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プロローグ

 俺は……今、魔王を倒した、この世界に召喚されて三日、勇者としての使命を全うするために、魔王城に向かうこと二日、魔王討伐に一日掛けた。

 仲間たちは呆然としている、それは仕方ないかな、つい先日来たばかりの勇者が聖剣ひと振りで三年も戦ってきた魔王をあっさりと倒してしまうなんて、誰が信じられる?


「やった……の?」


 俺を召喚した国のお姫様兼凄腕魔術師のリーヌがようやく状況を飲み込めたらしく、一言発する。


「そうだな、これでアンタらの世界(・・・・・・・)は救われたよ」


 俺は魔王を倒したってのに覇気がない感じでそう言ってやる、いや、これは仕方ないんだ、この後俺がどうなるかってのを知っているとどうにもな――――もう慣れたけど。


「あ、ありがとうございます!勇者グンマ!早く城に帰って(お父)様に報告しましょう!」

「あー、そのことなんだが、悪い、俺無理だから、みんなで協力して倒したとか適当に言っといてよ、俺は死んだとかでいいからさ」


 俺の足元には魔法陣がある、他の連中はそれのまだ気がついていない。


『――――召喚準備中、召喚世界選定中。』


 もう聴き慣れたそのアナウンスは悲しいかな俺にしか聞こえない。


「ど、どうしてですか!?倒したのは貴方なのに!」


『――――召喚準備完了、召喚開始します。』


「悪いな――――」


 そう言って俺は光に包まれ、この世界から退場した。

 世界の名前はシグルスとかいったか、滞在時間三日って新記録だな、最短の。


 俺の名前は立上軍馬(たてがみぐんま)、つい最近まで普通に高校生やってた、自称勇者だ。

 俺はある特殊体質によって、ある日突然異世界に召喚されて勇者となった。

 その特殊体質とは――――『召喚体質』まんま召喚されやすい体質ってことなんだが、これには五つのルールがある。

 一つ、召喚は拒否できない。

 二つ、召喚時に能力の覚醒が行われる、これは召喚される度に行う。

 三つ、召喚可能となるのは、その世界で魔王を倒す、もしくは、その世界に置ける、条件を満たした場合に限られる。

 四つ、一度行った世界には再召喚できない。

 五つ、召喚される理由が勇者とは限らない。

 以上だ――――。

 そしてこれらの情報を教えてれたり、先ほどのアナウンスをしてくれる天の声が付属している、俺は彼女をアリアと呼ぶ、まあアリアに関しては、ただの音声プログラム的なものだと思っている、質問以外の他愛のない会話には付き合ってくれないからな。


 そして俺がこれまで行った世界は全部で七、その度に新しい力に目覚めるのだが、今のところ目覚めているのが、『聖剣の使い手』言わなくてもわかるだろうけど聖剣を扱える能力。

『魔術の英知』全ての魔術を使える力、と言っても見知った魔術しか扱えないんだけどな。

『聖剣の創造』聖剣を作ることができる力だが、これも知ってる奴だけ、ああ別に見たことなくてもいい、発想が貧困な俺は、エクスカリバーとかしか思いつかなかったからほとんどそういうのしか使っていない。

『魔王探知』これは、魔王がどこにいるかが分かる力だ、これのおかげで魔王討伐が圧倒的に楽になった、世界によっては魔王の居場所なぞ知らんからそれを調べろっていうとこもあるからな。

『ワープ』これは複数人で転移する力、これで移動も楽々、ワープしたいところを相手に思い浮かべてもらい、その頭に手を乗せて発動する、ちなみに自分の頭では使えない。

『時間停止』その名の通り、時間を止める力だ、これで一瞬の隙を作り聖剣のひと振りで仕留めるというコンボを行う。

『星光の癒し』これはさっきの世界で目覚めた力だが、回復系の力のようだが正直使い方がイマイチわからない、ほとんど無傷で魔王を倒してしまうから、今後も使わない可能性がある。


 そして八つ目(・・・)、『魔剣の使い手』どうやら魔剣も使えるようになるそうですよ?


「ようこそ!勇者様、魔王を倒して、この世界をお救いください!」


 俺の受難の日々はまだまだこれかららしい――――。

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