ゼェーレスト攻防戦 1
悲報 アメリカ防長官、A10とU2の削減及び退役を表明。
「いやはや静かだな、小型級飛宙船はうるさいものばかりだと思っていたよ」
「左右のエンジンを共鳴させることで、騒音を打ち消す設計なんだ」
お寺の鐘と同じ原理だ、内側に入ると意外と音がしない。
エンジンも後ろ側面に離して設置したレイアウトだし、プロペラの推力をメインで進むターボプロップだし。根本的に静音設計なのだ。
「つーか余裕あるな、お前」
少し手狭だがファーストクラスのようにゆったりとした座席を据え付けられた船内。
優雅にワイングラスを傾けるキザ男は、これから作戦だというのに気負った様子もない。
「ハハハ、リヒトフォーフェン家たる者、常に冷静たれ、だよ。……ちょっとトイレ行ってくる」
「さっきも行ったばかりじゃねーか」
見ればワインボトルは二本目。あんまり冷静じゃなかった。
「ふう、揺れる船内ではトイレもしにくいね」
「あんまり飲むなよ。つーか飲むなよ」
「問題ない、ノンアルコールだから」
それほとんどジュースじゃね?
「それより、君はさっきから何をしているのかね?」
「いや、ちょっと金属加工を少々」
「こんな合間にも仕事かい?」
「貧乏暇なしだ。それにこれはプライベートな物だよ、仕事の資料も持ってきているけど」
インゴットを持ち込んで、鋳造魔法でコネコネと形を変えていく。
精密機械の部品ならば、こんな片手間な形成は精度が低くて使い物にならない。だが今作っているのは装飾品なので、肉眼で歪みが判らなければオーケーである。
「指輪?」
「みーるーな、っての」
すぐそこにソフィーがいるんだ、バレる。
「指輪?レーカが?」
あーバレた。あほキザめ。
「違うぞ。これはワッシャーだ」
ワッシャーとは穴の開いた金属の円盤だ。CDを小さくしたようなもの、とイメージすればほぼ形状に間違いはない。
ボルトとナットの間に挟んで使う部品で、緩みの防止や磨り減りを軽減出来る。なくてもボルトを締めることは可能だが、面倒だからと省略せずにちゃんと入れることが大切だ。
「随分と複雑な形なのね」
「……まあ指輪だからな」
誤魔化しきれるはずがなかった。
「プレゼント用?」
そう訊いてくるのは、俺が指輪など一切身に付けないことを知っているからだろう。
仕事場で指輪やネックレスは厳禁だ。引っ掻けたら危ないし。
他の工房では黙認されていることもあるようだが、フィアット工房やアナスタシア号の格納庫では年配の職人に怒鳴られる。
「ソフィーおいで」
手招きすると、彼女は不思議そうにしつつも側に立つ。
俺も立ち上がり、彼女の手の平に指輪を握らせた。
「結婚しよう」
「えっと、冗談かしら?」
「いや、本気」
「もっとロマンチックには出来なかったの?」
「だってこいつがバラしたし」
「僕のせいかね!?」
元々気取ったプロポーズの方法など、欠片も思い付かなかったのだ。
よって、キザ男のせいにしつつさらりと告げてみた。
風を象った、流線形を多用した意匠のシルバーリング。俺にとっては加工や調達よりデザインの方が遥かに難題だった。
「……結婚、する?」
「俺と結婚しろ」
「貴方、強引なタイプの殿方だった?」
「躊躇ってるだろ、ソフィー」
動揺を隠しきれずに視線を揺らすソフィー。やはりか。
「お前がどんな不安を抱いているかは知らない。けど、不安を払拭されるのを待っていてはいつまでたっても結婚なんて出来ない。だから、その不安は―――俺の腕の中で考えろ」
お行儀よく順序正しく解決していく、そんなのはきっと無理なのだ。
俺の考えを察したのか、ソフィーに拒絶の色はない。
「……私のこと、幸せにしてくれる?」
「確証なんて出来るか」
残念な人を見る目を俺に向けるソフィーとキザ男。
「そこは嘘でも幸せにする、って断言してほしかったわ」
「正直者でな。現状俺達は最もか弱い勢力だ、行く末が破滅ではないなんて言い切れない」
でもそんなこと、知ったこっちゃない。
「その時は俺と一緒に破滅してくれ」
「……仕方がないわね。いいわ、貴方の腕の中で死んであげる」
困り顔ながらも笑みを浮かべる我が婚約者。
プロポーズが成功したと確信した俺は、とりあえず彼女をそっと抱き締めた。
「ソフィー……」
「レーカ……」
見つめ合う二人。ソフィーの蒼い瞳はまるで宇宙のように深く、吸い込まれそうな錯覚すら覚える。
作戦前なのに香水の香りがほのかに感じられるのは、やはり女の子ということか。
どちらからか、自然に近付く唇と唇。
「ところで軍人の間では有名なジンクスなのだが。作戦前に結婚の約束をする男は、大抵の場合生きて帰れないそうだぞ」
「ちょっと黙ってろキザ男」
このタイミングでプロポーズする羽目になったのは、三割くらいお前のせいだろうが。
時計の針は頂点を越え、現在時刻はおおよそ朝の3時。交代で仮眠を取り警戒し続ける彼等だが、さすがにはりつめた空気はとうの昔に霧散していた。
軽食のサンドイッチを食べつつ、リデアは独り言を口にする。
「ずっと根詰めて気疲れするよりはマシじゃろうが、さすがに暇じゃのう」
夜通しの警戒も馴れたもので、船員達は適度にリラックスしつつも気を緩めてはいない。
独り言、だったはずの言葉に相槌が打たれる。
『ところで姫様。最近、妙に色気付いてはおりませんか?』
それは正確には相槌ではない。丁度電話が入っただけで、電話線の向こうにいる相手は独り言など知らないのだから。
「何を言い出すんじゃ、こんな時に」
ゼェーレスト村上空に浮かぶ大型級空母艦、スピリットオブアナスタシア号。その艦橋の中心、艦長席に腰掛けるリデアは受話器越しにルーデルに唐突に問いかけられた。
『姫様が幼少特有の魅力を失われて久しいですな。昔は実に可愛らしかったのに、今では可愛いというより美しい女性になってしまわれた』
「黙れロリコン。用がないなら通信を切るぞ」
艦長のリデアは艦橋に詰めているが、ルーデルやガーデルマン、そして今回僚機を勤めるキョウコは格納庫横の待機室にいる。
普段は操舵士に徹して出撃しないルーデルだが、次の戦いは総力戦と予想された。故に、現在船にいない白鋼を除けば最高戦力であるルーデルの雷神改とキョウコの蛇剣姫改をも躊躇いなく投入する算段なのだ。
ちなみにセルファークでの戦いは有視界内戦闘が基本なので、艦長及び重要な士官は艦橋にいる。CICはあくまで補助設備だ。
『いえいえ、貴女は何時だって大半の男児にとって魅力的であったでしょう。ですが、あれですな。恋は女を綺麗にする、とはよく言ったものですな』
「しつこいのう。わしが男に興味を持つと思うのか?強いて言えば、わしは世界中のファンの嫁じゃ」
双眼鏡で眼下の村をチェックしつつ返事をする。村に人気がないのは深夜だからではなく、既に避難を終えて無人と化しているから。
『しかし、私達が出てしまって船の守りは本当に大丈夫でしょうか?』
会話に割り込んだキョウコはリデアに作戦上の不安を口にする。
「不安を挙げればきりがあるまい。準備はしてきた、必要なことなのじゃ」
『あまり心配するのもよくないぞ、『最強最古』よ。それに乳デカエルフもいるのだろう』
『『帝国の悪魔』さんは大きいお乳は嫌いかしらぁ?』
妖艶でありつつも挑発的な甘い声が会話に加わる。
エカテリーナはシルバースティールの所属ではないが、戦力としての参加を了承している。これで銀翼は四人、一つの航空事務所が抱えるにはあまりに大きな戦力だ。
『牛乳は好きだが巨乳は嫌いだ。なあ、ガーデルマン?』
『私に同意を求めないで下さい』
歴戦の天士は滅多なことで動揺しない。リデアはそんな彼等に呆れつつも頼もしさを覚える。
「暇なら各々の確認でもするかの」
『そうですな。こちらはハンス・ウルリッヒ・ルーデル及びエルンスト・ガーデルマン、共に何時でも出撃出来ますぞ』
『キョウコです。蛇剣姫も襲撃準備を終えて、指示さえあれば何時でも』
『エカテリーナ・ブダノワよ。雀蜂も出られるわ』
『ガチターンだ、俺もいるぜ。忘れてねぇよな?』
格納庫横の待機室にいる5人は確認を速やかに済ます。
「地上班はどうじゃ?」
『予定通り、森に隠れているわよ』
『暇だー、もう水っ腹だぜ』
『迎え撃つ準備も完了しています。やれることはやりました』
ゼェーレスト村の最寄り……零夏とソフィー、そしてマリアが初めて出会った森。
人型機ほどの巨人すら越える巨木の乱立する森林、その夜闇の合間に隠れていたニール・マイケル・エドウィンがそれぞれ受け答える。
『マイケル、戦闘の前にそんなにドリンク飲んだら吐くよ?』
『その前に出しゃいいだろ、ばかだなぁエドウィンは』
金属音の後、ジョジョジョと水の音がスピーカーから流れる。
最初はハッチを開く音、後は排泄の音であると誰もが察した。
女性の割合が多い艦橋に、白けた空気が漂う。
「……公共の通信に変な音を流すな」
『おっ、わりぃ繋いだままだったわ。通信終わりっ』
通信が切れる。
しばしの沈黙、気を取り直したリデアは大きく伸びをする。
「うーんっ、よし皆支障はないの、苦しゅうないぞ。ふぁあぁ」
各自目の前のコンソールを注視しているので、遠慮なく大欠伸するリデア。
「話は戻るが、待つだけというのも暇じゃのう」
『はっはっは、欠伸がでるのは落ち着いている証ですな。しかしそろそろ気を引き締めて下され。来ますぞ』
「来る、だと?」
『はい、私も胸がざわざわします。大きいのが来ます』
ルーデルに同調するキョウコ。次の瞬間、CICから報告が入った。
『レーダーに感あり、大きい、巨大な反応があります!』
「艦隊か!?」
粗悪なレーダーでは大まかな規模しか判らず、それが敵かどうか判断するには偵察機を出す必要がある。この役割を果たすのは計画ではマンフレートだ。殺しても死なない悪運の強さと赤矢のトップスピードは偵察機として最適といえる。
しかし現在、マンフレートと赤矢は別作戦にて不在。だが、今回に限れば偵察を出す必要などなかった。
『いえ、影は一つのみ!ですが尋常な大きさではありません、推定幅10000メートル!』
「―――ラウンドベースか!」
直径10キロメートルにも及ぶ円盤形の超巨大空中要塞。あまりに巨大なそれは、低性能なレーダーでも明らかに判別出来る。
「ガイルではなく統一国家が先に来たか。フィオ経由で情報が流れているとのことじゃったから、予想していなかったわけではないが」
超音速機バルキリーを母艦とするガイル陣営の方が動くのは早い、その予想は覆された。魔法陣露呈より数日、ラウンドベースどころか軍艦一つとて動かせるスケジュールではない。
ならば、事前に準備していたのだと考えるのが自然だ。ヨーゼフは魔法陣を確保する為にガイルより先手を打つ用意をしていたわけだ。
「油断ならない男じゃ。まさか世界に8つしかない決戦兵器を持ち出すとは」
紅蓮の騎士団が大戦時に破壊された物を修復したことで、世界に現存するラウンドベース級は統一国家に5つ、帝国に3つだ。元々共和国が4つも運用・維持出来ていたのはその経済力があってこそだろう。
だが国家内に5つラウンドベース級があろうと、容易く動かせるものではない。下手に動かせば経済が傾く兵器、それを投入することからどれだけ魔法陣確保に熱心なのかが窺える。
『でもよ、ラウンドベースは足が遅いんだろ?まだまだ到着は先だ、色々と対策は出来るんじゃないのか?』
ガチターンの楽観。しかしリデアはそうではないことを知っている。
「確かにラウンドベースの移動速度は最速でも30キロ、300キロを移動してくるには10時間かかる。じゃが、今まで誰もその欠点を克服しようと努力しなかったわけではないのじゃ」
ヨーゼフが巨大な的を間抜けにも出撃させるわけがない。そう確信しているリデアは、ある道具の存在を懸念していた。
「第一種戦闘配備、さあ皆の者働くぞ!」
ラウンドベース級飛宙船。現人類が作り上げた最大の巨大建築物は、悠然と空を支配している。
町を覆うほどの円盤。それは正しく町としての機能すら飲み込んだ怪物だ。
数千の対空砲と数百の艦砲。数十の軍艦ドッグと航空機用カタパルトデッキ。それは要塞というよりは一つの軍事国家に等しい戦闘能力。
多くの戦闘機と人型機を積載するラウンドベース級二番艦『キャサリン』。それが、ゼェーレスト村へと進行する巨大船の正体だ。
キャサリンのCICにて、司令官はにやつく口元を必死に隠しつつ作戦の進行状況を把握に努める。
「くくく……私がラウンドベース級の主に任命されるとは。普段からの献身的な活動が認められたのだな」
紅蓮の騎士団からの古株である彼は、それなり程度に有能でこそあったが出世欲も人一倍であった。それ故に今まで程々の地位に甘んじていたが、その雌伏も無駄ではなかったと一人唸る。
「しかも最初の任務は『白き姫君をお迎えする』という名誉あるもの。姫を軟禁する戦力がいるそうだが、大型級飛宙船一つなどこのキャサリンの前にはあまりに儚いものだろう」
「報告、ゼェーレスト村より半径300キロメートル圏内に到達しました!」
「ん?ああ、敵の存在を察知する『れーだー』なるものを持っているのだったな、奴等は。面白い道具だが、所詮は貧乏組織の浅知恵でしかない」
彼にとってすれば、レーダーなど組織的な連絡網を用意出来ない弱小組織の苦肉の策でしかなかった。多くの人員と予算を持つ統一国家にしてみれば、半径300キロメートル内を肉眼で上空監視することも絶対に不可能、というわけではないのだ。
現実的ではない、と理解出来ない程度には無能な男だった。
「総統もなぜわざわざ『あれ』をキャサリンに装備したのか……数に限りのある貴重な異文化の工芸品だというのに、無駄な浪費は避けるべきではないのか」
だが不服だからと使用しないわけにはいかない。彼はただ一言、追加装備準備を命じた。
「『神威』、点火シークエンス開始だ」
指示を受けたCICの士官達は各自、受け持ちの作業を開始した。
ラウンドベース後方。多くのレシプロエンジンとプロペラが回る区画に、奇妙な筒が追加されていた。
メインフレームに直付けされた筒の長さは25メートルほど。ラウンドベースの進行方向とは逆に向かって水平に伸びて固定されており、その尾はペン先のように細く尖っている。
直径10キロメートルの船体からすればあまりに小さなそれは、誰も作動原理を知らない未知のエンジンであった。
いつしか発見され、異文化の工芸品の一つとして扱われるようになった鉄柱。その使用方法に気付いた時、当時の技術者達は戦慄した。
セルファークの技術を超越した圧倒的大出力。既存の測定法では片鱗すら理解出来ないほどのエネルギーは、正しく大地をも浮かび上がらせるほど。
飛行機が発明されておらず空には船しかなかった時代。内燃機関が発達していなかったかつては、神威こそラウンドベース級唯一の移動手段であった。
扱いにくさと危険性故に大戦ですら使用されなかった最強のエンジン、しかしラウンドベースには未だに神威搭載能力が実装されていた。
『これより当艦はゼェーレスト村に対し急速接敵を行う』
艦内放送を聞いた乗員達は所定の座席に座り、またある者は担当の機械に貼り付く。
『クラッチ解放。推進機関アイドリング状態に移行』
轟音を発していたエンジンが、急激に音を潜めていく。プロペラは空転し、風車のように自然の風で回転した。
『スポイラー展開』
ラウンドベース各所からパラシュートが吊り下げられる。これらは一時的なエアブレーキだ。
制動しなければ自らのエネルギーで崩壊しかねない、これから使用されるのはそういう物だった。
『バラスト調節。A3区画、注水開始』
チャンスは一度きり。ラウンドベースにとっては上下3000メートルの空はあまりに狭く、姿勢制御を誤れば地面か重力境界の岩々に衝突し容易く大破する。それは正しく、針の穴に糸を通すような作業。
『メインフレームに余剰魔力を供給。強化魔術起動』
エンジンに流れていた魔力をフレームに流し込む。普段は使用されていないフレームを強化する魔導術式が発光し、かつてない負担へと身構える。
『展開中の武装を格納終了。バイタルパート封鎖』
船の各所で分厚い防火壁が降り、区画事の行き来を封じる。
『神威起動回路解放。最終セーフティー、手動解除』
神威の周囲に増設されたキャットウォークを走り回り、安全ピンを抜いていく。
『電力供給。荷電粒子発生確認』
静かに、地の底から沸き上がるような脈動。内部の燃料が反応を始め、臨海温度へと迫る。
『方位最終チェック。誤差、コンママルニー以内に維持』
ブラスターを吹かし、目分量では判らないほどの修正をする。
『総員、対ショック準備』
全シークエンスを終了し、誰かが息を飲んだ。
『カウント開始。5、4、3、2、1―――』
「―――イグニッション」
瞬間、船が大きく軋んだ。
何百メートルにも及ぶ火柱が空を燃やし、ラウンドベースは質量を無視した急加速を開始する。
蒼い炎を纏う神威。噴射口もないロケットは、しかしどんな機関よりも激しく炎の柱を吹き出す。
空気を押し退け、衝撃波を撒き散らし、これ以上とない力ずくで速度を増し続ける。
時速900キロ―――ゼェーレスト村まで、おおよそ20分。
『ラウンドベース、急加速しました!亜音速に達しています、ありえない!』
悲鳴のようなレーダー担当メイドの報告。それは、この世界の常識ではありえない出来事であった。
浮遊装置を積んだ航空機は、重量がかさむことから時速100キロ以上を出せない。それ以上は急激に抵抗が増すのだ。
それを振り切って、900キロもの速度を出すなど非常識にもほどがある。
「やはり、共和国なら在庫があったか」
しかしリデアは知っていた。ラウンドベースをも移動させるほどの、強力無比なロケットエンジンの存在を。
「神威―――大気圏離脱用ロケットを使いおったな」
『大気圏離脱に際する既存のロケットとは異なる何らかのブレイクスルー技術』。予想外に早く訪れた宇宙開拓時代に、零夏はかつてその存在を予見していた。
宇宙空間では、コップの水一杯ですら30万円から40万円の価値があるとされている。それほどまでに物体を宇宙に送り届けるのは予算を要する仕事なのだ。
しかし、滅亡間際の人類は気軽に旅行が出来るほど容易に宇宙へと進出していた。
その理由こそ、神威と呼ばれるロケットエンジンであった。
宇宙コロニーのメインブロックを完成形の状態で打ち上げることを可能とした、推力7500トンのロケットエンジン。この技術の完成により、人類は宇宙へとフロンティアを進めたのだ。
「このペースではアナスタシア号との衝突は20分後じゃ。ルーデル、ガーデルマン、キョウコ、準備はいいな?」
『はっ。もう乗り込んでおります、40秒で離陸致しますぞ』
『とはいえこちらも亜音速機、ラウンドベースとすれ違うのは13分後です。更に残りの7分でラウンドベース落とさねばならないのですか』
「出来るな?」
『『さぁ?』』
ルーデルとキョウコは正直者だった。
「……そこは嘘でも肯定せんか」
『まあ、なんとかしましょう』
『ですな、がっはっは』
アナスタシア号にとって最も確実なラウンドベース級の撃破方法は、主砲の衝撃波特化核弾頭を撃ち込むことだ。しかし、リデアは核弾頭なしで目の前のラウンドベースを凌ぎたかった。
政治的問題ではなく、至極物理的な問題からして。
アナスタシア号の甲板、その正面に向かって伸びている100メートルほどの溝。
内部格納庫よりエレベーターで昇ってきた雷神改は誘導員の腕を左右に開閉する合図に従い、浮遊装置によるホバリングで溝の手前端へと移動する。
その長い直線翼には計4発のロケット弾が吊り下げられていた。下手な小型飛行機ほどもあるそれは、堅牢であるはずの雷神の構造体を歪ませるほどに重々しい。
蒸気を溢すスリッドの端にはカタパルトシャトル。後方では防火壁が立ち上がり、雷神改の機首近くにあるランチバーがシャトルに接続される。
誘導員の合図を見たルーデルは機体の可動箇所を一通り動かしてチェックし、エンジンを最大出力まで引き上げる。
そして、ニヤリと笑いカタパルトオフィサーを務めるマキ・フィアットに敬礼した。
キャピ、と横ピースにウインクで返礼するマキ。そのまま間を置かず発進ボタンを押す。
カタパルトシャトルは猛然と加速。蒸気の圧力と雷神自体のエンジンにより瞬く間に200キロに達し、機体は宙を舞った。
機体を船に拘束していたホールドバックバーが断絶し、そこから供給されていた魔力が絶たれたことで雷神は自身のクリスタルが有する魔力だけでの運用へと移行する。しかし大きく燃料を消費する離陸を外部からサポートしたので、作戦行動時間は僅かだが増えていた。
戦いとはこの僅かな差で勝敗が決する。故に、垂直離陸が可能なセルファークの航空機も設備がある限りはカタパルトによる離陸を行うのだ。
ましてや巨大な新装備を満載した雷神改は積載限界を大きく越えている。通常の自力離陸など、毛頭不可能だった。
続いて離艦する蛇剣姫と雀蜂。
『武運を期待する、三人とも』
『うむ、行ってきますぞ』
『どうも。エカテリーナ、貴女も上空待機、油断しないように』
『はい、お任せ下さいキョウコ様』
雷神と蛇剣姫は共に亜音速機だ。ペイロードを増設した雷神はエンジンを強化したとはいえ、最高速度は300キロ程度に留まっている。(零夏はエンジン強化によって速度不足を解消したかったのだが、ルーデルは強化した分積める爆弾を増やせと主張した)
人型機を強引に飛ばしている蛇剣姫改にいたっては、カイトのように変形したマント……フライトユニットにうつ伏せで寝そべり空気抵抗を減らし、ラムジェットブースターによる加速を行っているにも関わらず500キロ程度しか出せていない。
雷神はハードポイントの一つからワイヤーを垂らし、蛇剣姫はそれを握ることで僚機である雷神を牽引している。手っ取り早く速度を合わせる工夫であり、ワイヤーには更にもう一つ役割があった。
『目を回すなよ、ラウンドベースとの相対速度は1400キロ、目標がバカでかくともすれ違うのは一瞬であるぞ』
『言われずとも解っています』
両者のコックピットから見えるのは高速で流れる大地と風だけ。しかし、地平線の彼方に異様なプレッシャーを感じていた。
じっと、ルーデルとキョウコは先を見つめる。
ガーデルマンが腕時計に視線を落とし、秒針を注視する。
『カウント開始します。エンゲージまで3、2、1―――』
刹那。
無より壁が現れる―――動体視力に優れる彼等すら、そう錯覚しかけた。
キャノピーの外を埋め尽くす鉄塊。二機は巨大母艦船の下へと潜り込む。
ラウンドベースから地面に向かって伸びる鉄塔を紙一重で回避し、更に下面に乱立する艦砲や建造体の合間を抜ける。
『水先案内お願いします!』
『承った!』
雷神がロールし半回転。背面飛行にてラウンドベースの底を這い、30ミリガトリングを掃射する。
ラウンドベース表面の建造物を破壊粉砕する鉄鋼弾。全てを無に帰す為に作られた兵器にとって、超兵器ラウンドベースの設備であろうと例外はない。
被弾し捲れ上がった空間装甲の外装、それを足掛かりに蛇剣姫が強行着地を敢行した。
『―――やあああっっ!』
フライトユニットを外套に戻し上下逆さまの状態で着艦した蛇剣姫は、踵の耐磨耗性樹脂を削りつつ減速する。
しかしあまりに彼我の速度差があり過ぎた。両足だけのブレーキでは制動しきれず、キョウコ自慢の蛇剣を船体に突き付ける。
それでも1400キロという相対速度は殺しきれない。進路上の障害物はルーデルが悉く破壊しているとはいえ、機体には傷が増えてゆく。
『止まれ止まれ止まれっ―――って正面、大きい砲塔があるのですが!』
迫る戦艦砲塔。蛇剣姫よりも巨大なそれは、ガトリングをもってしても破壊しきれなかった。
『むぅ、ガーデルマン!』
『了解!』
雷神の後部座席から伸びる105ミリライフリング砲が火を吹く。
機体を明らかに減速させるほど強力な反動、螺旋回転し砲塔に直撃した砲弾は砲塔の装甲を貫き、内部をジャンクにし尽くした。
だが尚も砲塔は破壊しきれていない。おおよそ大破したものの、原型が判る程度には残ってしまった。
『こうなっては、あれを踏み台にします!』
せめてもの足掻きに、蛇剣姫は機体を外套で包む。瞬間、機体は砲塔へと突っ込んだ。
僅かな沈黙、その後に瓦礫を蹴り飛ばし蛇剣姫は砲塔の残骸から頭を出す。
『着艦成功、なのでしょうか』
それはほとんどただの衝突事故であった。
瓦礫が重力に引かれ、頭上の地面に落ちていく。しかしそれも時速900キロという風圧に吹き飛ばされ、あっという間に流れていった。
キョウコも思わず唾を飲みそうになり、それを後回しにして次の作業へと移る。
手に握ったワイヤーを鋼の両手で握り締め、しっかりと足を構える。
蛇剣姫を中心に、遅れて飛来した雷神が180度旋回した。
『ぬぐぐう、さすがにGがキツいな―――!』
『20倍の重力中で声を出せるだけ異常ですよ』
『そういうっお主はっ汗一つかいていないなっ!』
やはり眉一つ動かさないガーデルマンに、やはりこいつは機械なのではないかと疑うルーデル。
帆船の時代では、錨を降ろして急旋回する技術があった。彼等はそれを航空機で行ったのだ。
想定外の荷重に悲鳴を上げる機体。強固な装甲を持つ雷神だが、飛行機である以上は限界がある。
ましてや対弾性能ではなく機体そのものへの負荷、耐えきれるはずがない。
メインフレームに深刻なダメージを受けた雷神。だがこれくらいの無茶を通さねば、ラウンドベースは落とせない。
回頭を終えラウンドベースと平行飛行に移る。しかし巨大ロケット弾を抱えた雷神は現在最高速度300キロ程度、ラウンドベースに追い縋るには600キロ足りない。
『ラムジェットブースター点火!』
徐々に遅れる雷神だったが、胴体下部の筒が炎を吐くことで猛然と加速。悠々とラウンドベース以上の速度に達する。
『時速1000キロ、生涯で最も速く飛んでいるなっ!』
過剰兵装と超過速度によって暴れる操縦幹を押さえ込み、溢れ出そうになる笑みを噛み殺しつつか彼は愛機を御する。
空戦の主役が小型飛宙船であった時代から、ルーデルは空を飛び続けている。常に攻撃機を愛機としてきた彼は、実は音速すら越えた経験がなかった。
『やれやれ、予定通りとはいえ私たち二機だけでラウンドベースを落とせだなんて』
『仕方があるまい、若いのには荷が重かろうっ!』
『悠長にしないで下さい。ブースターの液体燃料は数分しかもたないのです、さっさとやりますよ』
雷神の翼下の4つの積み荷。それがロケットの類であることは明白だったが、問題はそのサイズだ。
長さ7,7メートル、重量実に11トン。積載量を増した雷神改であろうと、空輸は4つが限界であるという馬鹿げた貨物だ。
『目標のこちらの受け持ちは4つ、地中貫通ロケット弾―――『グランドスラム』も4本のみ。一発勝負です、慎重に挑んで下さい』
『うむ、ぽちっとな』
『話聞けよロリコン』
雷神より発射された巨大ロケットはロケットモーターにて飛翔。ラウンドベースへと突き刺さった。
ロケット先端のドリルが回転。ダイアモンド加工された切っ先が鋼鉄の装甲板を削り穿つ。
『はは、これはいい!次のクリスタルルームにいくぞ!』
『調子に乗って撃墜されないで下さいね、上は天敵の対空砲だらけなんですから』
ゆっくりと、しかし確実に浸食するグランドスラム。遂に爆弾側面のキャタピラまでもが装甲を削り、着実に侵攻していく。
一度装甲を貫通してしまえば、後はロケットを阻む物は無かった。
船内は耐火性の高い鉄がほとんどだ。重量を軽減する為に壁は薄く、11トンの自重を前進させるほどの推力は鉄壁を紙の如く破き裂いて突き進む。
「な、なんだこいつはっ!?」
「ロケットだ!ロケットが食い破って来やがった!」
「穴を塞ぐぞ、木材を持ってこい!」
「CICに連絡を、ぎゃああああっ!」
神威による高速接敵中のラウンドベース、揺れに揺れる船内では船員の行動は禁じられ体を何かしらに拘束している。故にグランドスラムに気付いた船員も身動きが取れず、運悪く進路上にいた者は憐れ訳も解らないままミンチとなった。
最も強力な魔力元をセンサーで捉え目指し続け、グランドスラムは数百メートルを潜る。そして遂には分厚い鉄板にまで到着した。
重要箇所を守る内部装甲。それすらも掘削し、グランドスラムは目的地へと到達する。
大小様々な、数えきれないほどのクリスタルを納めた部屋。壁に整列したそれらからは魔力導線が繋がれており、全てが発光していることから魔力を発していることが判る。
零夏曰く、「まるでニュートリノ検出装置だ」と評される室内。このクリスタルルームは飛宙船に必ずある設備であり、浮遊装置を起動させ続けるには絶対に守らねばならない場所だ。
その地面から、ひょっこりとグランドスラムの弾頭が顔を出した。
後は記すまでもないだろう。クリスタルルームは失われ、ラウンドベースは8分の1の魔力を喪失する。
「な、なにがあった!報告しろ!」
CICの座席にシートベルトを締めて腰掛ける司令官は、大きく揺れだしたラウンドベースに困惑する。
「第三区画のクリスタルルームが爆発、船体が傾きそうです!」
「死んでも水平を維持しろ、傾けば地面か空に突っ込むぞ!」
「これは……事故ではありません!敵の攻撃です!」
「バカを言うな!外部からの攻撃など、クリスタルルームは400ミリの外装甲と650ミリの内部装甲によって守られたバイタルエリア内にあるのだぞ!」
「敵の新型ロケット弾です!」
機能を制限された船内で、尚も懸命に情報収集に努める士官達。そこに報告は続く。
「緊急入電、第三区画の下に雷神が飛行しています!機体形状からして帝国の悪魔であるとのこと!」
「ハンス・ウルリッヒ・ルーデルだと!?」
軍人として声を漏らす物はいなかったが、誰もが例外なく顔を青く染めた。
ガイルと並び最強の天士と称された、敵対すれば死を受け入れるしかない存在。
彼等は知っていた、ルーデルという男は敵が大きければ大きいほど落としたくなるのだと。
ラウンドベースなど、格好の獲物だ。
「ち、違う!悪魔といえどラウンドベースの装甲を貫けるはずがあるまい!」
「たった今貫かれたではないですか!」
「そうだ!あれが唯一の一発だ、そんな特殊爆弾を幾つも搭載出来るものか!」
所詮は仮説。だが、それにすがりクルー達は戦意を取り戻す。
「入電です、雷神……巨大ロケットをあと3発保持していることを確認」
そして、今度こそ蒼白となった。
「な、な、なに、つまり奴には4つの破壊が限界ということだ!」
ラウンドベースは浮遊装置が幾つか停止しても飛行可能なように設計されている。この高速飛行中に、半数が失われて浮いていられるかはかなり怪しいが、少なくともカタログ上は可能だった。
「か、格納庫に人型機が侵入!?どうやって!?」
あまり褒められた報告ではなかったが、それを責める者はいなかった。
「時速900キロだぞ……そうか、ソードストライカーか!?」
半人型戦闘機ならば神威によって加速したラウンドベースにも乗り移ることが出来る。だが船内に侵入したのはそんな新型ではない。
「蛇剣姫……突入してきた天士は最強最古です!」
「400年前の骨董品ではないか!クソッ、何がどうなっている!?」
錯乱気味に頭を振り回す司令官。
彼は敵の情報を正しく把握していなかった。銀翼を多数有していることも、幾つかの切り札の存在すらも。
蛇剣姫に飛行能力が付加されていることも知らなかったのは、そういった事情と彼自身の情報収集不足である。
なぜラウンドベースを動かしたのか、それを深く考えない彼は結局無能だった。
「銀翼が2機?聞いていない、敵組織がそこまで強力な戦力を備えているなど……そうではない!」
想定外の事態に悪態をつく司令官。彼の脳裏にいつかの上官が口にした言葉がよぎる。
「誰だ、『銀翼が一騎当千など幻想だ、人間であり同じ兵器の使い手である以上限界はある』などと語ったのは!数千機の戦闘機を備えたラウンドベースが、まるで赤子のように翻弄されているではないかぁ!」
血走った目で喚く彼は、そして堪えるように拳を握り締める。
「くそっ、ここまでとは……やらねばなるまい、手が遅れれば遅れるほど奴等は艦内を破壊する」
大仰に腕を振りかざし、彼は部下に命じる。
「艦内に人型機部隊を発進、対空砲を起動させろ!悪魔と最強最古を狩るのだ!」
無謀な指示に、士官の一人がさすがに反論した。
「不可能です!立っているだけで危険な高速飛行中ですよ!?マニュアルにも神威使用中の行動は危険だと書かれています!」
「蛇剣姫は動いているではないか!」
「銀翼を人間と考えないで下さい!」
「ええい、うるさい!そいつをここから追い出せ!」
士官は顔色を変えた。この揺れの中、廊下に放り出されれば無事では済まない。
助けを求める視線を周囲に向けるも、とばっちりを食らいたくない他の船員達は目を逸らす。
「早くしろ、ノロマめ!」
司令官の手に魔力が集まるの感じ取り、誰もがぎょっと驚く。この状況で魔法を使用すれば、怪我どころか船の機器まで破壊される。正気の沙汰ではなかった。
「しっ、失礼しますっ」
この男の側は危険だ。そう理解した士官は、自ら這って廊下へと出ていった。安全な場所まで辿り着けることを祈りつつ。
「ラウンドベースは私の物だ、銀翼を落とせば名が上がるぞ!」
この期に及んでつまらないことに拘る彼に士官達は恨めしく睨みつつも、その指示に従い人型機を出撃するよう通達した。
「この振動は―――」
砲塔のターレットリングを登る蛇剣姫、そのコックピット内でキョウコは不自然な揺れを感じた。
「グランドスラムですか。ルーデルは仕事が早いですね」
そこは本来人型機が通る通路ではない。邪魔な物を切り捨て穴を強引に広げ、やっとの思いで広い空間へと出た。
登った先は格納庫の一つであった。突然現れた人型機に悲鳴を上げる整備員を余所に、キョウコは蛇剣姫に不具合がないか全身を動かして一通りチェックする。
「本体に問題はありませんね。ですが、フライトユニットはもう使えませんか」
砲塔に衝突する際に身を包んだ外套は、幾らか破れ変形機構も故障してしまっている。
とはいえちょっとした防弾と空間装甲としては未だに有効だ。それに魔導術式を刻んだケブラー繊維とハイブリッドエンジンは機密事項技術、投棄するわけにもいかない。
首襟に外套状態のフライトユニットを接続し直し、蛇剣という名の直剣を抜く。
「内部侵入に成功。さあ、働くとしましょうか」
事前に頭に叩き込んでおいた地図を思い返し、操縦幹を押し込んで機体を前進させる。
「子供達の為にホールケーキを切り分けましょう」
ラウンドベースは中心のメインブロックより、放射状に分離する構造の円盤要塞だ。一つ一つが独立した飛宙船であり、撃沈やダメージ伝播のリスクを減らす工夫をされている。
中心に1つ、周囲を取り囲むケーキが8つ。計9箇所のクリスタルルームを破壊すればラウンドベースは完全に沈む。
尤も、中心区画は司令塔としての機能しかない。故にキョウコとルーデルの破壊目標は周囲の8部屋のみ。
神威ロケットの破壊は狙わない。推進装置を潰したところで、その時点でゼェーレストは目と鼻の先だ。
やるならば、ラウンドベース自体を沈黙させなければならない。零夏とリデアの作戦会議では、そう結論付けられていた。
「私の受け持ちも4つ―――急ぎましょう」
一度内部に入ってしまえば、定速で飛行する船内では人型機の動きを阻むものはない。卓越したバランス感覚を持つキョウコは操縦幹を繊細に操り、蛇剣姫は跳躍するように走り抜けた。
アナスタシア号のブリッジ下、CICにて。
PPI指示機のブラウン管を睨んでいた一人のメイドは、僅かに目を見開き受話器を取った。
悲鳴のような声で、彼女は目の前の表示内容を報告する。
「リデア様、レーダーに反応あり!」
『ほう、その規模は?』
「幅10000メートル、速度900キロ―――二隻目のラウンドベース級です!」
>キョウコはどこにいた?
キョウコもキザ男もずっと船にいました。ただ登場させる理由もなかったので、顔見せくらいならいっそガン無視しようかな、と
>カリバーンがエクスキャリバーっぽい
正確には6のシャンデリアをイメージしていますね。むしろ戦闘シーンはvsスピリットオブマザーウィルみたいになるかも。なんにせよACです。




