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トモダチ
入学式の翌日。
瑠璃の住む町、雪美山町は、その名の通り、冬には雪がたくさん降り、山に囲まれた今なお自然がたくさん残る美しい町だ。
瑠璃はその雪美山町の、佐久夜中へと向かう道をひとりで歩いていた。
1年1組の教室に入ると、「おはよう」とあいさつされた。声の主は昨日瑠璃が『友達』になった風間都だった。席は五十音順で、神屋のひとつ前は風間だったのだ。
「おはよう」と瑠璃も返す。
瑠璃と都は何もかも正反対だ。
瑠璃は背が低く、都は背が高い。
瑠璃はショートカット。都はロングヘアー。
瑠璃は活発で明るい。都はおとなしく、物静かだ。
瑠璃はひとりっこ(の設定。)都は双子の兄の司がいる。
瑠璃は犬派。都は猫派。
瑠璃はあんぱんならこしあんよねと言い、都はつぶあん大好き!と言う。
こんな具合で、共通点が全然無いのだが、何故か2人は仲良くなった。