ColorLess
どうも、世編と申します。
今回の作品が初投稿になります。
こんな作品を読んでくれる物好きさんとはぜひ仲良くさせていただきたいです。
僕には色がなかった。
例えば、アイドルグループのメンバー一人ひとりにはイメージカラーというものがある。
僕にはそれがない。
仮に僕が何かの手違いでアイドルグループに途中加入しようものなら、事務所の偉い人からには
「YouのColorは…んー。
また後でいい?」
なんて後回しにされたまま有耶無耶にされそうだし、コンサート前のメンバーとの円陣では、
「あれ、あんな奴いたっけ?」
「楽器隊の癖に俺らみたいな服装してんな。」
なんて騒がれてしまいそうだ。
挙句の果てに最初の曲の前奏あたりでそっとフェードアウトしてそうだ。
と、別にそうなったわけではないのに妄想ばかり膨らむ。
罪だよね。
下校中の電車って。
特に金曜日ね。
開放感からか、妄想が捗るよね。
***
電車が駅のホームに入って行く。
右から左へ流れるホームに立つ人々の顔。
その奥のオレンジ色。
心地よい振動。
ふと感傷に浸る。
目線を下に落とす。
ただ募っていく変わりたいという想い。
冬が春になるような。
花が色付くような。
その時、大きな音と共に電車がスピードを上げた。
想いを置き去りにするように。
しかし、あまりのスピードに驚いて顔を上げる。
違和感を感じる。
先ほどまで混み合っていた車内には人一人いない。
それだけではない、夕陽にオレンジ色に染められていた窓の奥は、すっかり光を閉ざした黒色だった。
まるで深淵のようだった。
どうでしたでしょうか。
なんというか、筆者自身いきあたりばったりな作品ですので、どう転ぶか楽しみではあるんですね。
良い作品になるように頑張ります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。