116 登録は恙なく?
誤字報告いつもありがとうございます。
めでたく3人のギルド登録が進行している。
しかしね、いつも俺達の対応をしてくれている受付嬢のお姉さん… 大体見た目は20代前半といった感じの出来る女って雰囲気があり、コカトリスの肉に超反応を示す綺麗な受付嬢だと今まで思っていたんだが。
うん、登録をしつつグレイのムキムキの腕を触ってみたり、クローディアの尖った耳を触ろうとして叩かれてたり、アイシャを正面から抱きしめつつ尻尾を触るなどの行為を繰り返している。
これって俺はどう反応すればいいんだい?
「コラッ! いい加減にせんか! 早く受付嬢としての仕事をするのじゃ!」
「いやぁ良いですね~、この抱き心地と尻尾の手触り。持って帰って良いですか?」
「ダメに決まっておるじゃろ。アイシャは毎晩私が抱いて寝てるのじゃ、アイシャがおらんと安眠出来んのじゃ!」
何を言い争っているんですかねぇ…
なんだかんだと時間をかけ、何とか登録は完了した。
俺はギルドの依頼は一切受けていなかったからギルドランクはFランクのままだったが、新規登録の3人も当然俺と同じFランク… Cランクダンジョンをクリアしたパーティ全員がFランクとか笑えるかもしれないね!
「よし、じゃあ急いで宿に行こう。空いてなかったらどうしようか」
「空いてなければ街の中で野営じゃの。下手な宿に泊まるよりバリアで囲まれた方が安全じゃわい」
「そうだな。飯はご主人がいれば問題は無いし、なんなら肉を焼くくらい俺でもできるようになったからな」
「街中でそれはって思うけどね、とりあえず行ってみようぜ」
確かに硬いベッドにはケルベロスの毛皮を敷くし、安全のため出入り口の前にはバリアを張ってから寝ているから外でも同じようなものなんだよね… 違いがあるとすれば、やはりバリアの張り合わせじゃ隙間風が入ってくるってことくらいかな。後虫ね、虫が入ってきたりするんだよね…
なんて心配していたが、いつもの3人部屋はしっかりと空いていた。そう言えば前にも聞いたけど、3人部屋ってなかなか使われないとか宿の人が言ってたっけ… とりあえず晩飯にするかね。
「さて、急いで戻ってきたのは良いんだけど、とりあえずこれからの行動をどうしようかって事だな。カヤキス商会のナイトハルト氏も来るって言ってたし、いつも通りにダンジョン入ったらすれ違いになりそうだよね」
「ふむ、まぁ来ると言ってもあの年じゃ、馬車でのんびりと来るのじゃろう? 数日100階層で狩りをする程度ならば平気じゃと思うの。どちらにせよミスリルは集めておいて損はないし、ナイトハルトもオルトロスの毛皮を気に入ってたようじゃしの」
「そうなんだよね~。まぁ今後の付き合いもある事だし、オルトロスの毛皮は集めておいても良いかもしれないな。まぁ気にしなくても集められるんだけどね」
「では明日から数日… 5日ほどを目安にしてダンジョンに入ろうではないか。ギルドにはミスリルとコカトリスの肉で恩が売れるのだ、前にやっていたように3か所に分かれて狩りをし、それをローテーションすればいいと思うぞ」
「ああ、それが一番稼げるかもね」
確かに一杯金は貯めてきた、それもこれも奴隷解放のための資金だった訳だが思いの外安くできてしまった。しかし今後も金は必要だろう… なんといっても勇者を出し抜いて魔王を倒してしまおうってんだからな。
しかしいくら目当てが魔王だけとはいえ、魔境に突撃して倒した魔物をそのまま捨てていくというのは気が引ける。だからナイトハルト氏と協力して、魔境素材を流通させる計画を立てている。こちらにも元ゴーマンレッド王国宮廷魔術師団という協力者がいる、この人達を雇う形で狩った魔物の運搬をしてもらおうと考えているのだ。
つまり、雇うという事は支払う給金が必要だという事だね。
「アレじゃ、ガラハドにも一応一報を入れておく方が良いじゃろうな。王都で商会の協力が得られた事と、商売の話で打ち合わせがある事を」
「それもそうだね、いざナイトハルト氏がこの街に着いたとしても、肝心のガラハド氏が連絡付かないんじゃ意味無いもんな」
「そうじゃ。なんといっても宮廷魔術師団に商会の護衛や、ナイトハルトが作ると言っていた倉庫の常駐を頼まなければいかんからの」
「まぁ護衛や常駐になる人はローテーションでって事にしないとな」
明日ダンジョンに入る前に、魔術師団の人を捕まえて伝言を頼むとしよう。
そんな感じで日帰りダンジョンアタックを繰り返す事6日目、ようやくナイトハルト氏がリャンシャンを訪れた。
ナイトハルト氏がギルドに伝言を残してくれていた事で気づき、泊まっているであろう宿に向かっているところだ。
「悪いんだけど細かいところはクローディアに仕切ってもらっていいか? 俺だとどうしても日本の常識で物を考えちゃうから」
「もちろんじゃ、任せるがよい」
やる気を見せつけるように鼻息荒く答えてくれるクローディアに、少しだけ不安を覚えたのは黙っていよう。
なんせ時折ぶっ飛んだ思考をするからなこのエルフは! 考えるだけならともかく、ステッキを使った魔法に関してはダンジョン内で不意打ちでやらかす事もあるからちょっと怖い。
そうそう、実際にレッドフレイムステッキをダンジョン内で使ったのよ、それもフレイムピラーを…
80階層でミスリルゴーレム周回中に、リポップまでの間に狩っているアイアンゴーレムに向かって何も言わずにフレイムピラーをぶちかましたのだ。
その名の通り直径1メートルほどの炎の柱が立ち昇り、目標にされていたアイアンゴーレムがドロッと溶けていく様はものすごい衝撃だった。
もちろん余波と思われる熱波は、魔法の特性が竜巻のような感じで炎が出たんで俺達の方にもやってきたんだ。はい、非常に熱かったです。
しかし、その試し撃ちのおかげか有効的な運用方法も色々と考え付いたとの事。
例えば… 狭い通路であれば複数のフレイムピラーを作り出して道を塞ぎ、迫りくる魔物達へと牽制となるような壁を作るとか。まぁ普通にこっちも熱いから止めてほしいかもだけど、ゴーレムのような炎にビビらないタイプの魔物だと勝手に自滅しに来てくれるかもしれないという事だ。
まぁダンジョン内は天井が低いから、ピラーがどこまで昇るのかは不明であるけどね。
なんて事を考えていたら、ナイトハルト氏が泊まっている宿へと到着した。




