半年後、僕は再び壁にぶち当たっていた。
半年後、僕は再び壁にぶち当たっていた。
「妖力が足りない」
「そうだな、若は戦えるようにはなってきたけど、妖怪としては未熟だな」
河童が体に水を纏った。
「妖怪としての力が何か、鬼の力の本質を理解していないんだなぁ」
「ああ、そうだな」
おじいちゃんはたしか、鬼についてこういっていた。
「昔、鬼と戦ったことがあってな。彼らは百鬼夜行という妖怪の集団を作ってな、みんなから妖気を借りて纏うことで強くなるんじゃ」
俺も百鬼を従えれば・・・・・
「それに、単純に半妖だからということもあると思います。レベルを上げるために外に出てみることも必要かと」
「そう・・だな。だが、危険に思えるんだ。外は人間だらけだろう?」
「俺が地底湖から外を偵察してきてやるよ。地底湖にはたくさん穴が開いていてな。外に繋がっているものもあると思うんだ」
「そうか。じゃあ、たのんだ」
「おう!」
一か月後
「若!見つけたぜ、外の洞窟に繋がってる穴を。たぶん、俺らと同じ場所・・・・ダンジョンだぜ」
「へぇ、周りの妖怪はどうだった?」
「それが妖怪はいなくてな。魔物ならいたぜ?」
「若がいっても安全か?」
天狗が心配そうにいう。
「俺が一緒に行くから、心配すんな!」
「そうか。頼んだぞ、河童」
「じゃあ、連れて行ってくれ!」
俺は河童と共に地底湖に潜っていった。
地底湖は思ったよりもすごく深かったが、とても澄んでいて綺麗だった。
その中の穴に、河童に手を引かれて入っていった。
「ぐぼぼぼ」
やばい‥‥呼吸が・・
「もう少しだ、頑張れ!」
「ぷはっ!」
光が見えて、そこに飛び込むと、洞窟の中の川のようなところにつながっていた。
「ごほ、ごほっ」
川から上がった。
「よく頑張ったな。ここから、魔物が大量に出てくるぞ。俺のそばを離れるなよ。お前が死んだら、俺たちも死ぬんだから」
河童が両腕に水を纏う。
奥から骨の魔物が走ってくる。
妖怪とは違って、魔力で動いている生き物たちだ。
河童の水が骨の魔物に当たる。
水圧に骨が崩れ落ちた。
骨のうち一匹が俺に向かってくる。
「河童、おれにやらせろ」
「危なくないか?」
「大丈夫だ。これくらい、俺がこれから乗り越えなきゃいけないものに比べれば造作もない!」
スケルトンがカタカタ揺れながらそのやりを俺に突き出す。
槍を交わして、なぜる。
そのまま首筋に手刀を当てると首が飛んだ。
体に力が満ちていく。
「前回来たときに思ったが、魔物を倒すと体に力が増すっていうか・・・・・」
「そうだな。僕もそう思う」
「行けるみたいだな」
「うん、行こうか、河童」
「おう」
僕らは奥からあふれ出てくる骨の化け物と組み手をつづけた。
「うおおおおおおおおお」
掌底を叩き込み、スキルトンを破壊する。
後ろからの槍を危うく躱し、蹴りでしとめる。
ひゅん
河童が水圧でスキルトンを殺していく。
「はっ!」
正拳突きを放って、砕く。
僕たちはスケルトンが現れなくなるまで、洞窟で戦い続けた。
「これで終わりみたいだな」
「ああ。もう皿がカラカラだよ」」
水をさらにたらしながら河童が言った。
「この下は水があるかわからない。俺じゃなくて、ほかの奴を連れてきた方がいいかもな」
「そうだな。じゃあ、もう一度戻してくれ」
「了解」
河童が再び俺を連れて水の中に潜っていった。