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出逢えた奇跡  作者: 琴音七色


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第8章『貴方に捧げる贈り物』

第8章『貴方に捧げる贈り物』



    1 髪留めを贈る深層心理=ずっと貴方と一緒にいたい



 ドラマ放送開始・初回を迎えた7月4日の夜。多忙なスケジュールを互いにこなし、愛藍の家でAlessaと一緒に2人の時間を過ごしていた。晃太郎が初回放送を飲みながら観たいと言うのでお酒をリビングに用意する愛藍。そして、何かつまむものも用意しようとして、またキッチンに戻ろうとする。晃太朗が愛藍の腕をつかみながら


「俺、酒しかいらないから。ここ、おいで!」


 と愛藍を前に座らせて、後ろから包むようにした。冷房で少し冷えていた体の愛藍には背中や腕から伝わる晃太郎の体温が程良く心地良かった。まずまずな初回を見終わると、晃太郎は、隠していたジュエリーBoxを出して愛藍の胸元でそっと開けた。中身はペリドットをあしらった綺麗なグリーンを基調とした星のデザインの髪留めだった。


「初めての主演ドラマ放送開始おめでとう!」


 と言いながら箱から取り出して


「こっち向いて……」


 と言って愛藍を振り向かせて髪につけてあげた。そして、


「本当は指輪にしたかったんだけど……、ビックリしちゃうかなぁと思って」


「嬉しい! ありがとう。じゃ……、私からも。こうさん、もうすぐ誕生日でしょ!? 早いけど、はい、これ!」

 

 愛藍は出逢ってから初めて晃太郎への呼び方を変えて、自分からもプレゼントを贈った。それは、愛藍が使っているキーケースの色違いだった。晃太郎がケースを開けると……


「ん? ……鍵ついてる……?」


「うん、この家の。本当はもっと早く渡そうと思ってたんだけど。ンフッ、ビックリしちゃうかなぁと思ってw」

 

 と、先ほどの晃太郎の言い方を真似した。真似された晃太郎は笑いながら愛藍の頬を痛くないようにつねった後


「仕事ない時、ずっと入り浸るかもよ!」


 と言うと、愛藍は


「いいよ、それが嫌だったら渡さないもん!」


 そう愛藍が言うと、晃太郎が愛藍を抱きしめながら


「ありがとう! ……そう、誕生日9月だよね!? 15周年も。……うん、やっぱ、近いうちに好きなデザインで作りに行こうか、指輪」


 と提案する。同級生の営む宝石店があると言い、プライバシーも守れるということで、後日お忍びで来店することを決めた。後ろにいる晃太郎に身をよじらせながら抱きついて愛藍が少し見上げる感じで


「こうさん…………好き!」


 と言って愛藍がはにかんだ。晃太郎はたまらない愛しさを感じて愛藍の顔を引き寄せてkissをした。そして、クランクアップまで待てないと言って謝って愛藍を抱き上げて寝室に連れて行こうとする。抱きかかえられてリビングを去る時にふと見えた母の遺影の前。自分が今朝飾った花の横にもう1つ花が添えられているのが見えた。可愛くコンパクトに作られた白いカーネーションだった。


――花言葉……亡き母を偲んで。私の愛は生きています。――


 ベッドにそっと降ろされた愛藍は、晃太郎の背中に両手を回した。

 

「ありがとう、……カーネーション。……こうさん、……大好き……」


 と伝え、晃太郎を引き寄せた。初回の放送を母にも報告してくれていた晃太郎の誠実さを強く感じていた愛藍だった。2人の恋が確実に“深くて温かい愛”に変わった夜だった……。



    2 より一層のご愛顧を……



 7月10日、宝石店への来店当日。店舗裏口から中に通される2人。特別応接室へと案内された。晃太郎は愛藍を同級生の富田敬介(とみたけいすけ)に紹介した。富田が愛藍を見ながら言う。


「その髪留め、とてもお似合いですね!」


 と告げた。愛藍は、はにかみながら小さく頷いて礼を言う。富田は更に


「うちのジュエリーが本当よくお似合いでw」


 と付け足した。愛藍は一瞬フリーズした後、もしかして? と事態を把握し、ハッと息を飲んで髪留めに手をやりながら晃太郎を見た。富田が今度は晃太郎に話しかける。


「なぁっ、お前、うちで何個作るつもりなんだよ!」


 と更にからかった。晃太郎は、富田に詰め寄るように


「お前さぁ、マジでやめろよ。(愛藍が)誤解するだろ。いいから、さっさと、お茶とかデザインとか、何か出せよ!」


 と言って動揺し、トイレに行くと言って席を立った。富田がニコッとしながら


「撮影は順調ですか?」


 と言う。愛藍は笑顔で返事をする。


「GW辺りだったかなぁ!? 晃太郎から連絡がありましてね。髪留めを急ぎで作って欲しいって我儘言われまして。ペリドットを入れてくれって。で、今日は今日で女性を連れて来る! なんて言うから、まさか? とは思ったんですけど、もしかしたら共演中のAilaさんかな? と。誕生日をネットで調べてしまいました。ペリドットって『9月12日』の誕生石なんですよ。やっぱり、これもAilaさんの(ための)ものだったんですね」


 と告げられる。愛藍は“これも”と付けた富田の言葉が引っ掛かったところで晃太郎が帰って来てデザインの打ち合わせに切り替わったのだった。


ーーペリドット、運命の絆ーー


 誕生日に間に合うか? は分からないとのことだったが、この日デザインを決定して後日受け渡しで制作依頼は無事引き受けてもらった。

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