A1 欠けた十字
今日も俺は不採用の通知を破っていた。外は雪だ。ニュースによると五年ぶりに積もるらしい。
しかし……もう俺は27だ。27でアルバイトの生活ってマジでヤバイのでは!?
とゆうかアルバイトすらやっていない。三ヶ月前に辞めたのだった。理由は店長が嫌いだから。たったそれだけ。
「親の仕送りも限界だしなぁ……何かしないとなぁ…」
部屋に寝転んでこれからを考えたが、思いつかない。もはや未来が無いのか。
「気分直しに外にでも行くか……」
重い腰を上げ、外に出てみた。ああ、想像通りの雪だ。なんて冷たくて重いのだろうか。
少し歩くと、子供が遊んでいる。無邪気なもんだ。雪で滑るとか窒息するとかも考えないだろう。
「いっそ……雪にでも埋もれて死ねたらなぁ。」
そんなくうだらなぃ考えをしながら歩いていると、おかしな物体を発見した。
「十字に見えるが、一箇所が欠けている?色は青いや今赤に変わった!?」
その欠けた十字は次々と色を変える奇妙な物体だった。
俺はそれをポケットに入れて、歩いた。
「何だ?あの建物は?」
そこへ見えたのは黒い建物だった。看板に
は「掃除代行」と白い文字で書いてあった。
気になったので、近づいてみると何か貼ってあった。
「アルバイト募集。精神の強い方のみ。と書いてある。不思議な事に時給も時間も電話番号も書いてない。何だんだこれは……」
怪しんで見てると、ドアが突然開いた。
「あら?アルバイトさん?」
そこから出て来たのは女性だった。目鼻立ちは幼く、服は作業服の様なもので覆われている。
「入りますか?どうぞ~。」
微笑んで俺を誘った。
そして、建物の中に入ったのだった。
「みんな〜アルバイト希望の人だよ~!」
女性が呼びかけると、何人かが出て来た。
「あの……ここはなんなのですか?」
気になっていた事を聞く。
すると女性の顔つきは急に真剣な顔つきになって「現実世界の獄門。つまり関所だよ。」
「関所?」
女性はくるりと向きを変えた。
「何でか分かんないけど、ここ空間が歪んじゃってね……モンスターくるようになっちゃたんだよ。だからね、そのモンスターを」
「モンスターを?」
「ぶち殺すんだよ。ね?分かった?」
もう、嫌な予感しかしないので俺は帰ろうとした。だが!ポケットからあの欠けた十字が落ちてしまった。
「ん?何これ?」
女性は十字を拾った。
「……ちょっと!これまさか!?」
十字をすぐに他の男性に渡した。
「ねぇ!どこでそれを手に入れたの!ねえ!」
女性は揺さぶる。
「み、道に落ちていたんです!」
正直に言ったら、周りの人間も驚愕した
「出た!これは間違いない……アスラスの証だ……」
何を言ってるのかさっぱり分からん……
「君、内に入って!」
女性はそう言った。
「分かりました。で、契約書は?」
そして差し出されたのは試験管と針だった。
「この中に血を一滴入れてくれれば……」
ああ、そうなんだ。俺は指に針を刺し血を試験管に入れた。
「よし!契約完了!最後に君の名前を教えてくれるかな?」
「松﨑魁星。よろしくお願いします。」
一礼をした。
「あたしの名前はね、大賀千風って言うの!じゃあまた後でね~!」
手を振って千風とゆう女性は奥に入った。変帰るか……
ドアを開け、外に出ると建物は白に成っていた。頭がおかしくなりそうなんだが……