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詩集⑥

誕生日おめでとう、って言われると、

作者: 桜ノ夜月

「誕生日おめでとう」って言われると


小さな心の底を、ゆっくりと撫でられたような気持ちになって。


「ここにいるよ」


「ここにいていいんだよ」



なんて、優しい声が聴こえた気がして、泣いてしまいそうになる。



「死んじまえ」って、言われてた。


「役立たず」って、言われてた。


「つまらない」って、「気持ち悪い」って。



「大嫌いだ」って、言われてた。



そんな僕でも、良いのかな、って。



此処に居て、生きていても、良いのかなって。



後ろ指を指されて、笑われた日も。


「役立たず」って、言われた日も。


「気持ち悪い」って、言われた日も。


全部、無駄じゃなかったのかな、なんて。



少しだけ、思えてくるんだ。



誕生日おめでとう、に、ありがとうを。


ゆっくりと舌先にのせて、伝えてみよう。


役立たずな僕でも。


醜い僕でも。



つまらない、凡庸な僕でも。



愛してくれて、ありがとうって。



「誕生日おめでとう」



そんな、優しい八文字に



「愛してくれて、ありがとう」



って、伝えられる日が、いつか来たらいいな。




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― 新着の感想 ―
[一言] 夜月さん。お誕生日おめでとう。 娘に私が伝える「生まれてきてくれてありがとう。」はもう届くことはないけれど、夜月さんがくれた優しい言葉はたくさん私に届いています。 夜月さんが生まれてきてくれ…
[一言] お誕生日、おめでとうございます。 来年以降もこの言葉を伝えたいものですね。
[良い点] 心の温かくなる素敵な詩だと思いました。 間合いの取り方も、詩特有の柔らかさで素敵です。 [一言] 何気ない日常をこれほど優しく綴るのは、とても難しいことだと思います。それを形にできるのが羨…
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