113 奴隷解放と…
誤字報告いつもありがとうございます。
そんな訳である程度の時間を宿で潰し、武器屋に来ています… なんでだろう。
「クローディアよ、この革ベルトは薬瓶を数本差せるようになっているぞ、これならステッキが収まるのではないか?」
「ほほぅ、確かに良い感じになっておるのぅ。これにしようかの」
ベルトを買うって話だからてっきり服屋に行くと思ってたんだよね、でもよくよく考えたらステッキとはいえ武器を刺せるようなベルトは服屋には無いよね。武器を装着できるように作られている物が一番だからって武器屋に来たんだけど、やはりグレイが一番楽しそうなんだよな。なぜか魔法使いであるクローディアもなんかウキウキしているし…
「主よ、少々値が張るがこれを買っても良いだろうか」
「問題無いよ、カヤキス商会の方で予定よりも浮いてるから」
「うむ、ありがたいの」
高いといっても金貨2枚ほど… これから払う金貨1200枚に比べたら微々たるものだよね! しかしそうか、これでクローディアは通常時でも4本のステッキを差して歩く訳か…
これでステッキによる魔法は、水属性と火属性、雷属性? それにマジカルビームは何属性なんだ? 見た感じ光属性のようにも思えるが、ホワイトヒールステッキも光属性っぽいんだよな。
ダークバリアは当然のように闇属性だろうし、なんだかんだと種類が増えてきているよね。でも段々レベルが高くなってきている影響か、ステッキもすっかり忘れるほど時間が経たないと出てこなくなったよねぇ。非常に役に立つ魔法が少量の魔力で使える… とっても助かってますとも!
薬師用だという瓶を多数持てるように作られたベルトを購入し、早速ステッキを差し込んで具合を確かめるクローディア。
まぁ王都のような市街地で、相手が盗賊や強盗のような人間種を想定してブルーウォーターステッキとイエローサンダーステッキを取り出しやすいようにセットしているようだ。でも襲われるか? こんな都会で。まぁ準備するにこしたことは無いという意見を採用し、任せる事にする。
「うむ、思った通り良い感じじゃの。最初から物を入れるように作られておるから腰に干渉して痛くなったりしないところが非常に良いの!」
「そりゃ良かったよ。心配ないと思うけど、そうやって表に出す以上スリとかには注意な」
「それも大丈夫じゃ、そこらのスリ如き、私から奪えるわけが無いのじゃ。しかも万が一奪われたとしても、ステッキの特性上主の元に戻ってくるではないか」
「そう言えばそうだった… それもすっかり忘れていたよ」
俺と俺が貸した者にしか持つ事ができない不思議なステッキ、便利な機能がついているもんな。
露店などで買い食いを楽しんだりと時間を潰し、昼を知らせる鐘の音が鳴り響いたところでカヤキス商会へと向かう。
さぁいよいよこの3人が奴隷じゃなくなるんだな… うん、感無量だぜ。
最初に出会った時は全員がボロボロで汚れていて、痩せ細っていて本当に骨と皮しかないんじゃないかと目を疑ったものだ。だけど俺と契約して一緒になり、ジャンクフードだけど肉をモリモリ食べさせた結果今ではすっかり肉付きも良くなった。グレイなんかは筋肉でパンパンになるほど回復しちゃったもんなぁ。
クローディアとアイシャは女性らしく、細いけど柔らかそうな感じに仕上がっていて体力的にも問題は無さそうだしよくぞここまでと感慨深いものがある。
今日からはそういった契約に縛られる事は無くなるが、皆は俺についてきてくれると言ってくれる… 愛想を尽かされないよう精進しないといけないな!
「お待ちしておりましたヒビキ様、準備はできておりますのでこちらにどうぞ」
カヤキス商会に到着後、すぐに取り掛かってくれるとの事でナイトハルトの後について行く。
「奴隷の首輪、その解除自体はすぐに終わるのですが解除するための準備に時間がかかってしまうのです。これが奴隷商会であれば常に準備はできているのですが…」
「いやいや、やってもらえるだけで十分有難いよ」
案内された大きめの部屋には、なかなか仰々しい装置というか魔道具? それが部屋の中央に鎮座していた。
所々に魔法陣らしき紋様が描かれており、いかにも何か儀式をします的な雰囲気を醸し出している。これを使うんだろうけど大丈夫なんかな。
「では始めさせていただきます。まずはどなたからやりますか?」
ナイトハルトの言葉に3人の方へと振り返る。
「誰からでも良いよ」
「うむ、では俺からやらせてもらおう」
グレイが前に出ると、ナイトハルトが装置の前までグレイを誘う。置かれていた椅子に座らせると紐みたいなものに繋がれた何かの部品… いや、なんかバーコードリーダーにしか見えないんだけど? その部品を首輪にあてがい装置を起動させた。
バチバチっと火花が散るかのような音が鳴る… ゴトリ。
あ、首輪が落ちたぞ!
「これで完了です。奴隷証書で解除ができているかどうかの確認をお願いします」
「あ、ああ」
思っていたよりも遥かに簡単に終わってしまった奴隷解除、あまりの呆気なさに一瞬あ然としちまったぜ。
そしてクローディアが続き、最後にアイシャがその装置を使って首輪が外された。俺は言われた通り奴隷証書とやらを取り出して内容を確認…
「本当だ、名前とか血で拇印をした部分が綺麗に消えているな」
「ならば問題無く完了したという事です」
「ありがとう、助かったよ」
いやぁあっという間だっかけどこれでとうとう奴隷じゃなくなったんだな! ああお金を支払わないとね! 3人共首のあたりを撫でまわしている… どれだけの期間首輪がついていたのかは聞いていないが、何やら穏やかな表情をしているのでとにかく良かったよ。
そしてギルドから硬貨を受け取る時に使っていた袋… それにいっぱいの金貨が入れられているんだがちゃんと勘定しないといけないよな。
部屋の中にあったテーブルの上に10枚ずつ金貨を積み上げていき、縦に10列並べて横に12列を並べる。これで数えやすく分かりやすいと思う。
「はい、確かに金貨1200枚頂戴いたしました。当商会のご利用、誠にありがとうございます」
「こっちこそ助かったよ、奴隷を扱ってないと言われた時にはどうしようかと思ったしね」
「それでなんですがヒビキ様、当商会と取り引きをしませんか?」
「取り引き? というと?」
渋めのおじさんであるナイトハルトの目がキラっと光ったような気がしたんだが… しかも取引って、俺と何か取引できる物って何かあったっけ?




