【第二章】第九部分
『ダーン!』
再びピストルが震えた。凪河の右腕に大きな衝撃が走った。腕は赤く広がった血で染まっている。
「痛~い!」
凪河は大きく負傷した腕を押さえて、ひざまずいた。
「ちょっと外しましたが、次が三度目の正直、ラストでちゅ。今度は、猫柳たんの頭に当てて、その綺麗な顔をスクランブルエッグにするでちゅ。」
『ダ~ン!』
三発目は、正確に凪河の頭部に飛んでいった。
「きゃああ!」
『ダダ~ン!』
ミニスカロリスの宣言通り、超凶弾は見事に命中した。
『ダラ~。』
おびただしい量の血液の海に埋もれた凪河。
「・・・あれ?アタシ、生きてるわ。」
床に二体の人間が倒れている。
「間に合ったです。猫柳さん、無事でよかったです。」
倒れているのは、憂果莉と黒い物体だった。
黒い物体からは大量の血液が流れている。
「し、失敗したでちゅ。柏村たんが復活して、みみの弾丸を受けたでちゅ。みみの法則魔法は、拳銃とみみ自身を大きくするのでちゅ。」
「すると、黒い弾丸は自分自身なの?」
「そうでちゅ。自分の体を最大3つにすることができて、それを飛ばすでちゅ。」
「でもそれじゃ、魔法を使うと、自分自身が傷ついてしまうじゃない!」
「この法則魔法を教えてくれたひとは、非道でちゅから仕方ないでちゅ。これは命懸けの攻撃でちゅ。でも恨みを晴らせれば本望だったのでちゅが、その途上でつまずいたでちゅ。哀れなみみでちゅ。バタン。」
「質量保存の法則!」
憂果莉はいつも通り復活したが、ミニスカロリスも同じだった。
「あれ?命が残ってる?みみには命が2つあったのでちゅか?」
「そんなことはありえないわよ。会長があんたを冥府への入口から引き上げたのよ。でも会長、どうしてそんなことをしたのよ。」
「そ、それはこうするためです!すりすり。」
「きゃああでちゅ!」
ミニスカロリスは逃げようとするが、タガメにガッチリ捕まえられた魚のように、身動きが取れない。
「妹幼女キャラは捨て置けませんから~!」
あまりに強烈なハグに、ミニスカロリスの意識は朦朧となった。
「ミニスカロリス。アタシが勝ったんだから、鍵を男子に戻しなさいよ。女子にしたのは憂果莉だけど、元に戻すことはできないみたいだから。」
「やったのは、柏村たんではありませんでちゅ。」
「それはわからないから、どうでもいいわ。」
「どうでもいいことないでちゅ。真犯人は、みみに法則魔法を授けた非道女でちゅ。場所はここでちゅ。」
「こんなところ?」
聞いた凪河と憂果莉は驚いた。
鍵をその場に残すことを条件として、ミニスカロリスは現地へ案内することとなった。




