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102 明日への打ち合わせ

誤字報告いつもありがとうございます。

 そんな訳で急遽、明日の朝からダンジョンに入って養殖レベリングを行う事になった。


「では私が魔術師団を率いて91階層に行くかの、何の参考にもならんと思うが雷撃の魔法で驚かせてくれるわ」

「む? すると俺は民間人を引き連れてコカトリスを狩れば良いのか? まぁ俺の後ろに何人いようと抜かせることは無いから安心するがいいぞご主人」

「ボクはご主人様の護衛だね! 知らない人が一緒だと怖いから良かった!」


 とってもやる気な人達がここにいます、特にクローディア… やはり人間の魔術師がいると思うと力の差を見せつけたいのか? しかも雷撃って事はステッキを使うって事で自前の魔法ではないんだね?


「ところでさ、クローディアの職業っていうの? それは魔法使いだよね」

「そうじゃの」

「じゃあ魔術師団の人って魔法使いじゃなくて魔術師になるって事? それにどんな違いがあるんだ?」

「ふむ、良い所に気づいたの主よ…」


 あれ? これってもしかして話がすごく長くなるやつ? 一流を自負するクローディアに語らせてはいけない事だったか?


 その後、小1時間ほどクローディア先生の講習が続いたのは別の話。

 まぁ要約すると、自前の魔力を持って魔法を行使するのが魔法使いである。そして魔力が少ないから杖などで魔力補強を受けながら魔法を行使するのが魔術師との事。

 俺に言わせてもらえばどちらも一緒なんじゃないかって思うのだけど、自前の魔力で行使する魔法は放つまでの工程が少なくて、より実戦的だという事らしい。魔術師の放つ魔法には媒介する物を中継するせいか、連射速射の性能が格段に落ちるのだそうだ。



「さて、じゃあ一番重要な話なんだけど… ハンバーガーはどうする? 食べさせた方が良いか?」

「それは私も悩んでいるところなのじゃ。口止めを制約で縛るには奴隷契約するしか方法は無いとされておる故、うっかり食べさせて良い物か…」

「別に食わせても良いんじゃないか? どうせ元のステータスが低ければ割合で上がるご主人のバフの効果は体感しにくいと思うぞ」

「そうなんだよな。だけど狩りの間は歩かせる訳だろ? ついてこれなくて効率がって事になるのもなぁ…」

「じゃあアレじゃの、一番最初のハンバーガーにポテトをつければ歩く程度ならバフの恩恵があって疲れにくいじゃろう。しかもそれを説明しなければ良いだけの話かもしれんの」

「まぁそうなるか」


 まぁハンバーガーはね、あまり高級な物の味を覚えさせるのはどうかと思っている。だってこの世界にマヨなんて存在しないからね… あの味を知ってしまったらこの世界の食事に不満を持つようになってしまうかもしれない。ま、普通のハンバーガーでも同じことを言えるだろうけど、アレが一番質素と言えば言葉は悪いが、無難であることには間違いない。

 そしてポテトは継続的に体力が回復するからね、時間はそれほど長いわけでもないけどレベルの上がっていない時期であれば十分に活用できると思う。

 1匹でも魔物を倒してしまえば間違いなく大幅にレベルが上がるしね、そうすれば自力としての体力も上がるからそれで補えると思っている。


「まぁグレイにとってはかなり物足りないと思うじゃろうが、後続に足を合わせて進むが良い。終わってから何匹倒すとどれくらいレベルが上がっておるかを集計するつもりじゃ」

「そうだな、民間人を連れて歩くのならば仕方のない事だろう」


 まぁこれで明日の行動は大丈夫かな? でも朝食としてハンバーガーを食べさせるにしても、どこで食事をさせるかっていうのも問題だな。俺達は宿で食べれば良いんだけど、魔術師団の人とはダンジョン前で合流だろう? どうするか…


「その事じゃが、事前に私とグレイが預かっておれば問題ないじゃろう。それぞれの階層についてから渡せば他の冒険者の目にも留まらずに済むじゃろうしの」

「なるほど! 確かにそれが良いな。昼食はいつも通り80階層の転移陣前だし、そこではコカトリスの肉を焼いても良いしな」

「うむ、魔道コンロとフライパンは清潔にして持ち歩いているぞ!」


 まぁ人数的に、ハンバーガークリエイターのレベルアップにも貢献してくれそうなんだけどここは我慢だね。まだ信用というものは無いわけだし、明日のダンジョンアタックもとりあえずの試験だし。


「じゃあ明日はそれぞれよろしく頼むな、無理だけはしないように」

「了解じゃ」

「承知したぞご主人」

「…………」


 ん? ああ! アイシャが寝ている!

 まぁアイシャにはちょっと難しい話だったかもしれないな、俺の偏見で見れば獣人は基本脳筋みたいだからな。


「じゃあまとめるぞ。明日の朝、宿を出る前に人数分のハンバーガーとポテトを出す。それを各階層に到着後、グレイとクローディアが配付して、序盤の体力を補うと」

「うむ。レベル差を考えればアレじゃ、1匹でも魔物を倒せば相当のレベルアップが見込めるからの。その後であれば体力は気にせずともついてくるじゃろう」

「そうだな、人間種の魔術師は何といっても体力が無い。最初だけは補助するべきだ」

「まぁある程度狩り出したら大丈夫だと思って良いんだな? まぁ俺も実際レベルアップして、自分の体力が増えたことを体感しているから平気だと思うけど」

「まぁ任せるがよい」

「ああ後、全員の戦闘前のレベルだけは把握しておいてくれよ? 1日でどれくらい上がるものなのかも知っておきたいから。もちろん倒した魔物の数もな」


 グレイもクローディアもその辺は大丈夫だろう、なんせ俺という実績があるんだからな。出会った当初は俺のレベルは一桁だったし、歩いての移動だったもんだからきっと大変だっただろうね… 俺に合わせるのに。


「まぁ残念な事に、俺では安全な魔物の討伐は厳しいと思うからよろしく頼むよ」

「分かっておる。主は支援専門じゃからな、誰かを引き連れるのはともかく先陣切って戦うタイプではない事は承知しておる」

「うむ。役割分担というやつだ、俺に任せておけ」


 いやいや、元々頼りになる2人だったけど、最近更に凄味が増してきてるよね! この2人は。なんだかんだアイシャもある意味この2人の弟子のようなものだし、そのアイシャも今じゃ100階層でケルベロスを相手に単騎で戦えるまでに育っている… 精神論が多めなのはともかく、多分任せても問題は起きないだろう。

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