閑話・少女たちの異世界転移
教室で少女たちが話している
「ねぇ、柚葉、次の授業何だっけ?」
横を通り過ぎたら誰もが振り返るような、可憐な少女が言った
「えっと、数学だね、翼、数学苦手だったよね」
今度はグラビアアイドルのような容姿をした、何となく妖艶さを感じさせる少女が言った
「あの、翼ちゃん、数学の宿題見せてくれない?」
翼のクラスメイトの少年が言った
「ああ、隆志くん、私は数学苦手だから、柚葉に見せてもらったら?」
いやいや、私のノート見せられる状態じゃないし、柚葉ならだいじょぶでしょ
「あ、う、うん、なら、柚葉ちゃん、宿題見せて」
「え、なんで?嫌だよ、宿題やらなかった隆志君が悪いんだよ、あと、名前で呼ばないで」
流石柚葉、ガードが堅い、そうだ、後でお兄のクラスにいこっかな~♪
「そ、そう、じゃあね」
しゅんとしてるが、別に私たちは悪くないし
「ははっ、隆志のやつ、振られたのにしつこいな」
「そうだそうだ、未練がましい男は嫌われるぞ」
そういえば、隆志君は以前、私と柚葉に告白してたっけ
「う、うっさいな、黙ってろよ!」
はあ、退屈だな、早くお兄に会いたいな、そんな事を考えてると光に包まれた。
「勇者よ、勇者よ、目覚めたまえ」
えちょ、なに、何が起こったの?また異能力、もう勘弁してよホントに、なんで私たちまで巻き込まれるのよ
「勇者よ、我らを救ってください、魔王を倒してください」
え、いやいや、何がどうしたの、これは幻覚なの?そういえば、いつだかお兄が異世界に転移したときはあわてるなって言ってたなぁ、はぁ、お兄に会いたいな
「あの、突然魔王倒せって言われても困りますよ、それであなたは何なんですか?」
あ、あれは、さっき隆志君をからかってた男子だっけ
「私はウィズ魔法国の女王、アイン・ウィズです、お願いです民が苦しみ虐げられているのです、女王としてこの事態を見過すわけにはいかないのです」
「ちょっと待って、なんでそれに私たちが巻き込まれなきゃいけないの?おかしくない」
「申し訳ないとは思ってるのですが、切羽詰まった状況でして、お許しください」
「わかりました、協力します、困ってる人がいるのを見過せません」
隆志君ちょっと何言ってんの
「感謝します、それでは係の者が案内致します」
ええ、私は納得してないのに、まあ、今何か言っても得るものはないし、黙ってよう
3日目、パーティーを組んで王宮の近くのダンジョンに潜ることになった、私はお兄と柚葉がいればそれでいいのに、なんでこんなめに
「翼ちゃん、ゆz、千歳さん、パーティー組まない」
「あ、隆志君、お誘いありがとう、一緒にパーティー組もう、柚葉もそれでいいよね」
「うん、翼がそう思うなら」
5日目、ダンジョンに潜った、隆志君は女子は後衛にいろと言って、一人で戦っている正直かっこつけがウザイ
10日目、ボスに挑んだ、結果はボロ負けだった、男子がかっこつけようとしてやられまくったせいで、死傷者はいなかった
12日目、隆志君が柚葉と私に話があると言って部屋に呼びだして来た、中には数名の男子がいた
「ちょっ、なん、もがぁ、ふがっ」
「つば、ふぁっ」
ちょっと待って、何するの、と言いたかったけど口をふさがれて何も言えない
「おい、隆志、こんな事してだいじょぶなのかよ?」
「だいじょぶだ、だって、証拠はどこにもないんだからな、ははっ」
そう言って、私と柚葉の服に手をかけてきた
「ほれほれ、脱げちゃうよ~」
「もういいや、どうせばれたら俺も同罪なんだしやれるときにヤっとこう」
イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだお兄、助けて、この時柚葉と翼は寸分たがわず同じことを考えていた、だからそれが起きた時の反応も一緒だった
「パリィィィィィィィン」
窓ガラスが割れた、その時柚葉と翼の顔に歓喜がうかんだ
「人のものに手を出すとはいい度胸だ、死にさらせ」