに向けているので何気に音を拾っていたりするんだろう… 勤勉だねぇ。

 俺はと言うと、作戦の都合上中心に位置し寝ころんでいる。作戦? ふっふっふ、それはね!


「しかしご主人様、これは恐ろしい罠ですね。このやり方だと夜目の効く獣人でも引っかかりますよ」

「まぁ罠を発動させるのが手動だからタイミングが命だけどね」

「敵の接近を私とアイシャ様がお知らせしますので、間違いなく引っかかりますよ!」

「全くじゃの。よくもまぁこのような物を考えよる… 主の世界ではこれは普通なのか?」

「いやいや、バリアの特性が相性良さそうだったからね」

「うむ、確かにバリアが無ければこの罠は作れそうもないな。だがご主人にはできるのだから暗殺者どもが可哀想になってくるぞ」


 そう、バリアは発動者から5メートルほど離れたら消えてしまうものだ。逆に5メートル以内であれば任意で消すまで張り続ける事ができるんだ。だから俺はグレイにお堀を作ってもらい、その堀にバリアで蓋をして土をかぶせたんだ。はい、俺を中心に全周囲った落とし穴なんだよね! もちろん俺がバリアを解除しないと落とせないから、夜目が効いて気配に敏感なアイシャとシフが俺に合図をするという… バリアが消えれば穴の底に真っ逆さまって寸法だ!

 お堀の底は鋭角に傾斜を付けており、あわよくば落下時に足でもひねってくれたりすると儲けもの! 最後に上からクローディアが雷撃を撃って痺れさせて捕縛という流れになる。


「でもさ、捕縛したからといっても突き出せないんだろ? どうするんだ?」

「そんなものはアレじゃ、夜の内にダンジョンの80階層に行き、ミスリルゴーレムを越えたところで尋問開始じゃ」

「あ、ミスリルゴーレムは越えるんだ」

「それはそうじゃろう。転移陣の部屋にいて逃げられたらどうするのじゃ? 連れてきた以上そやつらも転移陣を使えるのじゃぞ?」

「そっか… まぁ暗殺者にとってゴーレムという魔物は天敵みたいな感じだもんね、人間なら殺せる攻撃でもビクともしないし」

「うむ、暗殺者は攻撃自体が軽いものが多いからの。そこで色々と聞いてみようと思っておる」


 拷問かぁ… ぶっちゃけ痛そうなものを見るのは嫌なんだけど、狙われてるとなっては理由とかが気になる訳で仕方ないかな。


「そういえばクローディア、あのエルフと話してた時に、闇ギルドが来てる事に心当たりがあるって言ってたけど?」

「ああ… まぁアレじゃ、私を奴隷に墜とした奴が主の活躍を聞けば私の名も耳に入るじゃろうと思っての… 違法に奴隷にしたものじゃから私が生きていて、発言力を持ってしまっては困るんじゃろうなと推察しただけじゃよ」

「ああ、違法にやったアレコレがバラされるかもって危機感を感じて雇ったって事か」

「その通りじゃ。同じタイミングでディープパープル共和国からエルフが来たからの、恐らく予想通りじゃと睨んでおる」


 うーん… クローディアは奴隷堕ちする前は結構な役職持ちだったみたいだからな、確かに発言力って言うなら聞いてくれる人は多そうだ。まぁ人っていうよりエルフがね。それに罪人が自分を守ろうとして暗殺者を雇うなんて、つくづく命の値段が安い世界なんだなと感じるね。まぁだからといって簡単に殺されてやる気は起きないし、仲間が狙われてるってんならみんなで守るに決まってんだろ! 俺は戦闘向きじゃないから知恵を出せるよう頑張ろう!


 そしてバリアで蓋をしたまま放置し、段々と日が暮れてくる。そろそろ注意しておかないといけないな。



 アイシャはシフの膝枕で寝そべっているが、大きめの耳がピコピコ動いている… 何か音を拾ったのかな? でも耳ならシフの方が良さそうに思うけど、そのシフも特に動きを見せないからなんともないのかも。

 すでに夕暮れ時を迎え徐々に視界が悪くなっていく時間帯、もうそろそろ俺が役に立てることは無くなりそうだ。

 全員で打ち合わせた結果、まずアイシャとシフが全力で周囲の気配を探り当てて俺に報告。俺はその報告を聞きつつ2人の合図とともにバリアを解除、グレイが突貫という流れになっている。相手が何人かが不明だし、いくら暗殺者だからといって総出でかかってくるとも思えない。最低でも1人くらいは後方にいて様子を窺い、最悪の事態が起きれば逃走していくものと思われる。それに対処するのがクローディア、シフがクローディアを背負って全力で追いかけ、背負われたまま魔法攻撃をするとの事… なんだか相手が悲惨な目に遭う未来しか見えないかもね。そしてアイシャは俺の護衛という事になる。もちろんそれ以外にも何かしらのイレギュラーがあるかもしれないし、対処不能だと感じればバリアで囲い、自衛に徹する。こんな感じだね。


「アイシャよ、どんなもんじゃ?」

「ボクが掴める範囲には誰もいないと思うよ」

「シフはどうじゃ?」

「私も同様ですね、特に何も…」

「やっぱり真っ暗にならないと来ないんだろうね、闇ギルドってくらいだし」

「そうじゃろうな。まぁいくら鍛えたところで人間種が闇夜の中を自在に動けることは無いからの、恐らく暗視のスキル持ちか何かしらの魔道具を使っておるのじゃろう。気配を消す効果があるやもしれん、アイシャとシフは気配だけではなく音の方も気を配るのじゃ」

「わかったよ!」


 気配を消すスキルか魔道具… か。確かにそんなものがあるんなら俺1人だと手の打ちようがなかっただろう。なんなら音まで消す魔道具もあるんだとか… それも持ってたらどうなるんだろ、対処できるのかな?


「対処は可能じゃな。特に私は魔力を視認する事ができるからの、魔道具から漏れ出す魔力を感じ取れば良いだけの事じゃ。スキルであった場合は… まぁグレイが体を張るじゃろう」

「む?」


 グレイが呼んだか? って感じでこちらを向いたがクローディアは無視するようだ…


「まぁアレじゃ、最悪は落とし穴よりもこちら側に壁のようにバリアを張れば良いのじゃ」

「ソウデスネ…」


 まぁね、それをやったら警戒されるだろうけど確かに安全かもね。

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