第21章『今治タオルの用途』
第21章『今治タオルの用途』
晃太郎の自宅に一緒に戻った愛藍は、再びAlessaも含めて自分の体を労わって皆でゆっくり過ごすと晃太郎に告げた。時折、悲しみに打ちしがれる愛藍だが、晃太郎に見せないよう気遣う。それを分かっていた晃太郎も精一杯気を張っていた。そんな日々が数日続いたある日、かつて共演した俳優の古谷がお土産を持って訪れた。それは、温泉宿泊券と観光地の情報と大量の今治タオルだった。
「たくさん泣いて今治タオルで拭いて御利益の温泉旅行でもしてこい! こういうのはさぁ、とりあえず何でもやってすがればいいんだよ。んで、泣きたい時はとことん泣こう。いいぞぉ、今治タオル」
と2人を元気づけた。晃太郎が今治タオルをしまいに行っている間に古谷が愛藍に
「赤ちゃんは、母親のタイミングを空から見てるって話らしいよね。ほら、2人とも色々あって、バタバタしてて大変そうだったじゃん。2人が元に戻れたばかりで忙しそうだからさ、タイミングを見て、また別の機会に来る事にしたのかもよ。整理がついたら温泉行って露天風呂でさ、2人で空見上げて“もう来てもいいよ!”って話しかけてみ。あっ、そこの宿、わんこの露天風呂付き客室あるところだから! Alessa君も連れていけるから」
古谷は、そう言って、かつてのわいせつ罪を帳消しにしてあげたいほど人情味溢れる話を残して帰っていった。




