【第一章】第二十四部分
「慰労会が始まっちゃったけど、まだ明るくて出られないわ。完全に太陽が沈んでからでないと、いろいろ見られちゃうからね。」
30分経過して、参加者にアルコールの心地よい酔いが回ってきた頃合いである。参加者の談笑する声のトーンは上がっているが、特に乱れた様子は窺われない。
「酔わせて悪さするかとも思ったけど、そんな様子もないわ。暗くなったし、大丈夫そうだから、変身しないで出てみるわ。」
凪河は学校のジャージ姿で会場に現れた。
「待ってたよ。さあ、駆けつけ三杯だよ。あっ、もちろんジュースだよ。みなさん、今日から活動に参加した見返り美人お嬢様ですよ。ほら拍手、拍手!」
田中に促されるまでもなく、メンバーは大拍手で出迎えた。
「思ったより雰囲気は悪くないわね。」
歓待を受ける凪河は固い表情が緩んでいくのを感じていた。
「さあ、ゴクンといきなよ。暑かったからおいしいよ。みなさん、改めてかんぱ~い!」
「「「「「「「「「「「「「かんぱ~い!」」」」」」」」」」」」
「いただきます。ゴクゴク。ぷはーっ。おいしいわ。もう一杯。」
「キミ、どこから来たの?その年でボランティア参加とか、いい心掛けだねえ。ホント、ホント!」
周りの空気も楽しげで、すっかり意気投合した凪河。
「よし、盛り上がってきたところで、みんな一芸を披露しようよ。」
田中は笑顔で声を出した。
「イエイ!いいねえ!やろう、やろう!」
満場一致でアトラクション開催となった。
指が消える手品、アカペラのサンタルチア、ダンスというジャンルに属さない安来節、M1一回戦敗退必至なショートコントなどが行われ、シラフなら百パーウケない芸もヤンヤの喝采を浴びていた。
オトナの宴会とはこんなモノである。そして凪河の順番が回ってきた。
「えっ、アタシもやるの?でもアタシ、こんな場でやるなんて聞いてないわ。」
出し物のない凪河は、こっそり人形に相談した。
(ナギナギにはアレがあるじゃろう。)
「えっ?ここでやるの?」
(そうじゃ。絶好のチャンスじゃからの。)
「こんな注目されてる中で、恥ずかしいわ。丸見えだったらどうするのよ。」
(心配ない。この暗さならよほど目を凝らさない限り見えないはずじゃ。)
「し、仕方ないわね。その言葉を信じるわよ。違ってたら責任取ってもらうからねっ!」
パンツがキラッと光り、凪河はスケパンデカに変身した。
照明は小さな街灯だけであり、スケパンになってもパンツはあまり見えない状態であった。




