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ショートエピソード     異空間でのひととき1

僕は毎日、商業ギルドで仕事の依頼をうけている。


いやじゃないんだけど、ここ5日間ほど受けた依頼はどれも重労働でどうやら少しばててしまったみたい。


だって、


1日目は商業区の大通りの掃除。


2日目は帝都プラチナムでも屈指の大邸宅である侯爵様の敷地内の庭の手入れ。掃いても掃いても葉っぱは落ちてくる。ほんとにつらかった。


3日目は帝都警察隊の第3支部の建物の掃除。なんの汚れかわからないがとにかく建物全体が汚かった。


4日目はプラチナム内にある市場の警備。これはまあまあ楽だった。


5日目はプラチナムを流れる川の清掃。もう水が冷たくて冷たくて。


この業務をみてもわかるとおり商業ギルドには掃除の依頼がとても多くくるのだ。


いや、冒険者ギルドにも薬師ギルドにも掃除の依頼はくるらしいのだが、掃除の依頼を嬉々としてうけるのは商業人が最も多いらしい。


だって、命の危険がないし、重労働だけどその分報酬もいいからね。


そんなわけで僕はもう身体がくたくただ。


それを見かねたエクレアが僕に提案してきた。


「親愛なるご主人様、すこし休憩をとるのはいかがでございましょうか。ご主人様は立派に仕事をしております。少しぐらい休憩をとっても罰は当たりませんよ」


「実はわたくしめに、ゆっくり体を休める良い場所の心当たりがございます。よろしければそこで2、3日ゆっくりしてみては」


僕は余ほど疲れていたんだろう。


2つ返事でその提案にのった。



そこは以前、イオニアやリューシェが出してくれた異空間の中だった。


その異空間へは5人のメイドのだれもが行き来することができるのだとか。


その中は元の世界と何ら変わらず生活ができる。


しかも大自然が広がっており空気がおいしい。


帝都プラチナムにも緑はあるが建物の数も非常に多いので息が詰まりそうだった。


なのでこの自然の空気はとてもおいしく感じられた。


僕が快適にすごせるように普段住んでいる邸宅よりさらに大きい屋敷をエクレアは用意してくれたみたいでそこは庭も広い。


さらに、屋敷の目の前には海が広がっており、ビーチもある。


この大きな屋敷には当然僕が暮らしていけるように部屋の掃除もされており食堂や厨房はもちろん執務室や大浴場もいつでも使えるようにしてくれているのだ。


至れり尽くせりとはこのことだろう。


異空間の中へきてきょろきょろと周りをみていた僕に、エクレアが


「親愛なるご主人様、いかがでございましょうか。ビーチで海水浴をたのしむこともできますし、夜は庭でバーベキューなども用意できますよ」


「バーベキューを楽しみながら花火を楽しむのもいかがかと」


ととびっきりの笑顔で僕を甘やかしてくれる。


僕はまず、午前中丸々、屋敷の自室にあるベッドでゆっくり過ごすことにした。 


でも、寝すぎて身体が痛い。


「う、う~ん。寝すぎて身体が痛い」


「そろそろ身体を動かそうかな。せっかく海が目の前にあるし浜辺に出てみようか」


午後から、暑い日差しを受けながら砂浜に出て歩いてみることにした。


エクレアに聞くと、ある程度、日光を身体に浴びるのは身体に良いことで、日光浴というらしい。


日光浴もいいけど、僕は足元に広がる砂に興味が向いていた。


ああ、この砂を使って遊びたい。


砂のお城を作ってみたい。


僕はこの誘惑にあらがえない衝動が起きてきた。



気づくと、砂浜を使って砂のお城を作っていた。


拾った貝を城のてっぺんに置いたりもしていた。


押し寄せる波を利用してお城のまわりに堀をめぐらしもしていた。


砂の城が波で崩れる。


エクレアがさりげなく堀を守ろうとしてくれた。


幸せだなあ。



そうして気づくと日が暮れかけていた。


一体どれだけ夢中になっていたのだろうか。


エクレアたち5人が食事の時間だからと僕を呼びに来た。


しかも僕が浜辺で夢中になっているのを見て、浜辺でバーベキューに変更してくれたのだ。


肉が焼きあがるころには空は満点の星空が広がり、横からはお肉の美味しい匂いがしてくる。


ホーネットが近づいてきて、


「輝かしきご主人様、お肉が焼きあがりましたわ。どうぞご賞味くださいませ」


とバーベキューの串を僕に差し出してくれる。


僕が串にある肉を頬張っていると、遠くのほうから、


ボンッ。ボンボンッ。パラパラパラ。


と音がする。


音のするほうを見ると海の向こうから花火が打ちあがっていた。


おお、話に聞く花火だ。


初めて見た。ちょっと感動。


砂のお城にバーベキュー、そして花火をみて日ごろの疲れがすっかりふっとんだ。


僕はたっぷり休息をとることができた。


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