そこは秘密の花園?
そろそろゴールデンウィークも始まるかというある昼下がりの放課後。クラスの大部分が部活に所属している中、一人の少年が木造の旧校舎、現文化部部活棟をきょろきょろとあたりを見回しながら歩いていた。
『料理部かー 食べるのは好きだけど作るのは中学校の調理実習で食あたりしたトラウマが蘇るから止めとこうかな。隣は家庭科部?なんで料理部と別れてるんだろ?』
先ほどから部室の前にある各部紹介を眺めては、どれもピンとこないという理由で吹奏楽部のようなメジャーなものから折り紙部や園芸部といった比較的マイナーな部活や歴史研究部や学校にあってもいいのかというソシャゲ部などを部室を通り過ぎて行った。
『部活かー、別にうちの学校は、強制入部とかっていうわけでもないから部活に入らないといけないわけでもないけど周りのクラスメイトが部活はいいているのか自分だけ帰宅部というのはなー。柳生鉄心みたいに家の道場があって毎日けいこをやるってわけでもないしや佐藤将みたいにバイト漬けっていうのも味気ないしなー』とうだうだ考えているうちに文化部棟1階の端にたどり着いてしまった。
『なになにここは、何部だったっけ? え~っと“JŌSHI部”?こんな部活部活紹介の時にあったっけ?それとも今年新設されたのかな?それにしてもやけに達筆なのにちょっとデフォルメされてて女の子らしさがあって可愛いな。』
『それにしても何をする部だここ?まさかの女子限定の部?それとも女性が好きすぎて拗らせた変態男子が作った部なのか?でもそれだったら学校の許可とか通らないだろ!流石に』
だがここで引き返しておけば彼の人生は全く別のものとなっていたことだろうが、好奇心は猫をも殺すという諺があるように彼は興味を持ってしまった。
『あのー すみません。どなたかいらっしゃいますかー』
と声をかけてみるも返事はない。そっとドアを開けてみるも中には人はいなかった。
だがそれよりも彼を驚かせたのは、文化部棟である以前に旧校舎なのにも拘らずその部屋には忍者屋敷の一室と見間違うかのような空間が広がっていたことである。
だが驚きも渇かぬうちに彼の視界は叫び声とともに暗転した。