「随分賑やかになりましたね」
「随分賑やかになりましたね」
「ああ、よかった。ポイントも日々少しずつ回収できている」
小さな河童や、子鬼、一つ目小僧や、顔がしゃもじの妖怪など、大量な妖怪が遊びまわっている。
「これでは戦力にならないのでは?」
「鬼という妖怪は百鬼の妖怪を集めて、戦うと強くなる妖怪らしい。取り合えず、100の妖怪を従えたんだ」
「そうですか、それで、いかがでしたか?」
「うん…あんまり変化はないんだよね」
「そうでしたか、まぁ、ポイントを集めるのにも必要ですし、妖気が溢れていて、過ごしやすくなりましたから」
「そうだよな」
今日も俺は天狗とダンジョンに向かった。
スケルトンを破壊するのにも慣れてきた。
「河童、小妖怪たちを連れてきて、個々の槍を回収させろ」
「わかった、水に潜れる妖怪を連れてくるよ」
河童が戻っていった。
ぼくと天狗が槍を集めていると河童が水に住む妖怪を集めて戻ってきた。
「これ、運んでくれないか?」
「は~い」
小妖怪たちを河童に任せ、俺たちは先に進んだ。
再び、下の腐った魔物と対峙すると、ダンジョンコアに反応があった。
―グール
どうやら集中すると魔物の名前がわかるらしい。
再びグールたちと戦闘を開始する。
槍の使い方にもなれたからか、昨日より少し早く倒すことができた。
「今日は体力にも余裕が残ってるから、下の階層にいってみよう」
「わかりました。若の命は私が守ります」
「頼む」
下の階層は墓場のような場所だった。
「いい雰囲気ですな」
「そうだね」
歩いていると、蝙蝠が大量に飛んできたかと思うと、一つ一つが人の形に姿を変えた。
―下位吸血鬼
「吸血鬼だって」
「あれが・・・」
「よし、戦ってみようか」
「ここまで来られたのは褒めてやるが、我々吸血鬼にはかなわないだろう」
「後悔して死ぬといい」
「はははっはははっははは」
「しゃべれるんだ・・・」
「若、こいつらは知能があるようです。前に現れた魔物よりも強いかと」
「ちょっと、やばいかもな」
「ええ、引き返しますか?」
「いや、少し戦ってみようか」
「やっちまえ!!」
「うおおおおおおおおおお」
上から襲いかかってくる吸血鬼に槍を刺し、下に引きずりおろす。
爪でついてくる吸血鬼の攻撃をかわし、槍でついて殺していく。
「うわあああああ」
吸血鬼たちが悲痛な声を上げるが構わない。
「は!」
掌底で吸血鬼を殴り飛ばした天狗。
あちらもうまくやっているようだ。
「これくらいならいけそうだ」
「油断は禁物ですぞ、若」
天狗が吸血鬼たちを屠りながら叫ぶ。
「もちろん油断なんか絶対しない!」
槍で吸血鬼を殴り飛ばした。
「ちっ、こいつら強いぞ!」
「火魔法を使うぞ!フレアボム!」
「若!」
「うわっ」
危機一髪躱すと後ろの墓石が壊れる音がした。
「こいつら魔法に弱いぞ!」
「離れて魔法を使え!」
吸血鬼たちが離れたところから魔法を放ち始めた。
「くっ」
天狗も俺も、躱すのに精いっぱいで、会話の余裕がない。
「いったん・・・・・・・もど・・・・るぞ!」
もと来た道を戻ろうとするが、後ろに回り込まれていた。
「くそぉ」
「「「「フレアボム」」」」
大量の炎が向かってくる。
僕は体を丸めて目を閉じた。
しかし、痛みが訪れない。
「え?」
「お・・・怪我はありません・・・・か?」
「天狗!」
炎で背中を焼かれた天狗がふらふらと揺れて倒れた。
「天狗!!!!!!!!!!!!!」