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スペル・ソルジャー  作者: ゆっくりユキト
第3章 公安ゼロ編
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第1話 バディ

舞さんによる説明が終わった後は、望さんに事務室へと案内された。

事務室とは名ばかりで、事務仕事をする事はほとんどないらしく、基本的に待機任務の時に待機している部屋らしい。

部屋の見た目は他の部屋と同様に黒を基調とした近未来的なデザインであり、机と椅子は壁と同じ様に黒いが部分的に青い光を放っている。


「ここが皆さんの事務室です。空いている席がいくつかあるので自分の席を自由に決めて下さい。それと自分の席には何を置いても自由ですので、周りの迷惑をならない程度ならカスタマイズ可能です」


事務室は1部屋に10人が入るらしく、この部屋にも机と椅子が10個ずつある。

だがその10個の机の内6つは机上に「空き」と書かれた紙が置いてある。

特に何処にした方が良いとかが分からない俺達4人は取り敢えず4人が固まる様にして適当に席を決めた。




「次は何するんですか?」


席を決め終えた俺は望さんにそう質問する。


「次はバディを決めて貰います」

「バディってなんですか?」

「バディとは一緒に任務を受ける相棒の事です。公安では他の特殊部隊と違い、基本的に小隊ではなく2人1組(ツーマンセル)で任務に臨むのですが、ほとんどの場合はバディを組んだ者と2人1組(ツーマンセル)を組む事になります」

「なるほど」

「この4人の中で2組決めるって感じですか?」

「はい。そうなります」


俺のバディの説明を求める問に答えた望さんに、結梨が続けて質問をする。

この4人の中から組むとなると、誰と組む方が良いのだろうか。


「どうするの?」

「僕は誰とでもいいよ」

「まぁ俺も誰とでもいいかな」


色々と考えてみたが、俺の場合誰と組んでもそれなりにバランスが取れるが何かしらの穴が生まれる。

光瑠とバディを組んだ場合、近接戦ではかなりのアドバンテージになるだろう。だが逆に中距離での戦闘手段が俺のハンドガンと光瑠のいくつかの魔術くらいしかないというデメリットがある。

沙月組む場合は、魔術でサポートして貰う事で俺が1人では対応が難しい中距離での戦闘が楽になる上、任務中の怪我にも対応出来る。しかし戦闘に参加出来るのが俺1人だけとなってしまうのが最大の欠点となる。

結梨とバディになると、近・中距離でそれなりの戦闘出来る様になるが、戦闘中の連携が他2人程は出来ない為、強力な敵1人との戦闘は難しくなってしまう。


「うーん、じゃあ私は光瑠と組もうかしら」


誰も意見をしない中、結梨だけが自分の希望を口にする。

「ふむ、どうしてだい?」

「相真みたいな白兵よりは、光瑠みたいな魔術師のが連携がしやすいのよ。沙月も魔術師だけど戦闘力的には光瑠と組むのがベストかなって」

「なるほど。僕は構わないよ」


自分を選んだ理由を聞いた光瑠は、納得した様に頷きイケメンスマイルを浮かべる。


「じゃあ沙月、俺と組むか?」

「うん、良いよ。相真君との連携は慣れてるし」


沙月とは軍校の訓練でコンビを組んでの戦闘訓練をしていたので、連携を取るのは慣れている。


「決まりましたか?」

「はい。この後は何するんですか?」

「特にはありませんが、折角バディを決めたのですから訓練場で模擬戦でもしてみますか?」




望さんの提案で俺達は模擬戦をする事になった。

場所は警察総合庁舎の隣に立っている訓練場。表向きにはこの訓練場は機動隊などの人間が訓練する為に作られたって事らしいが、実際は公安やSATなどのこちら側の特殊部隊の訓練に使われることの方が多いらしい。


「この時間は公安の貸し切りらしいから魔術も解禁だってよ」

「そっか。それなら私も戦えるよ」


今は5分間の準備時間だ。互いにバディとの作戦会議などをする為にと用意された時間なのだが……。


「作戦と言っても俺が前衛で戦って沙月がサポートする以外に思いつかないだよなぁ」

「それでいいんじゃない?慣れてるんだしさ」

「まぁそうだな。じゃあ俺が前出るから適当に合わせてくれ」

「うん。分かった」




「全員準備は良いですか?」

「こっちは大丈夫です」

「僕達も問題ありません」


準備時間が終わり、互いに10メートル程の距離を取って向かい合う。

光瑠が前に出ていて、結梨はその数歩後ろで構えている。どうやら俺達の様に前衛後衛に分かれて戦うつもりらしい。


「では、試合開始」


その合図と共に俺と光瑠は互いに距離を詰めて木刀を振るう。

今回は簡単な模擬戦ということもあり、互いに木刀を使い、俺は能力を使用せず、光瑠も魔術と能力を使わずに戦う。結梨と沙月は魔術を使うが、結梨はあまり危険な魔術は使わないと言っていた。まぁただの模擬戦で怪我はしたくないからな。


「おっと!」


光瑠の木刀による横一閃を刀身で受けながら後ろに1歩下がると、そこに魔弾が飛んで来た。

結梨の無詠唱による魔術行使に俺は少し驚いたが、避ける必要は無いのでそのまま光瑠への攻撃に転じる。

魔弾は光瑠の頭上を通過して曲線を描きながら俺へと使って来るが、俺の頭の上に展開された半透明な白い障壁によって防がれる。

その障壁を展開したのは勿論沙月だ。俺は何も言っていないのに、俺が近接戦に集中しやすいように魔術を防いでくれるのは流石だな。


「ーーッ!」


俺の突きを光瑠は木刀の刀身で受けるが、威力を殺しきれず数歩後ろへと後退する。

そんか光瑠をサポートすべく魔弾が飛んでくるが、ことごとく沙月の障壁によって防がれる。

魔術を気にしなくて良い俺は光瑠へと連続で斬撃を振るう。光瑠は何とか防いでいるが防戦一方と言えるだろう。

このまま押し切ろうと思ったその時ーー


「くはっ!」


光瑠は防御を捨ててその場でしゃがみ込む。

それと同時に目の前から弾速の速い魔弾が一直線に俺へと向かって来る。

俺は反応が間に合わずそのモロに魔弾に被弾してしまう。

魔力操作で簡単に撃てる魔弾とはいえ、俺にも沙月にも気づかせず放ったのは流石と言った所だろうか。

そんな事を考えていると、光瑠からの斬撃が迫る。初撃は沙月に障壁で守って貰い、その後の斬撃は自力で捌く。


「くっ……」


だが魔弾によるダメージで動きが鈍っており、分がある筈の木刀1本での近接戦は防戦一方となってしまっている。


「チッ!」


光瑠による下段からの斬り上げが俺の木刀を弾き、ガードが空いた所で光瑠は突きを放つ。


「終わりだよ相真」

「お前がなッ!」


突きが防げないと悟った俺は古武術の一種である膝抜きを使い、最速の動きで滑らかにしゃがみ込み突きを回避する。

そしてそのまま左手で拳撃を光瑠の腹部に叩き込む。


「くはっ……」

「1本!」


光瑠が膝をつくと同時に望さんの静止の合図によって模擬戦は終了。見事俺達の勝ちとなった。



「流石相真。強いね」

「お前もな」


俺が手を差し出すと光瑠はその手を掴み立ち上がる。


そんなこんなで公安ゼロとしての初日の出勤は終わった。

ミスって消しちゃったので再投稿しました。

それとこの小説のジャンルをアクションからローファンタジーに変更しました。

小説書き始めた頃はローファンタジーというジャンルを勘違いしてたのでアクションにしてたのですが、今はどっちかというとローファンタジーのが近いと思ったので変更しました。

この小説が面白いと思ったらブクマ、高評価、コメント、レビュー宜しくお願いします。励みになります。

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