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115 冒険者登録をするよ!

誤字報告いつもありがとうございます。

 なんだかんだと時間がかかったが、持ち掛けられた取引は受ける事になった。俺達がダンジョンや魔境から素材を仕入れ、それをカヤキス商会が買い取って販売するという契約だ。

 奴隷の解除が簡単に終わったおかげか、話し合いが終了した時にはギリギリ日は残っている状態… 具体的に言えば午後4時くらいだな。なので俺達はこのまま王都を出る事にした。

 ナイトハルトは業務が片付け次第すぐにリャンシャンに向かうらしい、遅くとも2日後には出発できるかもとの事だ。まぁ馬車で来るだろうから俺達の移動よりも遅くなるだろう。


 ちなみにオルトロスの毛皮… それを見た瞬間ナイトハルトは売ってくれを連呼していた。それほど毛皮として上等な物だったという… まぁオルトロスの毛皮は結構在庫があるからね、売る事は全然問題ないから受け入れた。王都の貴族や金持ちに売るんだろうけど、それだけでかなりの儲けが見込めるとウキウキしているナイトハルトの姿がちょっとだけ痛かったな。イケおじだと思っていたのに…


「しかしまさかこんな所で輸送と買取りの問題が解決するとか思わなかったの。さすがは主じゃ」

「あのさ、もう奴隷じゃないんだから主は止めても良いんじゃないか?」

「む? 私は主の方が呼びやすいからの、このままいかせてもらいのじゃ」

「俺もそうだな、ご主人はご主人だ」

「ボクも!」

「そ、そっすか…」


 いや、まぁ良いんだけどね。


 まぁそんな訳で、一路リャンシャンへと向かうのだった。










 SIDE:ナイトグリーン王国第1王子


「殿下、リャンシャンに行っているタケノ・コノサト隊長から早文が届きました」

「ここでは勇者と呼べと言っているだろう。しかしもう連絡が来たか… 早々に例の冒険者を手懐けたのか?」

「中を見ていませんので…」

「それはそうか、ではその文を寄こせ」

「はっ」


 フフン、リャンシャンが片付くとなればこの長きにわたる戦も終わりが見えるな。なんでもリャンシャンダンジョンを攻略したという話まで出ているのだ、それが本当であれば魔境の魔物にだって負ける事は考えにくいだろう。そいつらを前線に立たせて魔物を倒させ、俺を含むパーティと騎士団で残党狩りをしつつ魔王の元へ… 完璧な作戦だな。

 まぁ魔王討伐の名誉は俺がもらうとして、冒険者どもには何を褒美にくれてやるかだな…


 まぁ文を読んでみるか…



「なんだと!? まだ例の冒険者どもと接触できていないだと? 何をやっているのだあの者達は… しかも当のタケノはダンジョンの30階層までしか進んでいないなど、少し弛んでいるのではないか?」

「勇者様、ダンジョンは補給がし難く数パーティで連携しなければ難しいと聞いた事があります」

「だが例の冒険者どもは4人パーティで100階層をクリアしたと言われているのだぞ? まぁ続きを読もうか…」


「むぅ…」

「どうされました?」

「リャンシャンでの聞き込みの結果、どうも強いのは3人の奴隷だという話しらしくて主人の男は地味で大人しそうな奴だそうだ。だから何かしら理由をつけて、その奴隷を上納させるか接収するのが良いとの提案をしてきたな」

「そうですか… ギルドで聞いた話によると、オーガにエルフ、それと若い獣人でしたか」

「ああ、しかも獣人は狐人族だという」

「なるほど、それであれば強いというのも納得できますな。しかもその3人が奴隷だというならば、タケノ・コノサト隊長の言う通り上納させるのが良いでしょう」

「その理由はどうするのだ?」

「理由… 聞けば冒険者ギルドのリャンシャン支部とはずいぶん懇意だとの事、あまりに無茶な理由をつけると反発を招く恐れがあります。なのでここはやはり、魔境攻略、そして魔王討伐のためと大義名分を立てましょう。一般人であるならばともかく奴隷であれば、その者には人権はありません。道具として上納せよとの命令で大丈夫かと」

「ふむ… 確かにその方が俺の名に傷はつかぬか。しかもエルフと狐人族は女だというからな、それならば手元に置いても楽しみようはあるか。ではすぐに手配せよ! 我が名と世界平和のために奴隷を上納して協力するのだと!」

「はっ!」



 フハハ! ダンジョン100階層を踏破できるような奴隷だ、これで魔王の元まで道を切り開く事も容易くなるだろう。そして魔王と戦わせ、倒せれば良し。もしも倒せなくとも魔王はその奴隷との戦いで疲弊する事だろう… そうなれば、この勇者である俺がトドメをくれてやろう。

 フハハハハ! これを達成すれば王位の継承は確定的になり、周辺各国も我が国の戦力に恐れ戦く事になるだろう。世界平和をもたらした我が国には逆らえなくなり、我が国は最強国家として後世に語られる事だろう。

 うむ、では酒でも飲むとするか!











 SIDE:ヒビキ・アカツキ


 王都を出て3日後の夕方、俺達はリャンシャンに辿り着いていた。

 行きよりもちょっとだけ急いだんだが、まさか日が暮れる前に到着できるとは思わなかったよ… まぁラッキーだな!


「さて、急いで宿を取りたいところだが、やはり先に皆の冒険者登録をやってしまおうか」

「そうじゃな。しかし冒険者登録か… 随分と久しぶりじゃの」

「俺もそうだな、奴隷になって登録抹消されてから… 2~30年は経ったかもしれん」

「そんなに?」

「ボクは登録するの初めて!」

「まぁアイシャはな、まだまだ若いしね」


 しかしなんだ、クローディアは100年ほど前に奴隷にされたってチラッと聞いてたから100年振りなんだと思うけど、グレイもそんなに長い事奴隷だったのね。

 しかしそう考えるとエルフもオーガもタフだよな… 寿命の問題があるとはいえ、あんな骨と皮だけになるような扱いをされたら数年で死んでしまうぞ! 俺ならね! 数年ももたんかもしれないし!


 それはさておき、早速ギルドに向かおうかい。



「お疲れ様ですヒビキさん、今日は納品ですか?」

「いや、この3人の冒険者登録をしたいんだ」

「この3人って… あっ! 奴隷の首輪が無くなってます!」

「ああ、いっぱい稼いでくれたからね… めでたく奴隷解放だよ」

「それはおめでとうございます! まぁ皆さんの稼ぎはすごいですもんね… しかしそうすると、新たに登録をしてそのままパーティを?」

「そのつもりだよ」

「なるほど、了解しました! では3人ともこちらにどうぞ」

「なんか嬉しそうだけど?」

「それはもちろん! いくらギルド職員とはいえ冒険者様の奴隷であれば、勝手に触ることはできませんが一冒険者なら! アイシャちゃんをギュってしたり頭を撫でたりしても問題無くなりますから!」

「お、おう…」


 そうですか、そういうことですか。アイシャはモテモテなんだな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 まぁナイトハルトさんからすれば『棚からぼた餅』ってレベルじゃないですからね、そりゃウッキウキにもなるってもんです(笑) そして出る度出る度素晴らしくヘイトを稼いでいく…
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