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一章一話 違和感

あれから数時間は歩いているが、一向に内陸への道は見えない。

手紙の内容からここは大陸ではなく島だという事が判明したのだが、未だ島の規模がどれくらいのものなのか掴めずにいた。先住民がいるということを踏まえて考えれば、それなりの大きさを持つ島ではないかと推測できる。

しかしながら歩けど歩けども同じような景色が続くばかり、これは思ったより島の規模は小さく外周をひたすらぐるぐる回っているだけなのではとも思う。

これはいよいよ笛の出番かもしれない。

早速バックパックから笛を取り出してみる。

よく見ると動物の牙のような形をしている、もちろん触った感触もそれに近い。

牙の先端の方から吹くのが正しい吹き方なのかはわからないが、とりあえず先端側から吹いてみる。

が、音は出ず。まるで下手な口笛のようなヒューヒューといった音しか出ない。

という事は根本から吹くのが正解だろう、今度は根本側から吹いてみる。

しかしこちらも音は出ず。今度は下手な口笛のような音も無し。

これでは使えそうにないので笛をバックパックにしまい再び歩こうとする。

その時、急に風が強く吹き始め、歩く事など到底不可能な状況に陥ってしまった。

どんどん風は強くなる。雲行きも怪しいのか陽の光が遮られ暗くなっていく。

強風で目を開けていることさえ出来なくなる。

それから程なくして、ぴたりと風は収まった。

目を開けて顔を上げる、そこには信じがたいものが現れていた。

硬い皮膚に覆われ、大きな翼と長い尻尾を持った大型動物、これは俗に言うワイバーンというやつだろうか?

待て、まさかこれが移動用の動物とでも言うのか?普通は馬とかラクダとか、そう言う四足歩行の動物じゃないのか?

よく思い返してみると、バックパックの中身を見た時点で普通でない事は明白だった。

瓢箪に入った水、麻袋に詰め込まれたパン。

そして使い道が全くわからない謎の石板。

思い返せばその時点でここは私の知ってる世界では無いと悟るべきだった。

そしてもう一つ、触れたくないから気にしないようにしていた事がある。

なんで女装?

確かに一人称は私だし見た目も声も女の子みたいって言われてたけど!

まさかここに来たときに女の子になってしまったなんて事は………うん、付いてる、男だ。

解せぬ!誰だこんな仕打ちをした不届者は!

まぁ全裸で放り出される可能性があったと思えば許せなくもない、そういうことにしておこう。

さてこれまでの出来事から推測するに、ここは島でありそして異世界という事だ。そうでなければワイバーンが目の前に現れるなんて事は起こり得ない。

そして異世界という事は元の世界に帰る手段を見つけなければならないという事でもある。

ならばこれからやるべき事は開拓ではなく手掛かりを探す事、依頼主には申し訳ないが私は帰らせてもらうよ。

開拓は後回しだ、とりあえず手掛かりを探そう。



この考えがいかに浅はかだったか、私はこの数時間後に思い知らされることになった。

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