163 ロースカツバーガーは美味い!
誤字報告いつもありがとうございます。
皆の期待の視線を受けながらステータスの確認だ。心なしかグレイの視線が一番熱いように感じるんだが、新しいハンバーガーが増えるかもしれない事に期待を寄せているんだろう。
えっとどれどれ?
「お!? スキルレベルが7になってる!」
「おおっ! それで、ハンバーガーの方はどうだ?」
「おおおおおお!」
「「「「おおおおお?」」」」
「ロースカツバーガーが増えてる! これも好きなんだよなぁ」
「なんと! ご主人お勧めとあっては間違いなく旨いのだろう、ぜひ試食を!」
「待つのじゃグレイ。主よ、他はどうなのじゃ? デザートとかは無かったのかの?」
「今回はいっぱい増えてるな… スパイシーチリドッグにクッキー&クリームパイ、ホットティー2種類にカフェラテ、こだわりサラダが増えているぞ」
「ご主人様! ロースカツバーガーってどんなやつ?」
「チリドッグというのも気になるな、説明するよりも先に実物を出した方が早くないか?」
「そうじゃな、私もこだわりサラダというのは気になるの」
「わ、私もサラダが気になります」
「ちょっ、落ち着けって」
新規メニューの効果… たった今食事を終えたばかりだというのに皆さん貪欲だね。しかしこればっかりは現物を見せた方が早いっていうのには賛成かな、俺の説明じゃね…
「じゃあまずはロースカツバーガー。キャベツの千切りがモサっと入っているけどソース味がついていて美味い!」
一応自分のを含めて人数分出してみて、それぞれの目の前に差し出す。
「む? 草がいっぱい入っているが挟まっている肉も厚いな! 旨そうだ」
全員が無言でモリモリと食べていく… 俺も結構腹一杯だったのに、久しぶりのロースカツバーガーは難なく胃袋に収まっていく。
「次はスパイシーチリドッグ。これはちょっと辛めのやつだからアイシャには厳しいかもしれないが…」
「大丈夫だよご主人様!」
「そ、そうか? これは長細いパンにソーセージ… 腸詰めを挟んで、刺激的なソースをかけたものになるのかな? 俺は好きなんだけど」
ピリリとするんだよね! でもまぁご所望なので全員分をささっと。
「むぐっ!? こ、これは…!」
グレイの食レポが止まった! そして無言で食べだす。危惧していたアイシャの反応だけど、特に問題は無さそうでモグモグと食べていく。マスタードの量がね、アイシャにはきついかと思っていたんだけど食べっぷりから嫌いじゃないって感じだな。
「こだわりサラダ、キャベツにレタス、トマトにオニオンパプリカなんかを使った新鮮野菜だな。味付けは和風ドレッシング」
「なんて美しい… 私達兎人族は肉も食べますが野菜も好きなのです!」
グレイとアイシャはパスのようだ… ダメだぞ? 野菜も食べないと。そしてべた褒めなのはシフだ… まぁね、俺から言わせてもらうとウサギは草食! 肉は食べないってイメージがついているからね。まぁシフの見た目はスライムで有名なゲームの遊び人? 完全にバニーガールって感じだから肉を食っても違和感は感じなかったが…
「素晴らしいの… これは今後の食事が楽しみになる逸品じゃ、明日の朝からこれと枝豆は外せんの」
「はい! なんて新鮮なんでしょうか、このドレッシングというのも美味しいですね!」
クローディアは元から野菜好きだったからアレだけど、こだわりサラダもレパートリーに入ったようだ。シフに関しては何も言う事は無い、肉を食いつつ野菜も食うなんて良いじゃないか! グレイとアイシャも見習うんだ!
「そしてデザート、クッキー&クリームパイ。これは甘いやつだ、説明は不要だろう」
全員の目の前にポイっ。
「なんと! これは甘くて美味しいのじゃ!」
グレイの反応はいまいちだが、女性陣の食いつきは勢いがあるね! まぁ甘いものは正義ですし… 俺も毎日じゃなくたまにであれば食べたいデザートだね。
「そしてホットティーは2種類、所謂紅茶と呼ばれるものでストレートティとレモンティが選べる。カフェラテも割と甘い飲み物だけど、寝る前に飲むのはどうかと思うのでこれらは明日の朝にしよう」
「うむ、甘いものは得意ではないからな、俺はそれでいいぞ」
「むぅ… 気にはなるのじゃが確かに食べすぎじゃな、お腹がもうパンパンじゃ」
「うん、ボクもお腹いっぱいだよ。でも美味しかったね!」
「はい! どれもこれも絶品でした」
新メニューも概ね好評のようだね、俺個人としても今回増えたハンバーガーは嬉しい限りだよ。この世界に来て肉は食べたけどカツは無かったもんなぁ…
紅茶に関しても日本にいた頃はあまり飲まなかったが、せっかくだしこれを機に飲み比べをしてみるのも良いだろう。あ、カフェラテは好きです!
しかし、夕食後の試食会は今後止めておこうね…
翌朝、予定通りに俺達は北上を開始する。昨晩襲ってきた盗賊達といえば、シフがその耳で呻き声を確認したとの事なので生存しているのだろう。俺にはさっぱり何も聞こえなかったんだけど、やはり大きな耳というアドバンテージは素晴らしいね。ちぎれた片耳も何とかしてやりたいが… Cランク以上のダンジョン深層部に行けば、ポーション的な薬とか出て来てくれないかね。まぁポーションは実際にあるという事だし、もしかしたらエクスポーション的な物だったりエリクサー的な物もあるのかもしれない。その辺に期待しつつ隅々まで探索しないとな。ちなみに俺は、エリクサーとか大事にしすぎて最後でも使わない常習犯でした! なんかもったいなくてね。
北上を続け、そろそろ夕方に差し掛かった頃… とうとう視界の先に壁が見えてきた。
「主よ、恐らくあれがペンチャンの街じゃろう。じゃがこの距離じゃとギリギリ間に合わないの」
「惜しかったな、久々に宿に泊まりたかったんだけど。だけど見えるところまで来たんだし、今日は暗くなるまで進んで明日の朝一で入れるようにしようか」
「いよいよダンジョンだな? やはり走っているだけでは体が鈍るからな」
「ギルドに顔を出してからだからな?」
「もちろん分かっているぞ。別のダンジョンの情報を聞きだすのだったな? リャンシャンよりも上位のダンジョンの情報が欲しいところだな、100階層以降に行ってみたいぞ」
「ああ、ケルベロスよりも強い魔物がいるんだろうし、それに見合ったドロップもあるんだろう。俺もちょっと楽しみだよ」
明日からまたダンジョン、ここのダンジョンは何ランクかねぇ。
 




