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転生したらドラゴンでした。毎日冒険者が戦いを挑んできて逃げてたら英雄に鍛えられました  作者: のほほん


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第26話「真実の欠片」

扉をくぐった先に広がっていたのは、どこまでも続く白い空間だった。空も地面も一面が真っ白で、周囲に何一つ影がない。まるで何も存在しない虚無の世界に迷い込んだようだった。


「……なんだよ、ここ。」


クロードが剣を抜き、慎重に周囲を見渡す。その顔には明らかに困惑の色が浮かんでいる。


「何もない……いや、何か隠されているのか?」


マーリンが杖を掲げ、魔法で周囲を探ろうとするが、何の反応もない。


「まるで、世界そのものが消えたみたいだね。」


彰人が端末を操作しながら呟いた。彼の声もどこか落ち着かない様子だ。


「……ここが本当に“次”の場所なの?」


セフィーナが不安げな表情で問いかける。


「確かにこの場所は普通じゃない。だけど、俺たちが扉をくぐった以上、ここも試練の一部だろう。」


俺がそう言って周囲を見渡した瞬間、不意に白い空間が揺れ始めた。そして、俺たちの前に巨大な光の柱が現れる。


「また何か始まるのか……!」


ハッサンが拳を構えながら構える。全員が緊張感を持って光の柱を見つめると、そこに映し出されたのは、一人の男の姿だった。


「……誰だ?」


クロードが剣を握り直し、目を細める。その男は全身を黒いマントで包み、長い銀髪をなびかせている。彼の目は赤く輝き、まるで全てを見透かしているかのようだった。


「お前たちがここまで来たか……。」


男は静かに口を開いた。その声はどこか冷たく、響き渡るような不気味さを持っている。


「おい、あんたは何者だ?」


俺が問いかけると、男は口元に微笑みを浮かべた。


「我が名は“虚無の監視者”。お前たちがこの地に辿り着いた理由を見届ける者だ。」


「虚無の監視者……?」


セフィーナが驚いたようにその名を繰り返す。


「その名前、聞いたことがある気がする……。」


マーリンが何かを思い出すように呟いたが、監視者はそれを遮るように続けた。


「お前たちは真実を求めてここに来た。しかし、真実は時に重く、苦しみを伴うものだ。」


「……何が言いたいんだ。」


クロードが一歩前に出ると、監視者は静かに手を差し出した。その瞬間、空間が再び揺れ、周囲に無数の映像が浮かび上がる。


その映像に映っていたのは、かつての俺たちが戦った魔王との激戦、異空間での試練、そしてこれまでの旅の記憶だった。


「これって……俺たちの過去?」


彰人が驚いたように画面を指差す。監視者は静かに頷いた。


「そうだ。お前たちの歩んできた道を映し出している。そして、この道の先にあるのは、お前たちの呪いの真実だ。」


「呪いの真実……。」


セフィーナが小さく呟いた。その声には微かな震えが混じっている。


「教えてくれ。この呪いは一体何なんだ?」


俺が一歩前に進むと、監視者は冷たく微笑んだ。


「お前たちの呪いは、“境界”に干渉した代償だ。異なる世界の力を手にしたお前たちは、その力を失わない代わりに、存在そのものが境界に縛られたのだ。」


「異なる世界の力……?」


マーリンが問いかける。


「そうだ。お前たちが魔王を倒した際に手にした力。それがこの呪いの元凶だ。」


「そんな……!」


セフィーナが驚きの声を上げる。


「じゃあ、呪いを解くにはどうすればいいんだ?」


クロードが鋭い声で問いかけると、監視者は静かに答えた。


「答えは簡単だ。“異なる世界”の力を全て手放せば、呪いは解ける。」


その言葉に全員が黙り込む。異なる世界の力――それは俺たちがここまで戦い抜いてきた力そのものだ。それを手放すということは、今後どんな戦いにも立ち向かえなくなるということを意味している。


「ふざけるな……力を捨てたら、俺たちはただの人間になるだけじゃないか。」


クロードが剣を握りしめ、険しい顔で叫ぶ。


「でも、それをしなければ呪いは解けないんだよね……。」


セフィーナが静かに言葉を続ける。


「……選択の時ってわけか。」


俺は深く息を吐き、監視者を睨みつけた。


「全ての力を失っても呪いが解けるなら、それを選ぶべきかもしれない。だけど、もしその代償が俺たちを無力にするだけじゃなく、この世界を守れなくするなら――」


「俺たちの力で道を切り開くしかない!」


俺の言葉に全員が顔を上げた。ハッサンが拳を叩き合わせ、力強く言う。


「そうだ! 俺たちの拳と剣と魔法があれば、何だってできる!」


「隼人さんが決めたなら、私たちもついていくよ。」


セフィーナが微笑みながら頷く。ミケや彰人も次々に頷き、全員の意志が一つにまとまる。


「ならば試せ。お前たちの選択が正しいかどうかを。」


監視者がそう言い残すと、光が一気に広がり、俺たちの前に新たな道が現れた。


「よし、進むぞ。これが最後の試練かもしれない。」


俺たちは互いを見つめ合い、再び歩き出した――真実を求めて。

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