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冒険者の街[グローリア]にようこそ!byバッシュ

さっぱりわかんない男装執事己白と一緒に僕は街に向かっていた。

己白が言うに、今からいく街は[グローリア]と言ってとても活気溢れる街なのだとか。

近くにはいくつもの迷宮、正確には4つの迷宮が存在しており、常日頃から冒険者達の命をかけた仕事場となっている。

そんなことを考えていると僕の前を歩いていた己白が唇に人差し指を当てたあと、手をしたに下げる動作をしてきた。いきなりどうした?と思っていたのだが辺りからカサカサと音がしていたため姿勢を低くし声を潜める。

「時雨様、前方にバトルウルフが3ひきほど居ますがいかがいたしましょう」

えっ、また?

確かに己白の指差す先には3ひきのバトルウルフがいた。森羅万象が発動しLV、歳があらわになる。

バトルウルフ  4歳 LV9

えっ、強くない?LV9って、僕まだLV1のままなんだけど…

取り敢えず危なそうだから避けていくってことで。

「遭遇せずに街まで行ける?」

「時雨様なら倒せると思うのですが避けていかれるのですか?」

「いやっ、LV9だよ?」

「ステータスはご覧になられました?」

慌てて森羅万象を意識的に発動。

バトルウルフ  4歳 LV9

HP60 MP18  力26 防御18 素早さ34

        魔力10 精神12 器用20

ユニークスキル 遠吠え 集団行動

あれ……弱っ!?

僕LV1で3桁あるのにLV9で2桁前半なの!?

今調べたのだけ例外だったのかと思い全員鑑定してみたが少し差はあれどみんな同じようなステータスだった。

「この世界ではLVの高さはあまり関係がありません。同種族内では大体同じなのですが、別種族や特殊個体などは大きくステータスが変化しますので」

「人はみんな僕みたいなステータス?」

「いえ、時雨様は人、こちらの世界でのヒューマンの中では特殊個体に位置する存在です」

んー、だから蹴りだけでバトルウルフが倒せちゃうのか。

「それより時雨様、迂回をするのならば早めの方がよろしいかと」

うん、早いとこ離れちゃお。

そして僕と己白はその場から右回りに迂回することにした。


5分ほど歩いていくと木がだいぶ少なくなり、開けた場所へでてきた。

右を見れば日本ではお目にかかれなかった地平線が見え、左には大きな海?が薄く見える。前には高さ20メートルは有ろうかという城壁に囲まれたグローリアがみえる。

縦横5.6メートルはありそうな門の前には白銀に輝く鎧をまとった騎士らしき人が4人たっていて、中に入ろうとする馬車や人などの身分確認や持ち物検査のようなことをしていた。

身分証とかないけど大丈夫なのかな?と言うかそんなことより騎士かっけー!なにあの鎧、めっちゃかっけー!

僕が1人騎士の鎧に興奮していると己白がカードのようなものを渡してきた。

表面には

夢宮時雨 出身地なし 15歳 住民登録なし

と書かれている、と言うか堀こまれている。

「身分証でございます、仮身分に近いものなので早めに住民登録さきを決めるか冒険者登録をする事をお勧めします」

冒険者登録かー、確かによくギルドカードっぽいのが身分証に使われてるもんね、小説で。

少し進んで門の前まで来ると、騎士の1人が話しかけてきた。

「身分証は持っているか?ギルドカードでも構わん」

己白は自分の身分証を渡す。そこには

篠原己白 出身地ユリセリア 17歳 住民登録エリン

とあった。

それを見た騎士は少し驚きながらではあるが話を続ける。

「お、お前さんユリセリア出身か、それにエリンって…もしかして国黒軍かい?」

「さあ、どうでしょうか」

己白は曖昧に誤魔化すと身分証を受け取り僕のそばに戻ってくる。

国黒軍ってなに?しかもこっこくぐんっていいずらいし。

「なんだ坊主もいたのか」

「はい。どうぞ」

僕は身分証を渡す。

坊主ってなんやねん。もう15だというのにもうすぐ高校生だったんだよ?

「これは、何も書いちゃねーじゃあねーか。もしかして坊主冒険者にでもなりに来たのか?」

「一応そのつもりですが」

「そーかい、まー頑張んな。何かあったら白狼のバッシュを訪ねてきな。まあ立派そうな嬢ちゃんもいるし大丈夫だとは思うが」

おお、意外と親切だ。白狼のバッシュって二つなか何かかな?取り敢えず森羅万象を発動してみる。

ウラル・バッシュ  28歳

LV56 ファーストジョブ 聖騎士

HP1120 MP640  力810 防御980 素早さ670

          魔力630 精神777  器用680

「冒険者の街グローリアにようこそ!」

バッシュは高らかに僕らを歓迎宣言してくれた。

そんなことより…








…………強っ!?

ようやく街に入れます。

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