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184 対闇ギルド大作戦の発案

誤字報告いつもありがとうございます。

「あ、あの! クローディア様!」

「む? なんじゃ?」


 グレイに警戒されている方のエルフが声を出す、何が言いたいのかは分からないがクローディアは聞く姿勢のようなので口を挟まずに静聴するとしよう。


「実は… 何故かは知りませんが闇ギルドの者達がクローディア様の事を探っております、そしてその者達はこの街まで来ています」

「ほほぅ? 闇ギルドとな? なるほど、心当たりはあるのぅ」

「あるのですか? 一体誰が?」

「ま、ダンジョンクリアのせいで私達の名が知れ渡ってしまったからの、こういう事もあるかもしれんと思っておっただけじゃ」

「闇ギルドか… 対人戦闘の専門家と聞いているが、俺は戦った事は無いな。これはまた楽しそうな事になっているではないか」

「おいおい…」

「闇ギルドは依頼を受けて暗殺なり誘拐なりを生業とする者達での、金のためにやっておるから言葉も通じなければ道理も通じん。やられる前にやり返すのが一番なのじゃ」

「やられてないのにやり返すって不条理!」


 いやまぁ、やられる前にやるという概念は俺も知っているけどさ… でも何か手を出されないと本当に暗殺者なのか分からないじゃん? それはどう判断するんだろうね。いくら殺意を感じる事ができると言っても、日本ではリア充というだけで殺意を持つという奴もいるというのに…


「いってーなぁ畜生! 俺が一体何をしたって言うんだよ!」

「おうジャン、やめろ!」

「だってよ! 確かに俺はその人間を殴ろうと思ったさ、でも実際にはまだ何もしていないだろう? それなのにいきなり攻撃してきやがって… せっかく保護して故郷へと返してやろうと思っていたのに!」

「余計なお世話だよ! ボクはご主人様の隣にいるって決めたんだから!」

「保護してやるとか随分と偉そうじゃのぅ、それも誰かに頼まれた事なのか?」

「クローディア様… いえ、その…」


 あらら、両名ともすっかり沈黙してしまったか。でもこれだけじゃ全然良く分からんのよね… ああ! まずは誤解を解こうと思っていたんだった!


「エルフのお2人さん、まず大きな勘違いをしているように思うんだけど」

「何がだよ! 人間の癖に話しかけんなよ!」

「俺が奴隷を酷使してとか言っていたけど… クローディアに奴隷の首輪はついているかい? まぁこの兎人族の子は間違いなく奴隷だけどね」

「何を今更… え?」

「なん… だと?」


 やっぱり! 勢いが良かったからまともに見ていないんだろうなって思ったけど、その通りみたいだな。グレイ達の首元を見て驚いているエルフの姿があった。


「ちなみにこの兎人族も近い内に解放する予定じゃぞ」

「あ、私は別にこのままでも構わないのですが…」

「それはダメじゃな。理由は教えたじゃろ? 勇者の関係者が奴隷の立場であれば難癖をつけて連れて行こうとするのじゃ」

「あ、それは嫌ですね」


 って! 驚いたまま固まっているエルフの人ー! 早く再起動してくれる? 話が進まないんですけど!


「遅くなりましたが自分はエルマンといいます、こちらはジャン。我々は人間種の男がエルフ、オーガ、獣人の奴隷を使役し、ダンジョンを踏破したと聞いていたんですが実際はどうだったんですか?」

「実際のところじゃと… 私達がゴーマンレッド王国に売られて移動中に事故が起きて主人不在になってしまったところを主に助けられたのじゃ。一時的に私達の主となってもらいリャンシャンへ移動し、奴隷解除にかかる費用を稼ぐためにダンジョンに入っておった… という事じゃな。それで資金が出来たから解除してもらったという訳じゃ」


 ふむふむ、大分端折っているけど間違ってはいないね。まぁ実際にダンジョンに入り浸ったのは俺のレベル上げが最大の目的であり、それを理由に戦闘狂達がゴリゴリと進めていただけなんだけどね! でも資金集めもしていたのは確かだから嘘はついていない… 物は言いようだね。


「えっとそれはつまり」

「うむ、私の恩人に向かってあのような態度を取られたとなれば敵対行為と見て当然じゃの」

「うぐぐ…」

「まぁよい、お前達は仕方がないからこのまま帰してやるのじゃ。じゃがお前達に依頼をしたという組合長にしかと伝えるのじゃ、私は別に奴隷ではないと。私は自分の意志でこの者を主とし、付き従っているとな」

「え? それはディープパープル共和国には戻らないという事ですか?」

「そうじゃ。まぁ人間である主の寿命が尽き、その最期を看取った後に戻るであろうな… 私を奴隷に墜とした奴に復讐をするためにの」

「ちょ、ちょっと待ってください! その言い方だとクローディア様を奴隷に墜としたのはディープパープル共和国の者だという事ですか? 一体誰が同胞を奴隷になどと!」

「いるのじゃ、そういう奴が。恐らく闇ギルドに依頼したのもそ奴であろう。すっかり忘れておったところに私の名が聞こえてきて驚いたんじゃろ? じゃから私を消そうとしたんじゃろうが…」

「俺がいる限りそいつは無理だな」

「という事じゃ。まぁグレイをうまくごまかしてすり抜けられたとしても、アイシャやシフを抜く事は出来んじゃろ。ま、その前に私の魔法で倒されるじゃろうしの」

「ほぅ? この俺が抜かれるというのか?」

「複数人来てるんじゃろ? それなら抜かれる事もあるじゃろ」

「許せんな、こうなりゃ意地でも抜かせんぞ」

「待て待て、話の論点がずれてるよ」


 しかしそうか、闇ギルドですか。暗殺者がいっぱいいるギルドって事なんですね? まぁ漫画などでは良くある組織ですよねー。そしてそれのターゲットに俺達がなっていると…


「つまりアレか? その暗殺者が手を出しやすい状況を作ってやれば、ノコノコと向こうから襲って来てくれるって事か?」

「そうじゃの。まぁいつ襲われるかと警戒し続けるよりは遥かに楽じゃの、さすがは主じゃ」

「うむ! 俺もその作戦でいいと思うぞ! むしろ逃げ隠れできんような場所で待てばさらに楽じゃないか?」

「まぁねぇ。でもそういった手合いが襲ってくるとなれば奇襲をしたがると思うんだよ… だから一度街から離れて隠れ場所の少ないところで野営をするってのはどうだ?」

「ふむ… そうすると闇に紛れて襲ってくるという訳じゃな? 良いのではないか?」


 うん、いつ襲われるかって気にしながら過ごすよりも、さっさと炙り出してやった方が気持ち的にも良いよね!

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