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【第一章】第十四部分

「おそらく腹話術で話してるんだろうけど。人形の仕組みはどうでもいいわ。でもこれで面接らしくなったわね。」

「そういうことじゃ。ならばさっそく、スケパンデカの採用面接を行う。服を脱げ。」

「はあ?今何か、変な声が聞こえたけど。」

「そなた、耳がよろしくないのか。服を脱げと言ったんじゃが。」

「どうして面接で服を脱がなきゃいけないのよ。何かの間違いよね?」

「そうじゃ、そうじゃ。これは言い方が悪かったな。」

「あ~、よかった。」

「脱ぐのは服だけじゃない。下着もじゃ。つまり全裸になるんじゃ!」

「えええ~⁉ま、まさか、ここってオトナビデオ女優面接会場なの?ひと気もないし、いかがわしいフンイキ満載だし。やっぱり帰るわ!」

 凪河は慌てて入口の方に体を傾けた。

「こりゃ、待てい!全裸になった後に、ちゃんと服を着せてやるんだから、問題ないぞ。」

「ちゃ、ちゃんと着替えできるって、ことね?」

「そうじゃ。じゃから安心せい。」

「今度こそ、本当よね。」

「ああ、大丈夫じゃ。」

隣の小部屋で着替えてきた凪河は、恥ずかしそうにスカートの前を隠しながら出てきた。

憂果莉と同じ、スケパンデカコスチュームである。

「こ、こんなスケスケセクハラな衣装で歩けっていうの?」

「たしかにそうじゃが、ここには、女子しかおらんから問題なかろう。」

「でもあんたは人形で、本体は男子、それも禿げたオヤジかもしれないし。そのジジくさい喋り方とか、かなり怪しいわよ。」

「そこまで言うなら、ちょっとこっちへ来い。」

言われるままに近づいた凪河に、人形はそっと耳打ちした。するとみるみるうちに、凪河の顔は、血が吹き出しそうになるまで真っ赤になった。

「わ、わかったわよ。それは女子にしかわからないことだわね。あんたは間違いなく女だわ。」「よし、それでは面接を始めるぞ。」

「やっぱり恥ずかしいわよ、こんなスカート!」

スケパンデカコスの凪河は必死に小さな両手でスカートの前を押さえるが、面積ではパンツの方に軍配があがっており、純白が自己主張している。

「よくお似合いじゃのう。能力が見つかれば、いいスケパンデカになるじゃろうて。」

「能力って何よ?」

「スケパンデカを務めるための、善悪の見極め能力じゃ。相手に触れることで、それがわかる。これは生まれついてのものであり、選ばれし人間のみに与えられた特別な能力じゃ。もっとも選ばれし者の大半はその能力に気づかないままに生涯を終えるがのう。さて、今から来るヤツにパンツを見せてみろ、もちろんその手を外した状態、つまり全開じゃ!」

「なんですって!やっぱり、超セクハラじゃない!」

凪河のクレームを無視して、人形は隣の部屋を見ている。

「おい、こっちに来い。ピーッ。」

人形は器用に笛を吹いた。すると、大型犬と小型犬がやってきた。警察犬シェパードと、愛玩チワワである。

「犬畜生であれば見られてもいいであろう。」

「ま、まあ、ギリギリセーフってとこね。」

「もしかしたらワシと同じで、人間が憑依してたりするんじゃな。」

「きゃあ!」

「冗談じゃ。犬とかでは動きが複雑でそんなことはない。」

「本当かしら。たしかに犬で腹話術は無理でしょうから、まあいいわ。」

「どうじや、その犬どものふたつ並べて、何か感じるか。」


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