ヒャッハーしちゃった日の記憶(忘れたい)
タイトル通りの内容です。
ヒャッハー!!
本日1回目の投稿です。
さて、ここで残念なお知らせがあります。少なくとも、俺はとてもショックでした。なんと……
【母さんのおっぱい終了のお知らせ】
あ。今、くだんねーって思ったろ? 俺らには結構な大事件だから。特に俺。今後生肉オンリー生活確定。人間の頃の食べ物が恋しいです。特に酒飲みたい。
あぁ、そうだ。ついでに『俺ら』のメンバーを教えてやろう。
俺、ハイクロ、ハイシロ、ハイイロ。以上4匹。唯一の例外はやっぱりチャイロで、母さんのおっぱい出なくなったって言っても冷静だった。ちなみに俺はもの凄く動揺したけどな。分かりやすくまとめてみようか。
分かりやすく動揺派……俺、ハイイロ
こっそり動揺派……ハイクロ、ハイシロ
冷静沈着……チャイロ
こんな感じだ。
元々、ちょうど離乳期ではあったんだけどな。それが強制的に完全に転換されたってだけで。うん、でもショック。
なんか最近はすっかり子猫ライフに慣れて、おっぱい飲むのも躊躇うどころか、率先してすっ飛んで行ってた。
毛繕いもちゃんと出来るようになったし。これも最初の頃は上手く出来なくて、脚を上げて体を舐めようとすると、バランス崩して転がるんだ。ちなみに見られると結構恥ずかしかった。慣れるまではハイクロが良く手伝ってくれた。
爪研ぎも楽しいし、母さん達の尻尾にじゃれるのも凄い楽しい。ハイシロ達が取っ組み合って転がってるのも楽しそうなんだけど、俺だと残念な事に体格差がな。俺が大きくなった頃には、みんな俺よりもっと大きくなってるから。うん、これは潔く諦めよう。
それと肝心の生肉! これは完全に問題なし。最初のマーライオンは何だったのか。食べてみたら余裕で行けた。
こうして考えてみると、子猫ライフも慣れたなーって思うんだよな。人間いざとなれば慣れるものだって言うけどその通りだ。慣れよ、慣れ。
……それでもおっぱい終了はショックなんだぜ……。
出が悪くなったな、と思ったら割りとあっと言う間に出なくなった。栄養沢山取って貰っても変わらなかったわ。残念。
けど、まぁ、さ。もう出ないものは仕方ないんだしさ……
「ぅみゅん(げんきだせよ)」
「きゅん……(うん……)」
何で、俺よりハイイロがショック受けてんだよ。
***
おっぱい断ち&生肉ライフ7日目。
大物はあの時以来無く、主に普通のネズミやウサギがメインだ。狼の狩りの成功率って、実はかなり低いらしいんだけど、母さんは毎回何かしらの獲物を取ってくるんだよな。これってかなり凄いんじゃね??
ちなみに、あの時のクマは食べ切るのに5日かかった。それと、最後の方は元人間の俺にはまだキツ過ぎた。主に臭い的なモノが。
初日にみんなでモグモグしてから、残った1部は洞穴の中の涼しい所に。残りの大半は地面に穴掘って埋めた。穴掘るのは俺も手伝ったんだ。手伝える事は手伝わないとな。
あ、洞穴案は俺の発案ね。結構、中は涼しいからさ。このしまい込んだ分は俺のご飯用になった。
時々つまみ食いしようとするのがいるから、みんなでガードしたけどな。
それから、埋めた分はみんなのご飯。みんな土付いてても全然気にしないのな。普通にモリモリ行ってた。俺もちょっとだけ挑戦してみたけどさ、口の中で『じゃりっ』ってなった時は尻尾が2本共爆発した。不快感半端なかった。
結局あのクマ、日数はかかったけど全部食べ切ったんだぜ。凄いだろ。骨の1部と牙は記念に取ってある。
俺の宝物! って叫んだら、珍しくチャイロも記念に取っていた。やっぱり、宝物だって言って。そうしたら、ハイシロとハイイロも真似し始めた。
ハイクロだけは、いらないって。残念。
俺らは男だもん、そういうの好きだよなー。
ん? 今? 俺1匹で洞穴の中でお留守番中。
他のみんなはどうしてるのかって?
お外で狩りの練習中。
時々、『キィ!』だか『ギィ!』だかって声が聞こえてくる。
ハイシロが早くクマ狩りたいって張り切っちゃってさ。毎日おねだりしてたんだよねー。
それでさっき母さんが、弱らせた大きめのネズミ持って帰って来たんだよね。うん。今そいつを使って狩りの練習中デス。
生きてるネズミを見た時のみんなの表情は、正に肉食獣に相応しいものでした。
流石に俺は生きてる獲物を殺すのは無理、という事でお留守番。……早く終わらないかなぁ。何だか時々獲物が追加されてるみたいでさ、断末魔の悲鳴が聞こえたしばらく後にまた断末魔の悲鳴が聞こえるんだよぉぉぉぉ!
軽くホラーだよ。お願い、早く終わって……。
「きゃぉ——ん!(たっだいまー!)」
「ワフッ! ワゥー!(かりたのしかったぞ! 次はくろいのも来いよ!)」
「ゥキュウン(母さんみたいには、まだいかないわね)」
「ウォフッ(練習あるのみだよ)」
「クフン(……おみやげ)」
あ、やっと帰って来た。
みんな、お帰りー。
良かった。惨殺された死体的な生々しいブツは持って来てないな。
俺には狩りは、多分まだ早いと思うぞ?
ハイクロは真面目だな。頑張れ。
あと、チャイロ。流石にネズミの尻尾は俺いらない。あ、ごめん。やっぱり貰っとく。うん、狩りの練習に使う事にするよ。
いらないって言った瞬間の尻尾の下がり具合がそれはそれは凄かった。うん、ちゃんと狩りの練習用に使おう。
先に言っておくけど、尻尾のお代わりはいらないからね?
「みぃぅ(かり、どうだった?)」
「「ウォン!((たのしかった!))」」
「クゥン(まだまだね)」
「ワフッ(……黒いのにも教える)」
「グルゥ(黒いのにはまだ早いよ。チャイロに貰った尻尾で練習しときな)」
「んみ(はーい)」
返事したは良いけど、これでどうやって練習すれば良いのかな?
——とりあえず、言われた通りにネズミ尻尾を使って練習中。参考にさせて頂いているのは人間時代に見た動画や、生猫の数々。後はフィーリングで何とかするべし。
ネズミ尻尾を地面に置いてから、少し離れて頭を低く、尻は高めに。そうすると自然と尻尾がピン! と立ち上がる。んで、よーく狙うと今度は尻がモニモニ動き出す。一緒に尻尾もウネウネ。
狙って、狙ってー……とう!
ぴょん! と全身のバネを使って跳ねて、獲物に前足で1撃。そのまま、爪に引っかかって宙に浮いた獲物目掛けて、両手を使ってビシバシッと連続攻撃を食らわせると吹っ飛ぶ尻尾。すかさず追いかけて真上から爪を叩きつける……!
うっしゃー! テンション上がって来たぁー!!
今度は地面に落ちた獲物に向かって右手で連続ジャブ! ジャブ!!
ビシビシバシッ! と連続で攻撃すると、さらに吹っ飛ぶ尻尾。尻尾を追って右へ左へ。あっちこっちと跳ね回り、転がり回る。
為す術もないか、ざまぁねぇな。もっと根性見せてみろよ!
うぉりゃぁっ! 俺の必殺パンチ食らいやがれっ!!
くははははは!! 次は華麗なる蹴り技もお見舞いしてやるぜぇ……!!
ひゃっは——————っ! たぁ—のしいぃぃぃぃ!!!
無性に血が滾ってくる——
「……きゃふ(……母さん、黒いのが何かへん)」
「……うぉふ(……しばらく放っておいておやりよ)」
「わふん?(たのしそう。おれもまざっちゃだめかな?)」
「……わふ(……やめてやれ)」
「…………」
「グルゥ?(チャイロ? どうかしたのかい?)」
「ウォフ(……黒いの、かわいいな)」
「「「「…………(?)」」」」
ん? 何だか凄く静かじゃないか?
興奮してピーン! と高く立ち上がった尻尾と、ハァハァと荒くなった息をそのままにみんなの方を振り返る。
「クゥ?(……楽しかったか?)」
「みゃう!(あぁ! おみやげありがとうな、チャイロ!)」
俺がそう言った瞬間のチャイロの反応はそりゃ可愛かった。普段はキリッとしてる顔がさ、目をキラキラさせて、尻尾がブンブンどころかグルングルン回ってたし。
やっぱり良い兄ちゃんだし、格好可愛いよな。チャイロってさ。
そんな感じで2匹でほのぼのしてたら、背後で母さん達が何か話し合ってた。何だったんだろうな?
「クフン、グルゥ(チャイロはちょっと黒いのに過保護すぎると言うか、溺愛しすぎてないかねぇ?)」
「キャフ(母さん、今ごろ気がついたの? けっこう前からそうよ)」
「ウォン(まぁ、なかがわるいよりはいいんじゃねぇの?)」
「わふっ(あそぶのもうおわり?)」
「ガフッ(お前はちょっとズレてるよ)」
***
こんにちは。数時間後、当時の狂乱っぷりを母さんから教えられた黒いのです。
その時の母さんににやけた様子は一切なく、心の底から心配してますっていう雰囲気だった。何か悩み事でもあるのか? と尋ねられ、何故急にそんな事を言い出したのかと聞き返したところ、当時の様子を伝えられた訳で……。
ゔあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
思い出すと全身で悶える……。何で俺、あんなにハイテンションになってたの!? しかも……っ、超、ノリノリで……っ!
ゔがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
ぽふん
「きゃふ(黒いの、あまりふかく気にしない方がいいわよ)」
……ありがとう、姉さん。ごめんでも無理。
「ぎにゃ(むり)」
じたじた、もだもだと悶える事暫し。意気消沈しつつも何とか立ち直った……多分。
「うぉふっ(くろいの、あそぶ?)」
「ぎな(あそばねぇよ)」
頼むから、これ以上俺を追い詰めてくれるな。
しかし、悩み事か……。無いって言ったら大嘘になるな。そもそもの現状に対してが悩み事の大元だし。
母さん達に対しての悩みは無い()が、突然猫又に生まれ変わった自分の事。それと、まぁ、その……時々自分の理性とは裏腹に自然に動いてしまう体とか。
冷静に考えてみると、多分アレが本能的反応なんだろうなとも思う。動くものを見ると思わず飛び掛っちゃうアレな。人間時代には猫のそんな様子が可愛くて、可愛くて。猫じゃらしで散々遊び倒したものだ。
が、自分の立場になってみるとトンデモネェ。体は勝手に動くわ、心は勝手にハイテンションだわ。
結論、本能って怖い。
「ウフッ、ウォン(けどまぁ、くろいの。かりのれんしゅうはひつようだぞ?)」
「うにぃ(それはわかってるんだけどな)」
「ウォッフ、ウォフ(おまえも大きくなったら、いっしょにクマをかるんだからな)」
「みゃ(それは、はつみみだった)」
「クフン、キャフ(そうだったか? なら、いまいった)」
「み(きいちゃった)」
大きくなったら、俺もクマを狩るようになるそうですよ?
俺の体格的に無理じゃね? とも思うが、ハイシロが凄く嬉しそうに話しているので否定し辛い。
まぁ、やらずに諦めるのも嫌だし。一応は頑張ってみるかね。
……それにさ、クマを倒せる猫ってさ、何か格好良くね??
***
何とか自分を制御する方法も少し分かって来ました。あの時のような醜態を晒す事は、恐らくはもうないでしょう。
……絶対とは言えないけどな。まだ本能に引っ張られるし。つか、子猫になってから精神年齢も弱体化? してね??
深く考えると色々黒歴史を発掘してしまいそうだから、気にしないようにした方が良いかもな。
黒歴史の遺跡群発見だなんて、想像もしたくないからな。
現在は尻尾でヒャッハーしちゃった日の翌日。
今日も今日とて、子狼達は狩りの練習です。断末魔なんて聞こえない。「ピギィッ!」なんて声、聞こえないんだからぁぁぁっ!
地面に伏せて、ギュッと前足で耳を押さえてゴロゴロ、ウダウダ。あー、あー。聞きたくなーい。俺には何も聞こえなーい。
……そうこうしていたら、そのままの体勢で寝落ちてたわ。
練習から帰って来たハイシロ達に起こされて起きた。全員焦った顔してるから何事かと思ったよ。まさかのハイイロにまでだぞ?
まぁ、理由聞いたら安定のハイイロだったけど。何だよ「死んだかと思った」って。そんなに死体っぽかった? って、母さん達に聞いたら普通に具合が悪くなったかと思っただけらしい。流石はハイイロ。発想がぶっ飛んでる。死なねぇよ。
いやいや、心配しなくて大丈夫。ちょっと外がうるさかったから耳押さえてただけだから。そしたらそのまま寝ちゃっただけだから。
心配しまくるチャイロにそう説明していると
「グルゥ、ウォフッ(黒いのはやっぱりまだまだ子供だねぇ。昨日の事もあるから、ちょっと心配したよ)」
……えと、心配かけてすみません。
でも、出来る事なら……
「みぁぅ……(もう、ほりさげないでくださいませんか……?)」
ちょいちょいフレームインしてくるハイイロです。
後、チャイロは猫主を溺愛&過保護。自分より明らかに小さい弟が可愛くて仕方ない的な感じです。もちろん兄弟達もしっかり大事だけど、小さい生き物は守らねば!的な。
もちろん、他の兄弟達も猫主はしっかり大事にしています。が、ちょいちょいチャイロに役目を奪われる感じです。
猫主愛されてます。
ついでに、本日は2月22日という事でニャンニャンニャンの日です。それにちなんで3回投稿と致します。
2時、12時、22時の公開です。よろしくお願いします。




