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メインエピソード1   商業ギルドからの依頼  ~素行調査~   第1話

数ある作品の中から選んでいただきありがとうございます。3と銘打っていますが、本作単体でも楽しんでいただけます。よろしくお願いします。

「あ、いらっしゃい」


受付のお姉さんだ。


いつも僕がギルドのドアを開けると同時くらいに声をかけてくる。


「今日も早いですね。早速ですが平民の素行調査の依頼をお願いしていいですか?」


「平民男性を調査することになりますけど。ちなみにDランク相当であると当ギルドは査定をしています」


日課としてギルドへ顔を出すとカウンターのお姉さんはいつものように仕事を紹介してくれる。


僕はプラチナ帝国に住むしがない一平民。


そして生活のためにギルドの依頼を受けてお金を稼いでいる。


ギルドとは、中央平原三強の一角、魔法国家プラチナ帝国の帝都プラチナムに支部を構えている商業ギルドのこと。


でも、商業ギルドだからと言って物の売り買いをする依頼ばかりではないんだ。


どちらかと言うと、商売にからんだ調査や護衛といった依頼が多いかな。


僕のように物の売り買いをせずギルドから依頼を受けて仕事をする人を商業人と呼ぶ。


商業ギルドで紹介される依頼は、例えば、隣国や遠い町への物資の配達や商品の情報収集と言ったものもあれば、貴族の屋敷の清掃のお手伝いと言った雑用まである。


たまに、商会の輸送の護衛という荒仕事も紹介されることもある。


いわば何でも屋と言った感じだ。


それでも商業ギルドへいって依頼をとり仕事をして稼いでいかなくちゃ生活できない。


そんな僕がいつもお世話になっているギルドの名前は、商業ギルド帝国第4支部という。


え?プラチナ帝国は第何支部まであるかって。


え~とたしか、帝都プラチナム内だけで10個あると聞いたような。


なんせ100万人都市だからね。


10個でも足りないかも。


さて、受付のギルド員からさきほど紹介された依頼の説明書を読むとするか。


「うん。んん。素行調査か・・・・」


素行調査は1日で終わらない。


調査対象によっては1週間、いや1ヶ月かかる可能性だってある。


だけど今回ギルドは、Dランク相当と査定した。


Ⅾランクは標準よりちょっと低い程度。


つまり、1日か、ながくて2日か3日程度で終わるだろう位の調査だとギルドは判断したことになる。


まあ悩んでいても仕方ない。


僕は半ばギルドの職員みたいな扱いをされているのでギルドから紹介される依頼はよっぽどの理由がない限り断らないようにしている。


まあ、一般人男性の素行調査ぐらいなら問題なくできるだろう。


「了解しました。それでは、素行調査の依頼を受けます」


僕は元気よく受付のお姉さんに返事した。


「いいお返事。そういってもらえてこちらも助かるわ」


お姉さんも僕の返事を聞いてにっこり笑う。


あとは、依頼書から待ち合わせ場所と時間を確認し、僕は待ち合わせ場所へと向かうことにした。



かいつまんで言うと、依頼人は平民の女性だった。


だけど裕福そうな身なりなので実家は商売をしているかもしれない。


依頼人の女性からは、今度結婚を考えている男性がいるのでその男性の素行調査を依頼したいとのことだった。


その男性の絵姿をみせてもらうといかにも女性にもてそうな顔立ちをしている。男性の名はケビンといった。


僕は依頼人から調査対象の男性ケビンの職場と立ち寄りそうな店を聞いた。


ケビンはある子爵家のタウンハウスでフットマンとして働いている。


ただし、住み込みではなく家から通いだそうだ。


仕事が終わるとすぐに帰らず馴染みの酒場に行くのが日課だとか。


酒場では気が大きくなって考えていることが口に出やすい。


なので素行調査にはうってうつけの場所といえる。


僕は、早速調査を行うことにした。



調査を始めてそろそろ夕方にさしかかる。


僕はずっとケビンが働いている子爵家のタウンハウスを見張っていた。


ようやくケビンらしき男性が子爵家から出て来た。


僕は気付かれていない事を確認して尾行をする。


ケビンはそのまま馴染みの酒場に入っていった。


僕もその酒場に入る。


ケビンの席の近くに座り、何食わぬ顔で僕は飲み物と食べ物を注文し、ケビンの様子をうかがう。


ケビンは友人と飲んでいた。


「おい、ケビン、あいかわらず、ケチな子爵さまのもとでチマチマ働いているのかよ」


「ちっ、うるせえな。俺の勝手だろ。ほっとけよ!!」


「なんだい、機嫌がわるいな。察するところ、子爵様の家で狙っていたメイドとうまくいってないのか?へへっ」


ん?狙っていたメイド?


このひと、メイドに手を出そうとしていたのかな。


「うるせー。ほっとけ!!!」


「そう怒るなよ。おまえ、他にあの、なんて言ったか商会の金持ちの娘とも仲良くやってるらしいじゃないか」


ぴくっ。それってもしかして依頼人のことかな。


僕は聞き耳たてながらケビンと友人の会話を聞いていたが、そのとき、酒場の酔っぱらいがケビンたちにからんでいった。


「おいおいおい、景気のいい話しているじゃねえか!!おれにも女をわけてくれよお。なあ、イケメン兄ちゃんよお!!!」


酔っ払いがケビンに絡むが、ケビンはその男は蔑むような目で睨み、


「ちっ、ブサイクが。うるせー。どっかいけ!!」


その言葉に酔っぱらいが激高した。


「なんだとお!!」


あっという間に殴り合いが始まった。


いや、殴り合いじゃない。


ケビンは一方的に殴られていた。イケメンは弱いな・・・・・


すぐに通報をうけたのか、帝都警察隊がやってきて、あっという間にケビンとケビンに絡んでいた男を連れて行ってしまった。


僕は唖然としてしまった。


調査の最中に調査対象がケンカで帝都警察隊に連行されるなんて初めてだ。


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