人生
風が吹いた。
ビューン!
僕はその風に身を任せて、
そのまま空に舞い上がった。
鳥や飛行機とすれ違って、
太陽に近づきすぎないように気をつけたり、
雲に乗ろうとしてみたり。
とても楽しくて、時間も忘れるくらい、
いろんなことに興味を持って、
いろんなものに触れてみた。
太陽の光はあったかくて、
雨は冷たかった。
雷はビリビリして、痛かった。
虹には、触れられなかったな。
あたりまえのことじゃない?
すべては、想像通りだった。
あったかいのも冷たいのも、
痛いのもね。
しかも、寒かったな。
想像よりひどいかもね。
でも自分で決めたこと。
一度やってみたかったんだ。
ただそれだけ。
すると突然夜になって、
たくさんの星は輝き、
月は笑ってる。
風はついに止んで、
僕は海に落ちた。
魚になって、
大きな魚にに食べられて、
ちょっとした栄養になって、
普通に死んだ。