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スペル・ソルジャー  作者: ゆっくりユキト
第3章 公安ゼロ編
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第3話 女子高生誘拐事件

俺達は望さんの運転で練馬区のとある高校へと足を運んだ。


「アポは取ってあります。私も一緒に行きますか?」

「いや、大丈夫です」


何故高校に来ているかというと、被害者の1人がこの高校に通っていたからだ。


「分かりました。学校の敷地外で待機しているので何かあれば呼んで下さい。ではお気をつけて」

「うっす」

「はーい」


俺達は校門から学校の敷地内へと入って行く。

さっき望さんも言っていたが、アポは取ってあるらしい。

だがどう見ても未成年である俺達が本当に入れるのかは少し不安ではある。


(まぁ多分大丈夫だろうけど)


「ねぇ相真君。学校に何をするの?」


2人で歩いていると沙月が質問して来る。


「校長と拉致られた子の担任の教師に話を聞く」

「でも普通の人は誘拐って知らないんでしょ?意味あるの?」

「犯人が被害者と関係のある人物かもしれないからな。それと俺達は探偵って設定らしいぞ」


見た目は高校生くらいである俺達が警察と名乗るには無理がある。その上、警察が表向きには公表されていないこの事件を捜査しているとはおもわせたくないらしいので、探偵という形になったらしい。


「探偵?それでよくアポ取れたね」

「なんでも公安が裏から手を回したらして1時間前に取ったらしい」

「意味が分からないよ……。アポってそんな早く取れるものじゃなくない?」

「確かにな」


俺達はそんな話をしながら校舎の中へ入って行く。




「お忙しい中、時間を作って頂きありがとうございます。自分は宮木探偵事務所の黒木です」

「同じく宮木探偵事務所の雪宮です」


俺達は偽名を名乗って挨拶して、用意して貰った名刺を渡して挨拶する。


「これはご丁寧にありがとうございます。私はこの古河高校の校長をしている杉山です」

「この学校で教師をしている岩田です」


杉山さんから貰った名刺をポケットに仕舞う。


「失礼ですが、おいくつですか?随分と若く見えますが」


杉山さんに丁寧な口調でよそよそしく聞かれる。明らかに年下である俺達にそこまで腰を低くしてくれる辺り、人柄の良さが伝わって来る。


「自分も彼女も19歳です」

「その年で探偵とは凄いですね。我が校の生徒達ともほとんど変わらないというのに」

「いえいえ、大したことありませんよ。事務所も別に自分で立ち上げたわけではありませんし」


俺の年齢を聞いて驚きの表情を浮かべながら褒める杉山さんに俺は営業スマイルを浮かべて謙遜する。

勿論、今言った事は全て嘘である。移動時間に10分で考えた設定だ。


「早速ですが、佐藤 花さんについてのお話を聞かせて頂いても宜しいでしょうか?」 


佐藤 花とはこの事件の一番最初の被害者である。行方不明ではあるが、表向きには家出として処理されている。


「え、ええ。良いですよ」


岩田さんは若干顔を引きつらせながら了承する。どうやら生徒の情報を話す事に納得していないらしい。


「彼女はいつ頃から学校に来ていないんですか?」

「2月の下旬から来ていませんね。元々、素行が良いとは言えない生徒でしたから」


岩田さんは出席名簿を見ながら答える。


「では彼女が悪い大人とつるんでいるなどの噂を聞いた事はありますか?」


不良とまでは行かずとも、被害者の素行が悪かったならそういう噂があってとおかしくないだろう。


「あの、彼女は家出なんですよね?」


岩田くんが俺の質問に答える前に、杉山さんが冷や汗をかきながらもはっきりとした口調で割って入る。

それも当然だろう。佐藤 花の行方不明の原因はただの家出と聞かされているだろうからな。この言い方では何かの事件に巻き込まれたと思っても仕方がないだろう。


「そうですよ。ただ家出をした後に事件などに巻き込まれてしまうかもしれないので、その前に保護したいんです。我々は彼女の事を捜索する依頼を受けているので」

「なるほど。そうでしたか」


俺の説明に杉山さんは納得した様で安堵の表情を浮かべる。


「流石にそんな噂は聞いたことはありませんね。素行が悪かったとは言え普通の高校生でしたから」

「そうですか」


その後も色々と質問してみたが、これといって情報は得られなかった。



それから別の被害者が通っていた学校を2校ほど回ったが、やはり大した情報は掴めていない。

時刻は正午を回っており、俺達は外で某ハンバーガーチェーン店のハンバーガーを食べている。


「うーん、中々情報掴めないね」

「そうだな〜」


ポテトを口に運びながら、沙月は難しい顔をして愚痴を溢す。


「そう言えばどこの学校の先生も生徒が家出してるって事をすんなり受け入れてたよね」

「確かにな。もう少し慌ててると思った」

「まぁ時間が経ってるからかもしれないけど。……うん?」


そう話していると沙月が急に怪訝そうな表情になる。

目を細めてある一点を見つめている。


「どうかしたか?」

「あれ見てよ」


沙月が自分が見ている方向を指を刺すので、俺もその方向を見る。


「あぁ、そういう事ね」


路地裏で複数人の男が1人の女の子に絡んでいる。ナンパかカツアゲかは分からないが、女の子が困っているのはなんとなく分かる。


「で、助けるのか?」

「だって困ってそうだから。ダメ?」


立ち上がった沙月が笑みを浮かべながら首を傾げながらそう聞く。その笑顔からは親切心で行動しようとしているのが一眼で分かる。


「いや、ダメじゃねぇよ」


俺はそう言ってハンバーガーを口に放り込み、立ち上がる。

そして路地裏へと向かって歩みを進める。




「なぁ、俺達と一緒に来いよ!」

「へへ、ホテル行こうぜ!」

「や、やめて下さい!」


路地裏へと足を踏み入れると、そんな声が聞こえて来る。

どうやらナンパらしい。それもかなりタチの悪いタイプのナンパだ。


「てか、こんな光景1年前にも見たな」

「あれから1年も経つんだね〜」


俺達はそんな事を話しながら男達へと歩みを進める。

男達は歩いて来る俺達を睨みつけるが、この程度の敵意は俺達にとっては心地よいくらいだ。


「やめとけよ。そういうのダサいだけだぞ」

「あぁん? なんだてめぇ!」


俺の挑発を受けて男達は怒りを露わにする。


(やっぱりこういう連中の沸点は低いな)


そんな事を考えながら俺は男達との距離を5メートルくらいまで詰める。


「俺達はただの通りすがりの一般人だよ。チンピラ君」

「んだとゴラ! でもまぁマブい彼女連れてんじゃねぇかよ。その女置いてったらてめぇはボコらないでやるよ」

「ふ、ふぇ!? 彼女?」


俺の後ろに立っている沙月は素っ頓狂な声を出して頬を赤らめている。


「おーおー、そりゃあお優しいねぇ。じゃあ俺もアンタらが回れ右してお家に帰るなら見逃してやるよ」

「てめぇ! ぶっ殺されてぇのか!?」

「アンタら如きに殺させるなら、もうとっくに死んでるよ」


俺の煽りによって男達の怒りはどんどん膨れ上がっていく。


『随分と挑発しますね』

『喧嘩するなら正当防衛にしないといけないからな』

『まぁ確かに』


俺とルナがそんな風に念話をしていると、男の1人が近寄って来て、


「お望み通りぶっ飛ばしてやるよッ!」


そう言って俺の顔面目掛けて一直線に拳を放つ。

だが俺はそれを半身で躱して、背後に回り込み首筋へと手刀を叩き込む。

俺の首トンを食らった男はその場に倒れ込む。


「てめぇッ!」


それを見た男の1人がさっきの男と同じ様な動きで殴りかかって来る。

別にただの不良に戦闘技術を求めているわけではないが、さっき仲間が瞬殺されたのに同じ様に攻めて来るとはなんとも芸の無い。


「ほいっ」


俺は柔道の一本背負いをして一瞬で無力化する。「ぐえっ」といううめき声が聞こえたが、まぁ問題無いだろう。

一本背負いをした為、男達に背を向けている状態の俺に男の1人は拳撃を放つ。だがーー


「なっ!? ……ぐふっ」


俺はその拳を首を横に傾けて躱す。

この程度の攻撃なら氣を読まずとも回避する事は可能だ。

そして躱した直後に男の鳩尾に肘を入れる。

鳩尾に入ったが、打撃を放つというよりは肘を当てるだけに抑えたので大した怪我とはならないだろう。


「それで、まだやるか? 帰るってんなら見逃してやるぞ?」


俺は残りの1人に向かって見下す様にそう告げる。


「ひ、ひぃ!」


俺の言葉を聞いた男は悲鳴を上げながら一目散に逃げて行く。


「流石だねー。相真君」

「ただのチンピラだったからな、沙月でも余裕だろ」


沙月が微笑みながら俺の元は歩み寄って来る。


「あ、あのありがとうございますっ!?」


俺と沙月がその場で談笑していると、さっきまで絡まれていた女性が話し掛けて来る。

だが何故か語尾が上がっており、驚愕の声を漏らしている。


「……も、もしかして黒木君?」


数秒の間を開けて彼女は驚きながらも俺の名を読んだ。

後書き描き忘れてたぁぁぁ!(この後書きは投稿した後に書いています)

すみません。後書き書かずに投稿してました。

3日で書けたのでいい感じですね。最近モチベが高いです。こんなモチベが高いのは2ヶ月ぶりです。

でも小説を書くのは別に楽しくはないですよね。でもPVやブクマ増えたりしたら嬉しいので、小説を投稿するの自体は楽しいです。

次の投稿は今週中にしたいと思います。

この小説が面白いと思ったらブクマ、高評価、レビュー、コメント宜しくお願いします。励みになります。

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