第22話「新たな世界の謎」
俺たちは果てしなく広がる大地を歩いていた。空は青く澄み渡り、遠くには山々がそびえ立っている。見たところ、この世界は異空間や俺が最初に転生したドラゴンの住処とも全く違う。
「ここ、本当に魔王を倒した世界と同じなのかな?」
セフィーナがふと呟いた。その声には微かな不安が混じっていた。
「どうだろうな。少なくとも、景色はあの時の世界とは違う気がする。」
俺は答えながら周囲を見渡した。確かに、この空間には魔王が支配していた暗い雰囲気や、あの時の荒廃した大地は見当たらない。
「違う世界……そうだとしたら、なんで俺たちはここにいるんだ?」
彰人が少し考え込みながら言葉を漏らす。
「異空間を抜けてきたわけだから、単純に元の世界に戻れたわけじゃないのかもしれないな。」
マーリンが杖を地面に突き立てながら静かに答えた。その言葉にクロードが眉をひそめる。
「つまり、ここはまた別の世界ってことか? 俺たちは魔王を討伐した英雄なんだぞ。元の世界に戻るのが筋ってもんだろうが。」
「そうだよね……私たちが閉じ込められていた異空間は、魔王が作り出したものじゃないのかな?」
セフィーナが不安そうに話すと、ミケが少し笑いながら言葉を投げた。
「もしそうだとしたら、魔王を倒した時点で呪いが解けててもいいはずよね。でも現実はそうじゃなかった。つまり、呪いをかけたのは魔王じゃないのかもしれないわ。」
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その言葉に俺たちは一瞬黙り込んだ。魔王が呪いの元凶ではないとしたら、俺たちは何のためにここにいるのか分からなくなる。
「くそっ……話がややこしくなってきたな。」
ハッサンが大きく拳を振り下ろして地面を叩く。その音が静かな大地に響いた。
「けど、考え込んでても仕方ないだろ?」
俺は全員の顔を見渡しながら言った。
「まずはこの世界がどんな場所なのか調べるしかない。街や村を見つけて、誰かに話を聞こう。それからでも遅くない。」
「隼人の言う通りだね。何も情報がないままじゃ、進むべき道も分からない。」
マーリンが頷き、セフィーナもそれに続いた。
「じゃあ、私たち全員で探しましょう。誰か一人でも、この世界のことを知っている人がいれば……。」
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歩き始めて数時間が経った頃、ようやく遠くに小さな村のようなものが見えてきた。
「村だ……!」
彰人が指差して声を上げる。その言葉に全員が顔を上げ、足を速めた。
村に近づくと、小さな家々が並び、畑で作業をする人々の姿が見えてきた。だが、その雰囲気はどこかぎこちなく、不安げな様子が伺えた。
「なんだか、みんな元気がないね……。」
セフィーナが小さく呟いた。
「何か問題があるのかもな。とりあえず話を聞いてみよう。」
俺は村の入口に立つ老人に声をかけた。
「すみません、この村について少し教えてもらえませんか?」
老人は驚いたように顔を上げたが、俺たちを見るなり目を細めた。
「……お前たち、どこから来たんだ? 見慣れない姿だが……。」
「遠くの土地から来た旅人です。この世界のことを少し教えていただけると助かります。」
俺が丁寧に答えると、老人は少しだけ眉をひそめた。
「この世界のことだと? お前たち、この場所が“境界の地”だと知らないのか?」
「境界の地……?」
俺たち全員がその言葉に首を傾げた。
「ここはかつて、多くの異世界が交差した場所だと言われている。お前たちがどの世界から来たかは知らんが……ここに迷い込んだ以上、お前たちも何かの試練を課されることになるだろう。」
「試練……?」
セフィーナが不安げな声を出すと、老人は静かに頷いた。
「この地に来た者たちは、必ず自らの使命を果たさねばならない。そして、それを終えるまではこの地を離れることはできん。」
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「くそっ……また試練かよ。」
ハッサンが苛立ちを隠さず地面を蹴る。
「でも、もしこれが呪いを解く鍵だとしたら……やるしかないよね。」
彰人が冷静に状況を整理しようとするが、その顔には焦りが滲んでいる。
「試練って具体的にどんなものなんだ?」
俺が尋ねると、老人は目を細めたまま首を横に振った。
「それは分からん。だが、お前たち自身がその答えを見つけなければならないだろう。」
老人の言葉に全員が沈黙する。再び試練に挑まなければならない現実を前に、誰もすぐに言葉が出なかった。
「……でも、ここで立ち止まっても仕方ないよね。」
セフィーナが静かに口を開いた。その言葉に全員が顔を上げる。
「隼人さん、次はどうする?」
俺は少し考え込みながら言葉を選んだ。
「まずはこの村を拠点にしよう。そして、この“試練”とやらを探る。呪いを解くには、きっとこの地の秘密を解き明かす必要があるはずだ。」
「よし、決まりだな。全員で乗り越えるぞ!」
ハッサンが力強く拳を振り上げ、全員がその声に応えるように頷いた。
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新たな世界、そして新たな試練。俺たちはまだその全貌を知らない。それでも、全員で力を合わせて進むしかないのだ。
「必ずお前たちの呪いを解いてみせる。この世界の謎を解くために、俺も全力でやる。」
俺は静かに決意を固め、広がる大地を見据えた――。




