第一話 少年の家
彼はこの時期には少し不自然な七分袖の少し黄ばんだシャツを着ていた。男の子には珍しくフリルやレースがたっぷりと施されている。
「君も1人なの?僕も独りなんだ・・・・・・」
その男の子は少し寂しげに呟いた。
その瞳は彼の年齢には少し不釣り合いなほど何も写していなかった。世界の全てに絶望しているような、そんな瞳だった。
「・・・・・・やっぱり、決めた。少しだけ待っててね」
そう言い残して、その子は店の中へ入って行った。
数分後____。
私は男の子に連れられ、彼の家へ向かっていた。
その家はとても綺麗な白い壁にクリーム色の屋根。思わずうっとりしてしまった。
中もとてもオシャレだった。
白を基調とした白黒のモードなダイニングキッチン。天井から吊るされた豪華なシャンデリアや真紅のマットが敷かれたゴージャスなリビング。
扉を開ける度に色んな世界を行き来しているかの様だった。
そんな部屋の前を通ってようやく彼が部屋の入口で立ち止まった。
首からかけた鍵を回し、彼が扉を押した。
どんな部屋なのだろうか・・・・・・。
白を基調として、青が差し色に使われた部屋だろうか。赤黄緑の遊び心のある部屋だろうか。白と木を基調とした落ち着きのある部屋だろうか・・・・・・。
私の目に飛び込んできたのは、赤茶色のフローリングでレンガタイルが壁の半分を覆っている、もう半分はオフホワイト。木を基調としたとても暖かな印象の部屋だった。