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今日も  作者: 水井時零
3/3

A2

研修二日目。今日は何をするのかな?

わくわくしながらドアを開ける。

しかし、そこには一体の亡骸が転がっただけだった。

「こんな……馬鹿な!」亡骸を揺さぶってみる。冷たい。何よりも冷たかった。

「だってだって!二日目だよ!何でっ…何で二日目で人が死んでるの!」

そこへ現れたのは千賀さんだった。

「見ちゃったか。現実を。」

よく見ると、服はボロボロで顔から血を流していた。

「ごめんね……これがこの仕事なの。納得出来ないよね。でも……やるしかないの。」

そっと亡骸に触れた。まるで分かりきったかのように。

「緒実ちゃん……良く頑張ったよ。その文この子が一生懸命生きるからね。」

そう語りかける。優しい声だ。なぜこの人は人が亡くなったのに冷静でいられるのだろう

。分からない……

俺には全く分からない…

「他の人達は今、戦闘してるから……あれ?どうしたの?」

気づいたら、立ち上がっていた。

「行きますよ。その戦闘!」

「無茶よ!勝てるわけ無いわ!貴方はまだスライムしか倒してないのよ!」

止める千賀さんの手を振り払った。そして、あの次元の狭間へと歩いて行くのだった。


「ジャスティスメーカー…」

鎧と武器を装着し、ここが何処か見る。

空は曇り、周りには木も岩も見当たらない。

「あ!あれだ!」

その先で数人が倒れてるのを発見した。

それを見ると、胸が締め付けられると同時に

助けなければという正義感が身を包んだ。

俺は走った。とにかく走った。

目の前に現れたのは自分の数百倍はある恐竜の様な生物だった。

「無理だ……君では!あれは悪…」

一人の男性は倒れた。勝てる気等全く無いのだが、それは証が無い自分だったらの話だろう。

不思議だ。

「 あああああ!!!」

叫び声を上げると突撃していく。誰の為でもない自分の為に。

だが、

「我、強者。……汝には負けぬ!」

閃光の如くの攻撃は俺を直撃した!数百メートルは吹き飛ばされたらしく、何本か骨が折れたらしい。

「あ~痛てぇ……ムカついたなぁ。よし!」

また向かって行く、その走り烈火の如し。

「うらぁああああああああああああ!!!」

飛び上がって槍を振り下ろした。槍は腕を貫き、胴体までも突き刺さる。が!

「小癪な……」

その声に俺は反応出来ず、巨大な爪が俺を貫いた。

意識が遠くなる……無様な死だ。ははは……



目が覚めると、見たこともない真っ白な空間にいた。

此処は何処?

「やあ。目覚めたんだ。」

見たことも無い人……誰?

「ここの空間からは早く脱出した方が良い。だからお帰り。」

その声を聞くと、なんだか眠くなってきた。

──────

「此処は…?」

起きたら、俺は床に寝ていた。

「あっ!目覚めた!」

周りの人が驚いている。あれ?俺は貫かれたのに、塞がってる?

体の傷は塞がっていた。

「バカッ!」

頬を平手打ちされた。

「なんで勝てないのに向かって行ったのよ!」

何でと言われても分からなかった。

向かって行きたかったらなのだが死んでもそれだけは言えない。

「ですよね……大馬鹿者ですよ。」

あれ?何で悲しいのだろう。それどころか俺は泣いているじゃないか……

「でも……ありがとね。」

そう言った千賀さんの顔は優しかった。

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