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銀翼の天使達  作者: 蛍蛍
村に馴染もう編
2/85

白き少女とメイドの少女

 微睡みからゆっくりと浮き上がる意識。

 鉄と油の臭いに包まれ、俺の思考はゆっくりと現実へと回帰していった。


「ん……あ、あぁ、ここで寝ちまったのか」


 強化ガラスの三面窓に、両手の操縦桿。

 足元にはペダルがあるが、子供の体では届かない。残念。

 シンプルに纏められたスイッチやレバー。アナログ時計のようなメーターが並び、さながら計器の棺桶だ。


「ぐふ、ぐふふ、ふっふっふっふぁのほほほほうけー!」


 変な笑いが漏れるのは致し方がないだろう。なにせ、コイツはコックピットなのだ。

 自動車? 船? 飛行機? 否!

 ハッチを開いてコックピットモジュールから抜け出し、数歩後退して見上げる。


「まさか異世界で人型ロボットと出会うとはな……!」


 体長約一〇メートル。無骨な鉄の外装に包まれた機械仕掛けの巨人。

 鈍い鉄色の味気ない外見は、しかしそれが玩具ではなく実用品だと証明している。


 俺がやってきた世界。

 ここはファンタジーな世界観の癖に、人型ロボットを初めとした様々なテクノロジーが発展した、アンバランスな場所だった。


「……とりあえず顔を洗うか」

 いつまで眺めていても飽きないが、現実問題そうはいかない。

 寝ぼけ気味な意識。しっかりと目を覚ます為に井戸へと歩きつつ、俺は一昨日―――異世界初日について思い出していた。








「ここはどこ、私は誰、ってこれはロリ神にもう使ったネタだったな」


 煙ったい空気に、服の裾を口に当てつつ立ち上がる。

 瓦礫と煙。火も上がっているようだ。


(本当にどこだよここ……)


 室内のようだが、建物ごと傾いている。火災が発生しているのは二次的な災害か。


(とにかく脱出だ、異世界来ていきなりなんなんだよホント)


 丸い窓を室内に発見。レバーに手を掛けようとして、背が届かないことに気付く。


(変に高い位置にある窓だな、いや、俺が小さいのか?)


 家具が妙に大きい。そういえば新しい体を用意すると神は言っていたな。

 椅子を移動させ上に乗り、窓のレバーを握ったところで躊躇する。


(バックドラフトだかフラッシュオーバーだか、どっちか忘れたが火災現場で不用意に窓を開けちゃいけないんだったか……いや、呼吸を出来ているのだから酸素はまだ減っていない。大丈夫だ、たぶん)


 冷静に努めるも決断は結局いい加減な案配。仕方がないだろ、火事の専門知識なんてない。

 一応側面に身を隠し、転がっていた本で頭を守りつつ窓を開ける。

 幸運にも爆発は起こらなかった。


「ぷはー! 空気美味(うめ)ー!」


 頭だけ出して新鮮な空気を補給、そして下を見る。

 低い。一階だったらしい。

 ぴょんと飛び降りて、急いで建物から離れる。


「これだけ距離を取ればいいだろ」


 充分と思えるほどに安全確保の距離まで走り振り返ると、初めて建物の全景が見えた。


「は、えっと、トラック?」


 全長一〇メートルはほどの箱。それが、俺が建物だと思い込んでいた物の正体だった。

 前方が運転席、後方のコンテナ部分が部屋になっているようだ。キャンピングトラック。

 問題は、それが生い茂った森の真っ只中に落ちていることだ。そう、まるで空から落ちてきたかのように。


「なんでこんな場所にトラックが、いやそれより他に誰かいるかも!」


 火災現場に再突入するのは愚の骨頂だが、それでも人を助けられるなら選択肢としては捨てきれない。


「火はほとんど吹いていないし、ちょっとくらい近付いたって……」


 そう口にした瞬間、それは起こった。

 膨れ上がる炎。そして爆音。

 先程まで小さかった火の手は、刹那の間に船を包み込んだ。


「…………。」


 逃げ遅れていたら、どうなっていたか。

 肝の冷える思いをしつつ、俺はどうすることも出来ずにトラックが燃える様を呆然と見続けた。








 数時間後に燃え尽きた乗り物から、とりあえず小さな果物ナイフを回収した。

 なぜ「トラック」ではなく「乗り物」と呼び変えたかというと、タイヤがなかったから。


「本当に、どうやってこんな場所に来たんだコレ?」


 ナイフの握り具合を確認しつつ呟く。

 こんなちゃちいナイフではなくサバイバルナイフが良かったのだが、贅沢は言っていられない。刃物一本で生存性が大きく変わってくる、まさに命綱だ。

 早く行動に移さなければ。大きな問題は既に目前まで迫っているのだ。


「腹減った……」


 ゲームを始めた時はレベル1からと相場が決まっているが、腹の内容物まで最低値から始めましょう、なんて考えではないと思いたい。

 実は乗り物を捜索した際に食べ物も探したのだが、すぐにその気も失せた。

 焼き肉の臭いがしたのだ。食欲も失せるというものである。


「持ち物は妙に豪華な服に、ナイフが一本……なるほど、初期装備だな」


 身なりは立派な癖に銅の剣しか装備していない勇者を想像しつつ、身嗜みを整える。

 なぜか身に付けていた貴金属類は持っていくべきか迷ったが、重りになるだけと判断。捨てておく。肌の露出を控えつつ薄着に着替え、覚悟を決めて森の奥に歩みを進める。

 なにせ異世界だ。野生動物なんて生易しい物ならまだ対処出来るが、いや熊とか出てこられても困るけど、もっと恐ろしい物がいるかもしれない。


「古武術に短刀術ってのがあったな、確かこうだっけ?」


 片手に握り、前に出した姿勢で歩く。武術経験者といえど、こんなマニアックな戦闘法には不慣れだ。CQC(近接戦闘)とは訳が違う。

 しばし歩くと、空の開けた場所に出た。


「すげぇ」


 そこに広がっていたのは、圧倒的な青い蒼い青空だった。

 地球とは異なる、淡い印象を抱かせる蒼の空。

 ここが異世界。

 これから俺が生きていく世界。

 思いっきり手を広げる。

 地球とどこか違う風が、全身に吹き抜けた。

 反り返り、蒼穹を仰ぎ見る。

 飛行機が空を過ぎった。


「……はぁ?」


 エンジン音がないので、気付いたのは真上を通ってから。


「なんだ、グライダーか?」


 音のない飛行機なんて一部の例外を除いてありえない。ちなみに例外とは滑空可能なモーターグライダーなどだ。

 少し離れた場所で、地面を削る音が響く。


「墜ちた!?」


 俺は慌てて現場へと駆けた。






 岩場に出ると、そこには紅の飛行機が不時着していた。


「綺麗だな、すごく」


 感動すら覚えるほど美しい曲線を描く機体だった。

 僅かに後退した真っ直ぐな主翼。

 第一次世界大戦によく見られた、丸みを帯びた三枚の尾翼。

 エンジンは機体上部、コックピット後ろに据え付けられている。なんとジェットエンジンだ。

 そして、肝心のコックピットには誰も乗っていなかった。


「いやいやいや、そんな馬鹿な」


 墜落から駆け付けるまでそう時間は経っていない。どこかに行ったとは考えにくい。

 小さな風避けだけで、コックピットを包む風防はない。オープンカーならぬオープンコックピットだ。

 翼によじ登り、コックピットを覗き込む。


「ふぇ……」


「うぅ……」


「あ、えっと、スイマセン」


 意味もなく謝ってしまった。

 コックピットには二人の女の子がいた。小さくて下から見えなかっただけらしい。

 後部座席に乗った茶髪の少女は頭から血を流しぐったりと気を失っている。衝撃で打ったのかと確認する為に手を伸ばし、前の座席に乗った少女に手を払われた。


「マリアに触らないで……!」


「でも診察しないと、あれ、言葉は通じるんだ」


 異世界に来る上で大きな問題だった言語は共通っぽい。

 警戒心を露わに涙目で睨んでくる少女。彼女の蒼い瞳を真っ向から覗き込んでしまい、俺は数瞬の間その幼い美貌に見惚れていた。

 真っ白な肌に白いワンピース、白に近い銀髪を白いリボンでツインテールに括る少女。

 歳の頃は八歳程度か、どこまでも白い、浮世離れした容貌の女の子だった。

 神の言葉を思い出す。

『お主はいつか、真っ白な姫と出会うであろう。この娘を助けてほしい』

 『いつか』というか、即日出会った?

 それとも姫とは別人だろうか? お姫様が飛行機に乗っているのはイメージが合わない。


「あの」


「ひっ」


 無言で後ずさる少女。どこまで嫌われているんだ俺。

 と、そこでやっと自分がナイフを持ちっぱなしだと気付く。そりゃ怯えるわ。


「ほら、怖くない」


 ナイフを捨てて無害アピールをするものの、白髪の少女は茶髪の少女を庇うように覆い被さり、目を固く閉じている。見ちゃいない。

 白髪少女の脇に手を差し込んで持ち上げ、機体の下に降ろす。抵抗がなかったのは声も出せないほど硬直していただけ。

 茶髪……マリアだったか、彼女もコックピットから持ち上げて地上に降りる。こちらの方が年上らしく、少し背が高い。

 ごめん嘘。抱き抱えているのに身長差なんて判らない。重さで判断しました。

 地面の柔らかい部分に寝かせ、傷の具合を診つつ白い少女に話しかける。


「俺は零夏、あぁ~、うん?」


 肉体が変わっているのだし、乗り物に乗っていたことから何か「設定」があるはず。不用意に地球の名前を名乗って良かっただろうか?


「レーカ・アーウン?」


「誰それ」


 カッコいい名前を考える。それっぽい英単語を並べてみるか。


「エクスカイザー・R・テクノブレイクと呼んでくれ」


 傷は深くない。頭を高い場所に乗せて、押さえておけば出血は止まるだろう。というかほっといてもいいレベルだ。


「エクスカイザー?」


 ちょっと寒気がした。


「真山 零夏です」


 名前は無難が一番だ。ビバ平凡。


「ミスタ・レーカ、私は、ソフィー……です」


「マリアにソフィーか、覚えたよ」


 ところで名字は真山の方だから、ミスタ・マヤマが正しいのだけれどな。まあ訂正するほどのことでもない。

 女の子に名前で呼んでほしい、なんて下心はありませんとも。ありませんとも。


「同い年、くらい?」


「んー、どうかな。俺の方が上だろ、君は何歳?」


 両手でパー。


「一〇歳!?」


 びくりと震えて頷くソフィー。もっと下だと思った。

 彼女との身長差から考えて、俺の肉体年齢も一〇歳程度。彼女の言うとおり同い年くらいだ。

 まあ子供なんて個人差が激しい。この子もこれから急成長する可能性だってあるのだ。


「それで、どうして墜落してきたか訊いていいか?」


 優しく聞き出そうと試みるも、少女はマリアにすがりついて口を開かない。

 怯えというより、人見知り? こちらに視線すら向けないのは警戒としては間違っているだろう。

 なにか、話題になりそうなことは……


「君、ソフィーがこの飛行機を操縦していたんだよな?」


「ヒコーキ……? うんん、あれは飛行機(ソードシップ)


 世界による呼び方の違いだろうか?


「んっ、んぁ」


 茶髪の少女、マリアが妙に色っぽい声を漏らしてうっすらと目を開く。


「マリア!」


 ようやく安堵を見せるソフィー。俺の方も安堵していた。

 こちらの少女はソフィーより年上だ、手探り状態の情報収集から解放されるといいのだけれど。






「異世界ね、信じられないわ」


 夜行性の動物じゃない人間にとって暗闇は最大の恐怖。幸い乾燥した倒木を飛行機のすぐ側で発見し、それを燃料に焚き火をする。

 実は動物避けには効果などない。野宿の焚き火は人間の為の物だ。

 暗くなった空。地球とは違って見える星空の下、俺達三人は火を囲んで飛行機に積んであった保存食をかじりつつ過ごす。

 ソフィーよりも幾分ハキハキとした口調で答えるマリアとの会話は、かなり潤滑に進んだ。

 一三歳らしいが、年齢以上に大人びた子に見える。将来は、というか既に美人の片鱗はある娘だ。


「だって貴方、私達と同じ言葉を使っているじゃない」


「……異世界には、私達と同じ人間がいるの?」


 言語の共通点について言及するマリアと、彼女の後ろに隠れつつも意外と鋭い質問をするソフィー。


「頭がいい子だな、君達は」


 頭を撫でようと試みるも、するりと逃げてしまった。


「違いもあるみたいだけどな」


 魔法があるのは確かなので、ファンタジーに該当するのだろう。焚き火の火種を作ったのもマリアの魔法だ。

 しかし、だとしたらこの飛行機はなんだ? ファンタジーであろうと、進化の辿り着く所は地球と同じなのか?

 彼女達に聞いたところ、こういった技術はそれなりに普及しているらしい。

 自在に空を飛ぶ飛行機(ソードシップ)

 ゆったりと空を浮かぶ飛宙船(エアシップ)

 そして、巨大人型ロボットの人型機(ストライカー)


「ストライカー、ねぇ……」


 巨大人型ロボット。そんなものがあるならぜひ見てみたいものだが、実用性はどうなのだろう?

 地球で人型兵器が作られなかったのは、実用性がないからだ。ミリタリーと似て非なる存在、それが人型ロボット兵器。

 もう二度と見れないであろうロボットアニメに思いを馳せつつ、教わった呪文を唱えてみる。


「うおっ、熱っ!」


「ドジね」


 呆れた様子のマリア。火種の魔法を使ってみたのだが、魔力を注ぎすぎたらしく前髪がちょっと焦げた。そういえば魔力チートだったな。


「失敗失敗……それで二人はどうするんだ、これから?」


「どうするって言われてもね。助けを待つしかないわ」


 開けた場所なので動物に襲われても対処しやすいし、近くに川もある。落ち着くにはいい場所かもしれない。

 問題は、人間にとって快適な場所は動物にとっても快適という事実だ。間違いなく、俺達は何らかのテリトリーを侵している。

 彼女達にその手の危機感というか知識はないらしく、俺以外に対しては警戒していない様子。むしろ俺が不審者か。

 ソフィーは飛行機操縦の練習に時折単独飛行を行っている見習いパイロットらしく、マリアは気まぐれで遊覧飛行に同乗したらしい。しかし機体の不調から墜落してしまい今に至る、とのことだ。


「浮遊装置って奴で浮かんでいるんだろ? 墜落なんてあるの?」


 この世界では飛行機の離着陸は降着装置に依存しない。浮遊装置なる、文字通りの浮かぶ機構で垂直離着陸するそうだ。変にファンタジーである。

 会話の中で俺が乗っていたトラックモドキも飛宙船であると判明した。あれ浮いてたのか……


「私には機械は判らないわ、ただのメイド見習いだもの」


 メイドなの?


「ソフィーは私よりは……判らない?」


 ふるふると首を横に振るソフィー。


「エンジンと浮遊装置が同時に止まったから、たぶんクリスタルの故障」


 クリスタルって魔法機械の原動力らしいが、その故障なら致命的過ぎるぞ。


「しゃーない、俺が見てみるよ。直れば儲け物だろう」


「機械に詳しいの?」


「そ、それなり?」


 自動車の整備が精々なのは黙っておこう。


「直ったらお礼として装備一式恵んでくれないか?」


「装備?」


「剣とか、盾?」


 旅人ってなにを用意すればいいんだ?


「冒険者になるつもり?」


「ファンタジーといえば冒険だろ?」


 異世界に渡っておきながら隠居する主人公など、漫画にも小説にもそういまい。冒険は浪漫だ。


「そうね、直せたら大人に交渉くらいしたっていいわ」


「頼む」


 現時点で彼女達に恩など一つも売っていない。むしろ保存食を分けてもらっているので借りがある状態だ。

 飛行機をざっと眺め、修理に挑む。道具など機体に積んである必要最低限一式だけだ、さてどこまでやれるか。






「これってパルスジェットエンジン? 燃料はこの水晶で、タンクがあるはずの主翼内には金属の塊……これが浮遊装置か」


 化石燃料で動くか魔力とやらで動くかの違いはあれど、飛行機の基本的な構造は地球と変わらないっぽいな。

 ソフィー曰くクリスタルが怪しいとのことだが、俺には判らない。

 とりあえずハッチを開いて目視してみる。罅割れていたりなどはない。

 注視していると、内部構造が透けて見えた。


「うおぉ!?」


「ふぁ、なに?」


 ウトウトしていた女の子二人が飛び上がった。すまん。


「なんだこれ、魔法?」


 コツを掴むと、その現象は任意で発動した。

 機械を透視し、内部構造が脳裏に浮かぶ。

 違う、機械に限らず物体はなんでも透視出来るんだ。


「―――ハッ!?」


 こ、これは素晴らしい魔法なのではなかろうか!

 透視。それは男の浪漫。

 幸いすぐそこに見目麗しい美少女が二人いる。


「待て待て待て、落ち着くんだ俺……!」


 喜び勇んで色々なものを台無しにしてしまうのは愚か者のすることだ。


「ここは慎重を期して、まず自分の体で練習するぞ」


 覗きとはバレたら全てが終わりだ。この能力の限界を見極め、把握した上で―――


「舐め尽くすように堪能してやる!」


 げへへ、と笑いつつ自分の裸体を透視可能かテストする。

 そして、期待は失望へと変わった。

 この魔法(?)の本質は、透視というより解析らしい。

 自分の体の起伏は理解出来た。しかしそれは映像的なイメージではない。

 しかも内臓まで見てしまった。この魔法、覗き見には適さないらしい。畜生。






 解析魔法の修得によって、意外とあっさりトラブルの原因は判明した。

 クリスタルから捻出される魔力を供給するケーブルが切れていた。ここを繋げばオーケーだ。


「つかこの飛行機、舵は重ステなんだな……タブがあるとはいえ細腕でよくもまぁ、ふぁあ、眠い」


 時計がないので判らないが、もう深夜だろうか? 未知の技術を把握するのに集中していたが、随分時間が経った気がする。

 飛行機から降りて彼女達の側へ。二人の身の安全を守るのも俺の役割だ、今晩は徹夜で火の番をする所存である。

 飛行機の方は部品がちょっと足りない。最初の飛宙船に戻らなければならないので、今日の修理作業は中止だ。


「一人の夜か、時間を潰す作業があればいいのだけれど」


 眠気が薄いのが幸いだ。異世界初日で興奮しているのかも。

 ふと気配を感じ、解析魔法で森の奥を探る。

 野生動物がかなりいた。中には俺達を狙っているらしい熊まで。


「あー、どうしよ。クマとか」


 ナイフ一本で熊に適うと自惚れてなんかいない。積極的に人を襲う動物じゃないんじゃなかったか、熊って。

 手元にある武器はナイフ一本。それと飛行機に搭載されている機関銃、ただし弾切れ。

 考えろ。少女達は逃がすべきか、いや子供の、人間の脚力じゃ熊からは逃げられない。

 威嚇して追い払う? 縄張りに入ったのはこちら、逃げ出すはずがない。

 ガサリ、と木陰から現れる巨体。悩むのも待ったなしか!

 あまりの威圧感と不気味さに足がすくむも、後ろにいるのは子供。

 迎え撃つ、しかない!


「武器、武器……そうだ」


 上着を両手で広げ、襟巻きトカゲのように相手を威嚇する。相手より大きく見せるのは基本。それでも熊より小さいけど。


「うわああぁぁぁぁ!」


 景気付けに意味もなく叫び突撃。間合いに入る直前、上着を放り上げて熊の顔を被う。


「グマァ!?」


「熊ってそう鳴くの!?」


 新発見しつつ懐に入り、唱えておいた呪文の力を解放する。


「ふぁ、ファイアー!!」


 ありったけの魔力を注いで着火魔法を発動する。

 爆発した。

 そう形容して構わないほどの炎の膨張。懐で燃え広がった爆炎に、熊は悲鳴を上げて仰け反る。

 しかし手は緩めない。何度も魔法を繰り返し、徹底的に焼く。

 やがて仰向けに倒れた熊の頭部に回り込み、駄目押しとばかりに延髄側面にナイフを突き刺す。

 激痛に舌を飛び出させ呻く熊。しかし分厚い筋肉に阻まれ切っ先は神経に届かない。

 小さな岩を持ち上げ、金槌の要領で打ち込んでいく。

 やがて、熊は身動き一つしなくなった。

 解析魔法で心臓が停止しているのを確認。


「っや、やったぁぁおえぇぇっ」


 吐いた。

 そりゃ吐くだろ。人間より大きな動物を殺したら。

 罪悪感や恐怖がぐちゃぐちゃに入り乱れ、声を押し殺して泣く。


「……大丈夫?」


 背後からかけられた声に、思わず吐瀉物の残滓で咽せた。


「ソフィー……!? 起きていたのか?」


 否定の仕草をして彼女は俺の背中をさする。


「ソフィー?」


「あなたは、怖い人じゃない……弱い人」


 そりゃゲロって泣いてたら情けなく見えるだろうけど。君達を守る為奮闘した努力をちょーっとは評価してほしい。


「おとーさんが言ってた。人は弱い動物だから、みんなで暮らすんだって」


 人間に限った話じゃない。補食される側の動物は、集まって生存する可能性を少しでも上げようとする。


「貴方は、弱いけどかっこいい人」


 ぽかん、とアホ面を晒してしまう。

 女性に真顔でかっこいいなんて言われたのは初めてだ。


「見張りは私がする。寝てて」


「見張りって言っても……」


「平気よ」


 マリアまで起きていた。欠伸をかみ殺しつつ、目を擦る。


「ふぁ……この子、風が読めるもの」


「風?」


 魔法だろうか?


「まあ、マリアがそういうなら……寝かせてもらうよ?」


「ええ、後始末はやっておくわ」


 後始末?






 朝に目が醒めたら、熊が枝肉と成り果てていた。


「すげぇ!?」


「メイドだもの」


 メイドすげぇ! 動物の解体までこなすのか、メイドって。

 死体の処理なんて俺には出来ないし、本当に助かった。

 肉ばかりの朝食を済ませ、修理の続きに取りかかる。


「そんじゃ、部品取ってくるよ」


「乗っていた飛宙船があるのに、異世界から来たって主張するのね。ま、いいけれど」 


 手を振るマリアと、ソフィー。ソフィーはマリアに手首を握られて無理矢理振られているが。


「なんか新婚さんみたいだな」


「貴方の性格、ちょっと解ってきたわ」


「……どっちが?」


 洗ったナイフを手に飛宙船に戻る。


「何度も煙が上がってるのに、救援来ないもんだなぁ」


 なんでも、二人が住む村には飛行機があれ一機しかないらしい。飛宙船は多数保有しているが、夜間飛行は出来ないだろうとのこと。危ないしな。

 飛宙船から転用可能なケーブルを引っこ抜き、二人の元へと戻る。


「―――なんだ、この音?」


 耳朶に届いたのは、微かな、重い落下音。

 集中してみると、何かが歩いていると気付いた。


「まずい、昨日の熊よりよほどでかいぞこいつは!」


 慌てて野営地に戻り、二人に異常を知らせる。


「何か近付いている! 二人とも、飛行機に乗って!」


「何か……って、何が?」


「知らんが、足音が聞こえるんだ! 早く!」


 彼女達が乗り込んでいる間に手早く修理を終える。交換するだけなら一分かからない。

 地鳴りが大きくなっていく。一体や二体じゃない、沢山のデカブツが近付いてやがる!


「これで飛べるはず―――」


 修理完了と同時に、森の木々が吹き飛んだ。

 現れたのは熊。しかし体長は五メートルを越え、牙やらツノやらが生えている。

 それが計一〇匹ほど。横一列に並ぶ姿は、さながら津波だった。


「どーいう進化をしたんだよ!?」


「動物じゃなくて魔物よ! レーカ、乗って早く!」


 操縦席に収まったソフィーの邪魔は出来ない。後部座席に片足を突っ込み、主翼の支柱に腕を回す。


「これでいいや、出してくれ!」


 始動するジェットエンジン。吸気に髪が引っ張られつつ、機体がふわりと浮上する。

 本当に垂直離着陸機なんだな、でも高度がなかなか上がらない。


「ソフィー、もっと急いで!」


「出力が低い、上手く飛べない……!」


 舌打ちする。応急処置は所詮応急処置か。

 巨体を唸らせ地面を蹴り、かなりの速度で迫ってくる熊。このままじゃ間に合わない!

 ああもう、しょうがない!

 機体から飛び降りて胴体を押す。


「レーカ!?」


「浮かんでくれ、後生だ!」


 俺の重さがなくなったことと、気持ち程度の腕力によるサポート。だが意味はあったらしく機体は魔物の腕の届かない高さにまで上昇した。

 それを見届け、振り返れば目前にまで迫った熊ども。

 逃げても追い付かれる、横列隊形だから回避は不可能……

 分の悪い賭など大っ嫌いだが、やるしかない!

 体長が五メートルもあれば、熊といえど足も長い。その合間をスライディングで抜ける!

 頭上を過ぎる「米」。見たくなかった!

 べちっと額に尻尾が衝突し、よろけるも駆け出す。


「その巨体では急旋回出来まい!」


 森に入って身を隠しつつ逃げる。これが思い付いた唯一のプランだった。

 しかし魔物の身体能力は俺の想定を凌駕する。飛行機に届かないと判断した彼らは足で地面を削りつつ急制動、俺に向けてクラウチングスタート気味に反転する。


「なんでそこまで執着するんだよ!? 野郎に追われる趣味はねぇ!」


 きっとあいつらが本当のここの縄張りのヌシなのだろう。昨夜の熊は子分か?

 必死に駆ける。もう振り返る余裕もなく、がむしゃらに足を動かす。

 正面の森の奥から、別の足音が聞こえた。


「挟み撃ち!?」


 その足音は魔物の熊より重く、早く、そして威圧的だった。


「群のボスとか、そういうのか!?」


 半分泣きつつ足を止めない。

 次の瞬間森から飛び出して来たのは―――


「へっ? 鎧?」


 ―――体長一〇メートルほどの、鋼の巨人であった。

 巨人は俺を飛び越え、手にした鉈を振るう。

 両断される大熊。突如現れた巨人に、大熊達もさすがに怯んだ。

 彼らにとって倍のサイズの敵は、子供が大人に挑むような無謀な差。

 あれほど恐ろしかった魔物が一方的に次々と殺されていく。低い駆動音を響かせ、フレームを軋ませながら鋼の巨人は暴れ回る。

 俺はその様に魅入られていた。

 あの機体を動かすパイロットは専門の人間ではない。そんなの、ちょっと武術を嗜んでいれば判る。

 しかしそんな力任せの戦い方であっても、スペックの差は覆せない。

 振り回す鉈は地面ごと敵を切り裂き、全身を覆う装甲は熊の小さな爪ではひっかき傷を付けるのが精々。

 戦車以上の小回りと反応速度。こと、接近戦においてはあの巨人に適う地球の兵器は存在しないだろう。

 まもなく、全ての大熊は討伐される。

 損傷らしい損傷もなく、返り血で一部が赤く染まっただけの巨人。


「―――あれが、人型機(ストライカー)


 上空を飛行する紅の飛行機と、空飛ぶ船……飛宙船。

 俺は、ようやく命拾いしたのだと確信した。






「でもこれ、戦闘用じゃないよな」


 人型ロボット=戦闘、なんて公式が頭の中で成立していたが、このロボットは民間用と見た。


「背中に作業用のクレーンがあるし、剣じゃなくて鉈だし」


 周囲をクルクル回って機構を観察する。


「油圧、じゃないな。人工筋肉ってやつか?」


 ロボットの間接部からは妙に有機的なラインが覗いている。サーボモーター駆動ではない。


「バッテリーか? それともジェネレーターを回して変換しているのか? そもそも電動か? これも魔力で動いているのか?」


 動力は当然胴体部だろうが、やはり内部構造は外見だけでは把握出来ない。

 そうだ! こういう時の魔法だ!

 装甲を見つめ集中すると、内部構造が頭に流れ込んできた。


「おぉ……えろい」


 機能美を追求し消耗部品を効率よく交換する為の配置。負荷を均一に均す為の計算されたフレーム。

 手足を動かすのはやはり筋肉だ。無機物の物質で構成されており、年月で劣化はしなさそう。風化はするけど。

 とはいえモーター部品がないわけではない。細かな制御は電気仕掛けだ。

 ならばそのパワーはどこから? ケーブルを辿れば大元が存在するはず。


「くそ、ハッチどこだハッチ」


 人型機の足をよじ登る。


『おい坊主、登ってくるんじゃねぇよ』


 人型機の頭のあたりから声が聞こえた。


「ハッチは……頭の付け根か」


『聞けよ』


 振り落とされた。


「痛い」


『落としたからな』


「再チャレンジ!」


『すんな』


 また落とされた。


「なんだよさっきから!」


『テメェこそなんだよさっきから!?』


 人型機のパイロットと怒鳴り合う。この野郎、俺の知的好奇心の暴走を邪魔しやがって!


「機械があったらバラしたくなるだろう!?」


『気持ちは解るが落ち着け!?』


 ひょいと人型機の指が俺の服の首根っこを摘んで持ち上げる。


「畜生! 畜生ぉぉお!! ロボットが目の前にあるっていうのにぃぃぃ!!!」


 慟哭であった。

 俺に構わず人型機は歩き始める。俺はブラブラ。


『変なことを言う奴だな。坊主、「ろぼっと」てぇのはなんだ?』


「特定の目的を自己判断によって達成する機械の総称だ」


 確かこんな定義だったはず。

 ちなみにこの定義では自動販売機もロボットである。


『じゃあ人型機(ストライカー)はろぼっとじゃねえだろ。自己判断なんざしねーよ、人が乗り込んで一から十まで操作(お膳立て)するんだから』


「ああ、人型ロボット兵器というのはその点でいえば矛盾した言葉だ。鉄人28号でさえリモコン操作である以上ロボットではないというのに」


 リアルロボットアニメではロボットという言葉自体出てこないことも多いんだけどな。


「で、俺の何が変なんだ? あと放してくれ、いい加減」


 指が緩んだので手の平に移動する。揺れる揺れる!


人型機(ストライカー)の駆動原理に疑問を持ってたろ? 子供だってある程度は知っているもんだぜ?』


「知っているのか?」


『たりめーだ、俺は職人だぜ』


「メカニックか、道理で動きが力任せなわけだ」


 本職じゃないんだ、やっぱり。


『あの短い戦いでそれを見抜いたか、天士として才能があるかもな』


 褒められた。


『こいつの動力は『魔力』だ。クリスタルから捻出された魔力によって無機収縮帯を稼働させ駆動する。けどそれだけじゃない』


 男は心なしか楽しげな声で説明する。


『複雑な制御装置、姿勢を把握するジャイロ、それを頭部に集中したセンサー……それだけではない、それこそ数え切れないほどの複雑な技術が絡み合った結晶が人型機(ストライカー)だ』


「全体のシステムが同調して初めてまともに動くって言いたいのか?」


『そういうこった。それぞれの働きを理解して、始めて人型機(ストライカー)の整備作業が出来る。けれど最近はそんな込み入った専門知識をもった技術者も減っちまってな、素体のポテンシャルに頼り切った3流も多い。嘆かわしい限りだ』


 ハードルというか、志が高いんだなこの人。








 村に辿り着いた人型機。


「そんじゃあな、俺は帰るぜ」


「ええ、ありがとうございました」


 人型機のパイロットであった髭もじゃ、たぶんドワーフの男性はソフィーの母親に挨拶をした後に早々に飛宙船で村を出て行った。

 彼はたまたま村を訪ねていた知人らしく、墜落し行方不明となっていたソフィーとマリアの捜索に滞在予定を延長して参加していたらしい。

 ソフィーの父のガイルとやらは、飛行機の整備不良の罰として後始末に奮闘している。子供二人が危険に晒されたのだ、そりゃ怒られる。

 ただいま捜索に参加した人々にお礼として熊の肉を配り歩いているらしい。あんな大量の枝肉を持っていても困るので、買ってもらったのだ。


「この度は本当にありがとうございました、レーカ君」


 村の出入り口にて、俺は絶世の美女に頭を下げられていた。

 白銀の髪は腰まで伸び、瞳は娘と同じ深いブルー。そう、ソフィーの母親のアナスタシアだ。


「え、えっと、いいっすよ! 女性を守るのは当然の義務です!」


 しどろもどろ。こんな美人に見つめられて平静でいられるはずがない。

 じっと俺を見つめるアナスタシアさん。


「ほ、惚れてまうやろー!」


 なに言ってんだ俺は。


「ふふっ、私の娘なんてどう? 貴方のこと、ちょっと気を許しているみたいだし」


 あれで気を許しているのか、避けられっぱなしに思えるが。

 ソフィーも将来は美人になるのかな。それを踏まえると、彼女が俺に気を許しているというのが実に朗報に思える。

 夫人は俺を見、ややおいて首を傾げた。


「貴方は、帝国の人ですか?」


「いえ、住んでいた場所はむしろ共和国……あれ、どっちなんだろ?」


 日本は制度的には共和国だけど、天皇家があるから王国? うーむ。


「とにかく、帝国と呼ばれる国ではありません」「そう。ごめんなさい、少し勘違いしてしまいましたわ」


 なんのことだろう?


「マリアちゃんから聞いています、異世界から渡ったばかりで、旅立ちの道具が欲しいのですよね?」


「あ、えっと。これといった目的はないので、しばらく村に滞在してからと思っていますが」


 アナスタシアさんはしばらく悩み、こう問いかけた。


「旅立つのは決定事項かしら?」


「そういうものかな、って……定住したら異世界に来た甲斐がありませんし」


 ただ、不安要素があるのも事実。魔物に殺されかけた俺が、旅なんて出来るのだろうか?


「なら私達の家で働くというのはどうかしら?」


 そう彼女が提案し指差したのは、丘の上の豪邸。


「城?」


「屋敷よ、あそこに住んでいるの」


 いや、ほとんど城だろう。外壁こそないが、あんな立派な洋館は見たことがない。


「使用人として雇われれば、この世界のことを学べる上に給料も貯金出来るわ。三食寝床付きだから色々お得よ?」


 うっ、ホームがレスな身としては凄く魅力的なお誘いだ!


「使用人の仕事とか、よく解りませんし……」


「おいおい覚えていけばいいわ。それに、娘達の命の恩人を無碍には出来ないもの。ねっ?」


「そ、そのっ」


 度を超えた美人は微笑むだけで、相対する男の心を掻き乱してしまわれるらしい。

 まったくけしからん! けしからん微笑み頂きましたありがとうっ!

 ……そうだ。ロリ神は、白い姫の側にいろと言っていた。

 現時点で該当するのはソフィーとアナスタシアさんの母娘。このお誘い、側にいる口実として最適じゃないか?

 彼女達のどちらかが白き姫だとして、姫を助けるのは神との約束だ。それを違えるわけにはいくまい。

 決めた。予定無期限で、あの屋敷の使用人をしよう。


「お話、お受けします。よろしくお願いします」


「はい。よろしくお願いします。じゃあ早速屋敷の皆と挨拶しなくっちゃ」


 手を掴まれ軽やかに草原を登る。手が柔らかくって、思わず赤面。


「もうソフィーとマリアちゃんは知っているから、あとは私の夫のガイルと、マリアちゃんのお母さんのキャサリンね。大丈夫よ、夫はいい加減な子供みたいな人だしキャサリンも根は優しいから」


 微妙に不安になることを聞き流しつつ、俺は異界の故郷とも呼べる場所となる屋敷を目指す。

 丘の上には着替えたソフィーとマリア。手を振る彼女達に返礼。


「走りましょう!」


「ちょ、元気ね、もう」


 アナスタシアさん、いや雇い主なのだから……アナスタシア様? を逆に引っ張り、駆け出した。


「……良かった、まだ村にいたんだ」


「お母さんが料理を用意しているから一緒に食べましょ!」


「ああ、ご馳走になるよ、ソフィー、マリア」


 ここは異世界セルファーク。共和国と帝国の狭間の田舎村、ゼェーレスト。

 人口僅か一〇〇人ほどの小さな村から、物語は始まる。


 見たとおり、大幅改訂。物語の流れがグダグダだったのをシェイプアップしました。

 あとは、ソフィーとマリアがダブルヒロイン的なポジションということでそれを強調。

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[一言] ギャグが古い、なえた。
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