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13 冒険者ギルド

誤字報告いつもありがとうございます。

 はい、やってきました冒険者ギルド。

 さすがの俺でもこれは知っているよ、アニメや漫画なんかで良く聞く組織だからね。他にも商業ギルドとか魔術師ギルドとか錬金とか鍛冶とかあるんだろ? 知ってる知ってる。

 そして業務内容はアレだろ? 街の雑用から素材集めに魔物退治、冒険者にランクがついてたりするんでしょ? 大体は新規で申し込みに行ったら先輩冒険者から絡まれる… うん、大丈夫かな? 俺は喧嘩は出来ないぞ?


「ところで登録は良いんだけど、この場合奴隷はどうなるの? 一緒に登録すんの?」

「いや、奴隷は持ち主の道具として扱われるから登録する事は無い。大体奴隷を連れて歩く冒険者は荷物持ちをさせたり、最悪の事態になれば肉壁にするとかだな」

「まじか…」

「ご主人も同様に見られて絡んで来る輩がいるかもしれないが… その場合はどうする? 黙らせて良いのならやるが」

「いや、多分それをやったら逆効果になるな。ここにいる冒険者が全員敵になるかもしれないからバリアで対応しようかな」

「そうか? まぁご主人が危険だと思ったらいつでも言ってくれ」


 意を決してギルドの中へと入る… が、閑古鳥が鳴くというのはこういう状況かってくらい誰もいなかった… ああそうか、普通の冒険者は今頃仕事してんのか。


 余計なイベントが回避された事に安堵しつつ受付へと進んで行く。



「ようこそ、冒険者ギルドオーラス支所へ。どのようなご用件ですか?」


 受付嬢らしきお姉さんが声をかけてくるが、俺の後ろにいる3人の奴隷を見て嫌そうな顔をしたのを俺は見逃さなかった。

 やっぱりアレか? 奴隷を盾にしている最低な奴と思われたか? まぁあながち間違っちゃいないけどね!


「冒険者登録をお願いします」

「え? 登録ですか? すでに冒険者ではなく」

「はいそうです」

「…………、わかりました、ではこちらの項目に記入をお願いします」


 胡散臭そうだった目がさらに険しくなった気がするな…


「クローディア、悪いけど頼めるか」

「ああ、承知した」


 読み書きのできるクローディアに丸投げしつつ、記入欄になんて書いてあるかを聞いてみる。


「うむ、まずは名前じゃな… これはどうする? 姓も入れるのか?」

「姓持ちは貴族なんだろ? 面倒になりそうだからヒビキだけで良いよ」

「まぁそうじゃろうな。後は年齢と得意武器を記入するようじゃ。武器はどうする?」

「うーん? なんて書けば当り障りないと思う?」

「そうじゃのぅ… 短剣使いとかかのぅ」

「そっか、じゃあそれで」

「割といい加減だのぅ主は」


 実のところ3行しか書くところが無かったのですぐに書き終わる。


「えーとヒビキ様で19歳の短剣使い… これで間違いないですか?」

「はい」

「では登録料として銀貨10枚かかりますが、大丈夫ですか?」

「銀貨10枚ね、じゃあこれで」


 登録料を支払うために銀貨を出す。

 しかし結構高いんじゃない? この金額なら突然思いついて冒険者になるとか厳しいんじゃないか? なんてグレイに聞いてみると…


「まぁ身分証を金で買うような感じだからな、これさえ持っていれば街に入る時の入場料が無くなると思えば安いと思うが」

「なるほど… 確かにそうかもね」


「確かに頂きました、冒険者証が出来上がるまで少しお待ちください。では冒険者ギルドの制度や決まりごとについて説明します」



 ふむふむ、冒険者には仕事の達成率や貢献度、日頃の態度やなんかで昇級するという分かりやすいシステムのようだ。ランクは新人のFランクから始まりCランクで一人前と言われ、Bランクで熟練冒険者になりAランクで一流冒険者と呼ばれると。更には複数の国家から功績を認められればSランクになれるという…

 しかしまぁこのSランクと言うのは所謂名誉階級で、現状このクラスになるには大陸中心部にあるという魔物のひしめく森を踏破し、魔王と呼ばれる存在を討伐するしか手はないそうだ。

 ま、俺はそんな所に近づかないから関係ないね! それ以前にそういった等級や階級にはあまり興味も無いし、別に良いんじゃないかね。


「これが冒険者証になります、今日からあなたはFランク冒険者になります。先ほど説明した通り問題行動を起こしたら資格は剥奪になりますのでご注意ください。それと…」

「え?」

「後ろにいる3人はあなたの奴隷ですか?」

「まぁそうですね」

「奴隷が成した結果でも主人の功績となりますが、力量に合わない結果だと見受けられた場合には認められない事もあります。後、奴隷を死地へと追いやるような行為はギルドは禁止しておりますのでご注意を」

「わかりました」


 ふぅ、やっと登録が終わったな。だけど一応ギルドの方でも対策はしてあるって事なのかね… 奴隷の使い方について。

 まぁ実際俺にとっては道具とかじゃなくて俺を守ってくれる大事な仲間だ、安全第一に決まっているだろう!

 よし、そんじゃ宿にでも行ってみるか。ずっと野宿しながら歩いてきたから今日はゆっくりと休まないとな、じゃあ行こうか!


 こうして俺達はギルドを出て、宿を探しに行くのだった。





 ─冒険者ギルド、受付─


「はぁ… なんか変な人だったな、良さげな素材の服を着てるし3人も奴隷を連れているし。しかもオーガにエルフと獣人だよ? どんだけ金持ってるってのよ!」

「ねー。そしてなんで冒険者登録するなんて事になるんだろうね。どこかの貴族令息でしょう? あの感じだと」

「だと思うけど、でも黒い髪なんてどこの家なんだろう… 奴隷の3人もなんか身綺麗だったし」

「うんうん。普通冒険者が連れている奴隷なんて汚くて臭くて嫌になっちゃうけど、あれくらいなら全然大丈夫よね」

「他の冒険者もアレくらいやってくれればねぇ… でも一体何がしたいんだろうね」

「あれじゃない? 冒険者ごっこをやってみたくなったってやつ! 普段ならこっちくんなって思うけど、あれだけ物腰が柔らかいならまぁセーフかな」

「でもあの獣人の子… 尻尾が太くて可愛かったわよね! ちょっと触らせてくれないかしら」

「わかるぅ~。綺麗な金色の髪に金色の尻尾! アレはちゃんと手入れされているわ!」

「まぁ登録したんだからそのうちまた来るでしょう。街の近所には魔物も出るし、オーガがいるなら普通に狩ってくると思うわよ」

「そうね、じゃあ次に来た時に声かけてみるかな、あの獣人の子に。それでちょっとだけ撫でさせてもらおう!」

「ふふっ、そうね」



 意外と平和そうなギルドであった。

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