第25話「真実への扉」
「次の試練が待つか……本当に終わりはあるのか?」
クロードが剣を肩に担ぎながら呟いた。彼の声には焦りと苛立ちが混じっている。俺たちは森の試練を乗り越え、また新たに浮かび上がった目的地に向かって歩き続けていた。
「終わりがないなんてことはないわよ。だって、ここまで来てるんだから。」
ミケが軽い口調で返すが、その目もどこか疲れていた。
「でも、これ以上試練が続いたらどうなるんだろう……私たち、耐えられるのかな?」
セフィーナが静かに呟いた。その不安げな声に、俺は歩きながら答える。
「耐えるしかない。俺たちはここで立ち止まるわけにはいかないんだ。」
「隼人さんの言う通りだね。ここで諦めたら、呪いも解けないし、この世界の謎も分からずじまいだ。」
彰人が端末を操作しながら話に加わる。彼は何かを解析しているようだ。
「それに、この試練を乗り越えれば、もっと真実に近づけるかもしれない。」
「……真実、か。」
マーリンが静かに呟き、杖を握りしめた。その声に全員が一瞬黙り込む。
歩き続けた先には、霧に包まれた大きな扉が立っていた。その扉には古代文字のような模様が刻まれており、微かに輝いている。
「これが次の試練への扉か?」
ハッサンが拳を握りながら近づくが、扉は微動だにしない。
「ただの扉じゃないな。見た感じ、魔力が封じられてるみたいだ。」
マーリンが杖を掲げて呪文を唱え、扉を調べ始める。
「どうだ、マーリン? 開けられそうか?」
俺が尋ねると、彼は少しだけ首を振った。
「これ、内側からしか開かない仕組みになってる。外から突破するには何かしらの条件を満たさないとダメだ。」
「条件ってなんだよ……毎回めんどくせぇな。」
ハッサンが苛立ちながら扉を叩こうとすると、彰人が制止した。
「待って、ハッサンさん。この扉、触ったら反応するみたいだよ。」
彰人が端末を通じて扉の魔力を解析している。
「これって……全員の力を合わせて魔力を注ぎ込む必要があるみたい。」
「全員の力?」
クロードが眉をひそめると、彰人は頷いて答えた。
「そう。俺たち全員が協力して魔力やエネルギーを注ぎ込めば、扉が開く仕組みになってる。でも……。」
彰人は端末を見つめたまま言葉を止めた。その様子を見て、ミケが苛立ちながら尋ねる。
「でも、何よ?」
「一人でも力を抜いたら、逆に弾かれてしまう。全員が完璧にタイミングを合わせないとダメなんだ。」
「ふぅ……タイミングを合わせる、ね。そりゃあ簡単じゃなさそうだな。」
俺が深く息を吐くと、セフィーナが小さく笑って言った。
「でも、私たちならきっとできるよ。ここまで一緒に乗り越えてきたんだから。」
その言葉に、全員が小さく頷いた。
「よし、やるぞ。全員で一斉に力を注ぎ込む。準備はいいか?」
俺が声を上げると、全員がそれぞれの武器や道具を構えた。
「準備万端だ!」
ハッサンが拳を掲げ、クロードが剣を握りしめる。
「隼人、合図は頼むぞ。」
マーリンが杖を掲げながら俺に目を向けた。
「任せろ。全員、行くぞ!」
俺たちは一斉に扉に向かって力を注ぎ込んだ。セフィーナの光が扉を包み、マーリンの魔力が模様を輝かせる。クロードの剣がエネルギーを送り込み、ハッサンの拳が扉の奥まで響くように叩き込む。
「くそっ、思ったよりキツイな……!」
彰人が端末を操作しながら汗をかいている。その隣で、ミケが短剣を持ちながら魔力を注いでいた。
「でも、負けるわけにはいかないでしょ!」
ミケが叫び、さらに力を注ぎ込む。その声に全員が奮い立った。
「全員、もう少しだ! 気を抜くな!」
俺が叫ぶと、全員の力がさらに強まった。そして――
扉が大きな音を立てて開き始めた。その向こうには眩い光が広がり、さらに奥へと続く道が見えた。
「やった……!」
セフィーナが安堵の声を漏らし、全員が疲れた表情で息をつく。
「これで次に進めるな……。」
クロードが剣を鞘に収めながら呟く。その隣でハッサンが笑いながら拳を掲げた。
「全員の力を合わせたら、何だって突破できるってことだな!」
「でも、ここからが本番かもしれないよ。」
彰人が慎重に言葉を続ける。
「この扉の向こうに何があるか分からないけど、気を引き締めて進もう。」
「……そうだな。」
俺は深く頷き、扉の奥へと目を向けた。この先に、俺たちが探し求めている“真実”が待っているのかもしれない。
「よし、全員で進むぞ。この先にあるものを見極めるためにな。」
「隼人さんがいるなら、きっと大丈夫だよ。」
セフィーナが微笑みながら言い、全員がまた力を合わせて進み始めた――。




