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1日って長いのね。
都はおとなしく内気…かと瑠璃は思っていた。確かに最初はそうだった。けれど、1日経った都はずいぶんおしゃべりで、明るく、瑠璃はびっくりした。きっと都は人見知りが激しいのだ。まだ都が打ち解けていない(であろう)子には『昨日と同じ都』だった。
なるほど、これが人間というものか。様々な面を持つのが人間なのだ。『複雑な感情』、神には持ち合わせていないもの、人間が持っているもの。
「・・・面白い」
「へ?るりり、なんかいった?」
ちなみに『るりり』とは瑠璃のあだ名である。
「ううん、なんでもないよー」
さらりと返す瑠璃は、もう神ではなく、ただの中学生だった。