誕生日おめでとう、って言われると、
「誕生日おめでとう」って言われると
小さな心の底を、ゆっくりと撫でられたような気持ちになって。
「ここにいるよ」
「ここにいていいんだよ」
なんて、優しい声が聴こえた気がして、泣いてしまいそうになる。
「死んじまえ」って、言われてた。
「役立たず」って、言われてた。
「つまらない」って、「気持ち悪い」って。
「大嫌いだ」って、言われてた。
そんな僕でも、良いのかな、って。
此処に居て、生きていても、良いのかなって。
後ろ指を指されて、笑われた日も。
「役立たず」って、言われた日も。
「気持ち悪い」って、言われた日も。
全部、無駄じゃなかったのかな、なんて。
少しだけ、思えてくるんだ。
誕生日おめでとう、に、ありがとうを。
ゆっくりと舌先にのせて、伝えてみよう。
役立たずな僕でも。
醜い僕でも。
つまらない、凡庸な僕でも。
愛してくれて、ありがとうって。
「誕生日おめでとう」
そんな、優しい八文字に
「愛してくれて、ありがとう」
って、伝えられる日が、いつか来たらいいな。