フリーダムテイククロニクル
ある日、テレビを見ていると新作ゲームの宣伝が映った。
その内容は、ゴーグルタイプのフルダイブ型VR装置と、ファンタジーオンラインゲームのフリーダムテイクオンラインの発売の事だった。
俺はその装置を見た後、すぐに自分の貯金通帳を見て、何とか買えそうな額だったので、もう一度テレビの場所に戻って発売日を見ると一年後だった。
だが、インターネットの予約は明日から出来るらしいので親に聞いて何とか許可を貰い速攻で予約した。
そして、一年後の四月中旬、待ちに待ったVR装置とフリーダムテイククロニクル、通称FTKが俺こと黒霧悠斗宛に届いた。
「サービスの開始は明日の土曜日の十時からだから、それまで静かにしておくか」
俺は自分の部屋にセット一式を机の横に置いておいた後、スマホでベーターテスターが調べた情報を見ようとした時、高校の数少ない友人の北山翔真から電話がかかってきた。
「悠斗、君も届いたのかいVR装置とFTK?」
「届いたぞ」
「それは良かった。僕と翼と三人する約束は忘れてないよね」
「お前、それ学校でも散々言っていたよな。俺が目立ちたく無いから静かに読書をしている時に」
俺は今日の朝のHR前の事を思い出してゲンナリする。
だが、それを分かってなさそうな翔真は
「別にいいでしょ。君も僕と翼と同じくクラスでオープンオタクの道を歩もうよ」
「新学期から二週間しか経って無いのに、いきなり目立つ事はしたくない」
俺の心情は目立たず影を薄くして、スクールカーストに入っているかどうか分からない空気がいいと思っている。
「まぁ、そこは置いておいて結局君はFTKでは、どの職業を選ぶの? ちなみに僕は遊撃のシーフを選ぶよ。後ネームはチェインだよ」
オタクでコレクターな翔真がアイテムが集めやすいシーフを選ぶのは当たり前だな。
FTKでは初期の職業は、前衛盾職のナイト、前衛攻撃職のファイター、遊撃のシーフ、後衛火力職のマジシャン、後衛回復職のクレリックがある。
ゲームを遊ぶには、その中から一つ選ばないといけないので俺は少し前に決めた職業を話すことにする。
「俺は後衛火力職のマジシャンを選ぶ。後、ネームはフェイクた。ちなみにマジシャンを選んだ理由は前衛に立って戦うのは疲れそうだからな」
「悠斗は運動神経はそこそこだけどあんまり体力が無いからね。それよりは頭の回転が早い事を活かして後衛で指示を出すのが良さそうだから君にピッタリだね」
スマホ越しでも頷いているのがわかるが、俺は少し話を変えることにした。
「そういえば、翼は確か前衛盾職のナイトを選んでいたよな」
「そうだね。今日の学校でもそう言っていたね。しかも、ガチガチの防御型にするとさっきLINEで送られて来たよ。後、ネームはウイングだって」
俺のもう一人の友人の如月翼はオタク女子である。
好きなゲームはファンタジー系なので俺達、特に翔真とはよく話が合う。
なので、中等部の時から三人でアニメやゲームの話で盛り上がっていた。
なので、今回VR装置とFTKが発売されて、運良く俺達三人とも手に入ったので一緒にやろうという話になり、こうやって話しているのである。
「しかし、もう二十二時か。明日の為に少し早いが寝るか」
「そうだね。翼はもう少しFTKの事を調べると言っていたから放置するのが一番だね」
「だな。アイツの集中力は凄いからな」
俺は翼の集中力の凄さを思い出しながらそう喋る。
それから少し翔真と話した後、電話を切ってベッドに入り明日に備えた。
次の日の十時、ようやくFTKにログイン出来るようになったのでゴーグル型のVR装置にはカセットは入っているので掛けてベッドに仰向けで横になり、インする為の掛け声を喋る。
「リンク・ザ・イン」
その一言で俺の視界は真っ白になった。
そして少しした後、俺は何もない空間に座っていて、何処からか機械音声が聞こえて来た。
『プレイヤーの信号をキャッチしました。これからステータスの設定の説明を始めますね』
言葉が終わり俺の前にはアニメとかでよく見るステータスパネルが現れた。
『まずは名前と職業を決めてください』
「名前はフェイク、職業はマジシャン」
オレはパネルにそう打ち込んで少しすると自分のステータスが出てきた。
ネーム・フェイク 職業・マジシャン
レベル1 経験値0 カルマ0
HP300/300 MP200/200
STR(筋力)5
DEX(器用さ)10
VIT(耐久力)10
INT(知力)30
MMD(精神力)20
AGI(俊敏性)25
LUK(運)52
スキル なし
「なる程、なんか運がいいような気がするけど気のせいか?」
『いえ、運は基本20〜30位が平均なのでかなり高いですね』
幸先良さそうだな。
でも、何かありそうで怖いな。
そして次に、俺はアバターの見た目を決め始める。
『アバターはプレイヤー様の性別は変える事は出来ないですよ。後あまりにも体の大きさを変えると感覚がズレるのでオススメしないです』
「了解です。だとするとリアルだと、170センチの58キロの中肉中背だからそこはこのままでいいか。顔は少し目つきを鋭くして髪の色は青色にするか」
そう言って変えてみると、中々良さそうな見た目になった。
まぁ、俺はこんな感じかなと思って今度はスキルの選択に入る。
『プレイヤー様はマジシャンを選んでおられるので魔法系のスキルがメインですね。サブに生産系のスキルを入れるのもオススメします』
なる程、最初の魔法は火水土風の四属性のみか。
確か攻略サイトには火←水←土←風←火の順で不利有利があったんだよな。
しかも、このゲームはスキルスロットが最初四つしかないので選ぶのも大変だ。
俺は少し悩んだ後、水属性、風属性、長杖術、ストレージ容量アップを選んだ。
『それでは最後に初期装備とアイテムなどをお渡ししますね』
運営からのプレゼント
ファーストシリーズ
3000S
レベル1回復ポーション×10
レベル1魔力ポーション×10
ファストシリーズ装備されますか? はい いいえ
俺はもちろん〈はい〉を押して装備する。
右手装備 ファストロット(STR2.INT3)
左手装備 なし
頭装備 ファストハット(VIT1.MMD1)
胴装備 ファストシャツ(VIT1.MMD1)
腕装備 ファストグローブ(VIT1.MMD1)
腰装備 ファストズボン(VIT1.MMD1)
足装備 ファストブーツ(VIT1.MMD1)
アクセサリー1 なし
アクセサリー2 なし
俺は最初に着ていたシャツとズボンから白い旅人みたいな服に変わった。
『それでは準備は整いましたね。これから剣と魔法の世界、FTKの説明がありますが聞きますか?』
「あまり長くならないなら聞いてもいいですか?」
『わかりました。FTKでは基本戦闘職が5個で生産系はスキルで習得する事になっているのは、ゲームの世界で自由に遊んで欲しいという願いから名前が取られました。なので、冒険するのも生産や商人として暮らす事など様々です』
なんか説明が長くなりそうだけど、聞くと言ってしまったので待つ。
それから十分後、そこまで話は長くなかったので機械音声さんが
『ではそろそろ、FTKの始まりの街ビギニングの中央広場に転移しますね』
やっとだな、これでこのゲームが始まる。
ワクワクしながら転移を待っていると自分の目の前が真っ白に光、次に目を開けると、大きな広場の地面に座り込んでいた。
「凄い、ここがFTKの世界か」
俺は立ち上がり空を見たり、周りの初期装備を着た人達を見て独り言を呟く。
「しかし、この人の多さだと翔真と翼を見つけるのは大変だな」
俺はそう思って中央広場を出ようかなと壁の近くに移動して考えていると男女二人組がこちらに近づいてきた。
「あの、悠斗で合ってる?」
「リアルの名前は合っているぞ。ただ、ここではフェイクだけどな。ちなみに職業は昨日言った通りマジシャンだ。スキルは水属性と風属性と長杖術とストレージ容量アップだ」
深緑の髪の毛の少年がホッとして続きを話すと。
「なる程、あとわかっていると思うけど、僕は翔真。
ちなみにここでの名前はチェインだよ。職業は宣言していた通りシーフだ。スキルは短剣術と探知と隠蔽と鑑定だよ」
「結構バランスが良さそうだな」
俺と翔真ことチェインと話していると横から金髪の少女が会話に入ってきた。
「ねえねえ、私の事も分かっているかしら?」
「チェインの横にいるという事は、お前翼か?」
「そうよ、私は翼。ここでの名前はウイングよ。
学校でも言っていたけど私の職業はナイトでスキルは片手剣術と盾術と挑発とVITアップよ」
「やはりウイングはかなり防御寄りにビルドを組んでいるな。まぁ、俺は後衛火力職だから後ろで攻撃して、チェインは回避盾と攻撃を切り替えていく遊撃で大丈夫か?」
とりあえずメンバーは揃ったから街の外のフィールドに出る事にする。
〈始まりの草原〉 適性レベル1〜3
ここはレベル1〜3位の弱いモンスターが存在して、駆け出しにはもってこいのフィールドなのだが
「やっぱりこうなっているか……」
「そうだね。このゲームは初期発売生産数は10万本だからこうなるよ」
俺達の目の前には
「おい! この魔物はオレ達のやつだぞ!」
「なんだと! おれ達が先に見つけたからな!」
「誰よ、せっかく分裂したジェルを倒そうとした時に魔法を打ち込んで来たのは!」
とプレイヤーがひしめき合っていて草原のモンスターを取り合っていた。
「どうするの? このままだと私達何も出来ないわよ」
「なら、他のフィールドに向かうのが良さそうだね」
「俺もチェインと同じ事を考えていた。でも、他のフィールドは少しレベルが高いぞ」
「確かにそうだけど、デスペナルティは経験値が1%減るだけだから今は大丈夫だと思うよ。それで、さっきから考えていたけど始まりの森林に向かうのはどうかな?」
「始まりの森林!? 確かそのは適性レベル5〜8位ではなかったかしら? 私達が行ってもボコられるだけよ」
「それは奥に行ったらだよ。ベーターテスターの中には、レベル1でも入り口近くで一体ずつ倒していた人もいるとネットで書いていたよ」
「でも、それは本当の事ではないかもしれないわよ」
確かに、証拠が無ければレベル1が適性レベル5〜8の所のモンスターを倒しているのは分からないな。
「でも、このままだと何も出来ないよ。それなら少し背伸びをしてみるのも良くない?」
「まぁ、このまま何もしないよりは行動に移すのが良さそうだな。俺はチェインの意見に賛成だ」
「ハァ、チェインはともかく慎重なフェイクも賛成するなら私も反対はしないわ」
ウイングがこちらをジッと見てくる。
「そうと決まったら始まりの森林に向かおうよ」
「そうだな。でも奥には行かないからな」
「分かっているよ」
俺達はそう話しつつ目的地に向かう。
〈始まりの森林〉 適性レベル5〜8
街の入り口から20分位歩いて木が多くなって来て、コンソールを開いてマップを見ると、現在のいる場所が始まりの森林と書かれていた。
「ここからが始まりの森林だな、ウイングは俺の前に出て盾役をチェインは詮索を頼む」
「「了解」」
ウイングは俺の前に出て左手にファストシールド、右手にファストソードを持った。
それと同時にチェインが短剣を腰から引き抜いて声をかけてくる。
「前からホーンラビット・レベル五が近づいてくるよ」
「分かった。まずは俺が攻撃魔法を使って攻撃するからその後、ウイングがヘイトをとってくれるか?」
「了解よ。でも私の仕事は分かったけどチェインは何をするの?」
「それはウイングよりもヘイトを稼がない程度に攻撃してくれるか?」
「僕の仕事も分かったよ。それじゃあ君もファーストアタック上手く頼むよ」
「あぁ了解した。それじゃあ、戦闘開始!」
俺は風魔法ランク1(ウインド・ボール)を発動して、ホーンラビットに向けて発射した。
「魔法は詠唱が無くて名前を言えばいいだけだから楽だな」
俺がそう言いつつ発動したウインド・ボールはホーンラビットに直撃する。
そして、ホーンラビットが俺をターゲットにして突進して来た。
「そうはいかないわよ。挑発スキルランク1(コール)」
ウイングが剣で盾を鳴らしてホーンラビットをそちらに引きつけ、突進を盾で受け止めた。
「えぇ!? いきなりライフの2割を持っていかれたわ」
「やっぱり攻撃力が高いんだね。それよりもいただき」
チェインがホーンラビットの死角から短剣術スキルランク1(シーカー)を発動させて斬りつける。
俺もチェインが離脱すると同時に水魔法ランク1(ウォーター・ボール)を発動させて追撃する。
「いいタイミングだ。でも、ウイングはライフが半分を切ったから一旦下がってポーションを飲んでくれ。その間はチェイン回避盾頼む」
「分かったわ」「了解」
その言葉でウイングが少し下がってポーションを飲んでいる間、チェインが前に出てホーンラビットの攻撃を回避する。
俺も魔法を何回かホーンラビットに当てて攻撃するが中々倒れない。
「ライフ回復したわよ。チェイン、チェンジ出来る?」
「勿論だよ。それじゃあ次の突進でチェンジだよ」
チェンジとは一人目がスキルで攻撃した後に、二人目がすぐにスキルを発動させてヘイトをとる戦術だ。
だが、俺達は初心者だから上手く出来るかな。
そう思いつつ見ていると
「いくよ! 短剣術スキルランク1(シーカー)」
ホーンラビットの動きが止まった時にチェインがスキルを発動する。
「今よ! 片手剣スキルランク1(スラッシュ)」
チェインがサイドステップした後、ウイングが上手く攻撃する。
「上手くいったわ」「油断するな!」
俺はホーンラビットがウイングに飛びかかろうとした時に、風魔法ランク1(ウインド・ボール)を発動して攻撃する。
そして、ホーンラビットが紫の煙になって消えて、戦利品と経験値が俺達の元に入って来た。
「こんなに経験値が貰えるんだね」
「こちらが相手よりもレベルが低いと格下ボーナスが入るらしいぞ。それよりもレアぽいのがあるな」
「えぇ! いいな」
初戦闘は上手くいったけど
「フェイクごめん、私チェンジが決まって油断していたわ」
ウイングがそう言って頭を下げてきたので
「別に気にしなくてもいいぞ、それよりもこの辺のホーンラビット狩りをしないか? 今失敗したなら次に失敗しないようにすれば良いだけだ」
俺はウイングにそう話すと
「分かったわ、ありがとう」
と気持ちを持ち直したみたいでよかった。
それから俺達は休憩を挟みながらホーンラビット狩りをしてレベルも3になった。
そして、一旦街に帰って戦利品を売った後、装備の修理やポーションを買ったりして、夜ご飯と風呂に入らないといけないので俺達は宿に入ってログアウトする。
「ハァ、面白かったな。とりあえず夜ご飯と風呂を済ましてくるか」
今は19時前でログインの約束の時間は20時半だ。
なので、俺はさっさと夜ごはんと風呂を終わらせて30分前に自分の部屋に戻ってスマホで攻略情報を見ていると、時間が過ぎて約束の時間になったのでインする。
そして、宿のロビーに降りて椅子に座りながら待っていると、チェインとウイングが階段から降りて来たので
「こんばんはでいいのか?」
「そうだね。こっちも外は少し暗いから合っていると思うよ」
「まぁ、それよりもこれからどうするの?」
ウイングがそう聞いて来たのでチェインが
「今日は始まりの森林でレベル上げをしたいね。装備もまだ初期装備だからお金を稼ぐのに良さそうだからね」
「そうだな。俺も後衛として動きを考えないといけないからね」
「私もそれで大丈夫よ」
「よし、決まったな。それじゃあ向かうか!」
俺達は宿を出て始まりの森林に向かう。
〈始まりの森林〉 適性レベル5〜8
「夜になると少し視界が悪くなるわね」
「そうだな。でも月明かりとかがあるからそこまで暗いとは感じないな」
「それよりもホーンラビット・レベル6が近づいて来たよ」
チェインが指差した先にホーンラビットがいたので
「ウイングとチェインはさっきの戦法で動いて貰えるか?」
「「了解」」
俺達はレベルが上がっているのと物資も買い込んでいるのでホーンラビットを何体も倒していった。
それから一時間後、レベルが一つ上がり始まりの森林を進んでいると開けた場所に出た。
「なんか、ありそうだな」
「そうかな? 僕の探知には何も引っかかってないよ」
「それなら大丈夫そうね」
二人がそう言ったので俺も後に続くと
〈フィールドボスエリアにプレイヤーの信号を確認。
これからボス戦をスタートします〉
「「「えっ……」」」
その機械音声が聞こえて来た後、俺達の目の前に白っぽい大きなウサギが現れた。
「ネームド〈ムーンライト・ラビット〉レベル8だと!」
「どうするの戦うの? 逃げるの?」
「逃げるのは難しそうだね。しかもコイツは攻略版には載ってなかったボスだから僕は戦ってみたい」
「ハァ、わかった、なら付き合うぞ。俺もお前を置いていけないからな」
俺はチェインの横に立ってそう喋る。
「私も二人に合わせるわね。フェイクは的確に指示を頂戴ね」
ウイングも俺の横に立ってそう話す。
「向こうも準備が出来たみたいだ。それじゃあボス戦開始だな!」
俺はその言葉の後、熟練度が上がって解放された魔法を放つ。
「風魔法ランク2(ウインド・ボルト)」
俺の前に魔法陣が現れて、中から風の弾丸が放たれる。
「キュィィ」
ボスに当たってこちらを見てくる。
「あなたの相手は私よ」
ウイングがそう言って挑発のスキルを発動してヘイトを稼ぐ。
「体が大きいから攻撃も当てやすいね」
フェイクが短剣術ランク1(シーカー)を当てた後、ステップをして距離をとる一撃離脱を心がけているみたいだ。
これなら時間がかかるが勝てそうだな。
俺は魔法を発動しつつそう思っていたその時、ボスの体が光った。
「二人とも下がれ!」
「「了解」」
二人は思いっきりバックステップを踏んで下がったその時、ボスがジャンプして地面に着地した後、かなり揺れてボスの周りから衝撃波が発生した。
「うわっ! フェイクありがとう。こんな攻撃くらっていたらアウトだったかもしれないわ」
「お礼より前を向け、攻撃が来るぞ」
俺は魔法を発動させて攻撃を続ける。
「フェイク、あんまり攻撃するとそっちにヘイトが向くよ」
「大丈夫だ」
ボスがこっちに向いた時、ウイングが挑発を発動して
「言ったはずよ。あなたの相手は私だと」
と言って注意を引きつける。
そして、体感時間で一時間後。
俺達の武器はボロボロで回復アイテムも少なくなって来た時、ついにボスが紫の煙になって消えた。
そして、レベルが一つ上がりストレージに戦利品が入って来て、俺達は座り込みながら
「なんとか勝てた」
「二人とも僕の要望を聞いてくれてありがとう」
「別に、私も内心戦いたかったから別にいいわよ」
そうやって笑いながら話していると、ある戦利品が気になった。
「エクリプス・ブレスレット、レア度?」
「フェイク、また何かレアを引いたの?」
チェインにそう言われたが
「なんかよく分からない物だから後で話すな」
「フェイクが何を引いたのかが気になるけど、私達もそろそろ街に帰らない?」
俺達は少し休憩した後、街に帰ることにした。
そして、この時に手に入ったブレスレットがまさかの事態を引き起こすとは、この時は思ってもいなかった。