1話 魔王(ロリコン)と魔剣
俺は今お城の応接間に居る、この部屋にいるのは俺を除けば全員幼女だ……
「というわけで、私たちは魔王の力でこのような姿になったのです」
「はぁ……で、その魔王はどこにいるのですか?」
この世界のすべての女性を幼女に変え、すべての男性の性癖をロリコンにし世界を征服した魔王それが今回のターゲットらしい。
「えーと、この城です」
そうだな、既に魔王に征服されてんだもんなここが世界の中心にある国ってことになってるとかで魔王もこの城にいてロリハーレム作ってキャッキャウフフとしたかったらしいが、イマイチ女性陣の反応は薄く、魔王もロリコンなため女性陣を雑に扱えず、下手に出ているって話だ。
「なんだ平和じゃんすごい平和なんだけど、これはこれでいいんじゃないの?」
「良くないです! 私は元々こう……ボンッキュッボンな感じだったんですよ? それがこんな姿に変えられて……」
女性陣は今の姿が嫌なんだとか、まあ健全なる男子だと思っている俺からすれば幼女は範囲外だ、まあ元に戻ったところで俺はすぐさま次に行くことになるんだからどうでもいいか。
そして俺は幼女に連れられてロリコンの居る謁見の間に通された。
「貴様が勇者か」
「お前がロリコンか」
ロリコンはふてぶてしい態度で玉座に座っていた。
「ああ、そうだ私がロリコンだ……全ての若きを愛し、すべての幼なを肯定するものだ」
正直何を言っているのかは理解しがたいな、つかガチで本名がロリコンらしいんだがこの魔王。
「じゃあ早速殺すか」
俺はとりあえず聖剣を作り出す、聖剣は世界の柱とも呼ばれるもので、モノにもよるが勇者が扱うクラスのものは他の世界には持ち出すことが出来ないため、俺はこうして自分で作らなけらばならない。
白銀を主体として、白金で装飾された諸刃の剣を創造、そこへ強化、神聖化を掛けて聖剣と成す。
魔王は玉座に座ったままだが明らかに腰を抜かしている、動かないというか動けない状態だ……そして俺は躊躇いもなく魔王の元まで跳躍し、その勢いに任せて魔王の腹を貫いた。
もはや馴れたもんだ、こういうのは。
「み、見事だ……しかし残念だが幼女化は私を殺しても解けぬ……」
魔王の矜持か、腹を貫かれてもなお、奴は余裕そうな表情で爆弾発言をした……その発言に勝利を確信していた幼女達は固まった。
「そしてお前にはこれをくれてやろう……我が魔剣幼女楽園を」
「いらねぇよ!」
聖剣から手を離した俺はその魔剣を掴んで、あらん限りの力を以て投げ捨てようとしたが――――手から離れない……あ、消えた。
『魔剣を取得しました』
「いらねぇぇぇえええ!!」
俺の絶叫など聞こえていないように無慈悲なアナウンスが鳴り響く。
『――――召喚準備中、召喚世界選定中。』
「チッ……仕方ないやることはやったんだ、さっさと次に行くか……」
そういって立ち去ろうとする俺の足が止まった、見れば一人の幼女が涙目で抱きついていた、確かこいつはこの国のお姫様だったな。
「どこへ行こうというのですか!? 元に戻して! 責任とってください!」
なんか泣き付かれてるけど……
『――――召喚準備完了、召喚開始します。』
ですよねー……そうして俺はこの世界から消えたのである、光の粒子となって。




