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転生したらドラゴンでした。毎日冒険者が戦いを挑んできて逃げてたら英雄に鍛えられました  作者: のほほん


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第21話「異空間の外へ」

眩い光が収まり、俺たち全員は新たな世界に足を踏み入れた。広大な空と果てしなく続く大地、これまでの閉塞感に満ちた異空間とはまるで違う、開放的な風景が広がっていた。


「ここが……外の世界?」


セフィーナが静かに呟く。その声には、長い間閉じ込められていた者が初めて自由を感じたような戸惑いが混じっていた。


「おい、やっと抜け出したのか?」


クロードが周囲を警戒しながら剣を抜き、少しだけ空気を吸い込んだ。


「空気が違う……確かに異空間からは抜け出したようだな。」


「はぁ、ようやく出口か……長かったなぁ。」


ミケが地面に座り込み、靴の泥を払いながら笑みを浮かべた。


「でも、これで本当に終わったのかな?」


彰人が少し不安そうに周囲を見渡す。異空間を抜け出したという実感はあるものの、まだどこかしっくりこない空気が漂っていた。



---


「隼人、どう思う?」


セフィーナが振り返りながら俺に問いかけてきた。


「抜け出したことは間違いなさそうだ。でも……まだ何かが引っかかる。」


俺は仲間たちを見渡しながら続けた。


「お前たち、どうだ? 体の感じとか、何か違いはあるか?」


ハッサンが拳を握りしめて答える。


「俺は変わらねぇな。いつもの調子だ。」


クロードも同じように首を振る。


「俺も特に何も変わってない。むしろ、力は試練を乗り越えてからのほうが強くなっている気がする。」


「じゃあ、呪いは……」


ミケが不安そうに呟いた瞬間、セフィーナが両手を胸に当てながら目を閉じた。彼女の周囲に淡い光が漂い始める。


「……私たち、やっぱりまだ……。」


目を開いたセフィーナの顔には、絶望に似た感情が浮かんでいた。その声に全員が息を飲む。


「まだ呪いは解けてない……私たちは、まだこの姿のまま。」



---


その言葉に場の空気が一気に重くなった。


「なんだよ、それ……こんなに苦労してきたのに、呪いは解けてないってのか?」


ミケが拳を握りしめながら苛立ちを隠せないでいると、マーリンが静かに杖を突きながら口を開いた。


「たしかに……外には出られた。でも、この呪いが解除される条件は別にあるのかもしれない。」


「別の条件?」


彰人がマーリンを見ながら問い返すと、マーリンは小さく頷いた。


「異空間に閉じ込められること自体が呪いの一部だったのかもしれない。でも、この姿を保ち続ける呪いは、それとは別の仕掛けだと考えるべきだ。」


「くそっ……つまり、まだ何かをしなきゃいけないってことかよ!」


ハッサンが苛立ちを露わにし、地面を拳で叩く。


「でも、出口が見えたってことは希望があるってことだよね?」


セフィーナが少しでも場を明るくしようと微笑みながら言う。しかし、その言葉もどこか虚ろだった。



---


「呪いの仕掛けがまだ残っているなら、それを探るしかないな。」


俺は静かに言いながら、広がる大地を見渡した。この世界は俺たちがいた異空間とは明らかに違う。だが、この自由に見える空間のどこかに、まだ謎が潜んでいる。


「隼人、次はどうする?」


クロードが俺に尋ねる。全員が俺の言葉を待っているのが分かった。


「まずは、この世界を調べるしかないだろう。この場所がどこなのか、何が待ち受けているのかも分からない以上、手探りで進むしかない。」


「まぁ、どんな世界だろうが、俺たち全員でやるだけさ。」


ハッサンが力強く笑いながら拳を突き上げる。その姿に少しだけ全員の顔が和らいだ。


「そうだね、ここまで来れたんだもの。きっと次も乗り越えられるよ。」


セフィーナの言葉に、ミケも小さく笑いながら立ち上がる。


「まったく……次から次へと課題ばっかり。でも、それが冒険ってやつかもね。」



---


俺たちは再び歩き出した。呪いが解ける方法を探し、この新しい世界を探索するために。


「この空は広いな……。」


クロードがふと空を見上げて呟いた。その言葉に俺は少しだけ笑みを浮かべた。


「広い空の下なら、何だってできるさ。」


「お前、いいこと言うじゃねぇか!」


ハッサンが大声で笑いながら俺の背中を叩く。その力があまりに強くて、俺はよろけながらも笑ってしまった。


「じゃあ、まずは近くの村とか街を探すか。情報を集めないことには何も始まらない。」


彰人が手元の端末のようなものを操作しながら提案する。


「街や村があるなら、誰かに話を聞けるかもしれないね。」


セフィーナが優しい声で言うと、マーリンが頷きながら口を開いた。


「そうだ。もしこの世界にも魔法使いや学者がいれば、呪いについての知識を持っている可能性が高い。」



---


新たな一歩を踏み出した俺たち。異空間を抜け出した喜びと、まだ解けない呪いの重圧が入り混じる中、全員がそれぞれの役割を果たしながら進む覚悟を決めていた。


「絶対に解いてやる。お前たちをこの姿から解放するために。」


俺が小さく呟くと、セフィーナが微笑みながら答えた。


「隼人さんがいるから、きっと大丈夫だよ。」


「よし、行こうか。この世界の謎を解き明かして、呪いをぶっ壊してやろう!」


俺たち全員の声が重なり、広がる新しい世界へ向かって歩みを進めていった――。


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