第20話「最後の扉を全員で越えて」
「これで全員、次元の扉を一度は通ったな。」
隼人がそう呟きながら、次元の扉を見つめる。6人全員がそれぞれの試練を乗り越え、再び一箇所に集まった。扉の輝きは以前よりも力強く、不気味なほどの存在感を放っている。
「次が最後の試練かもしれないね。」
セフィーナが静かに言うと、ミケが小さく鼻を鳴らした。
「そりゃあ、そうだろうね。これ以上の試練なんてあったら、さすがに誰か脱落しちゃうかも。」
「おいおい、そんな弱気なこと言うなよ。」
クロードが笑いながら言葉を返すと、ハッサンが大きな声で拳を叩き合わせた。
「その通りだ! 最後の試練だろうが、全員で力を合わせれば乗り越えられるさ!」
「そう簡単に言うけどね……最後の試練ってことは、今までのどれよりも厳しいんだろう?」
彰人が不安げに呟くと、マーリンが杖を軽く回しながら自信ありげに言った。
「だったら、それだけ僕たちが成長したって証明するいい機会じゃないか。」
その言葉に全員が静かに頷き、隼人が一歩前に出て皆を見渡した。
「確かに最後の扉だろう。だけど、これまで全員が試練を越えてきた。俺たちならきっとこの扉も乗り越えられるはずだ。」
「じゃあ、全員で行こうか。」
セフィーナが笑顔を浮かべながら言い、全員が扉の前に立った。
---
扉をくぐった瞬間、全員の視界が真っ白に染まった。光が収まると、彼らの足元には広大な大地が広がっていた。どこまでも続く平原、その中心には巨大な塔がそびえ立っている。
「おいおい……またスケールが大きくなったな。」
隼人が塔を見上げながら呟くと、塔の入り口に光る文字が浮かび上がった。
『全員の力を示せ。力がひとつになる時、塔の扉は開かれる』
「全員の力……か。」
クロードがその文字を見つめながら言葉を漏らす。
「ってことは、誰か一人でも力を出さなければ、この試練は突破できないってことね。」
ミケが苦笑しながら肩をすくめると、隼人が拳を握り締めて言った。
「そういうことだ。全員で力を合わせるんだ。この最後の試練は、俺たち全員で乗り越える。」
その言葉に全員が頷き、それぞれの武器や道具を構えた。
---
塔の前で全員が構えた瞬間、大地が揺れ始めた。塔の周囲から無数の魔物が現れ、彼らを取り囲むように迫ってくる。
「なるほどな……まずはこいつらを片付けろってことか。」
隼人がドラゴンの姿に戻り、空中へ舞い上がる。
「みんな、俺が上から援護する! 魔物の動きを止めるから、その間に仕留めろ!」
「了解!」
クロードが叫びながら前線に立ち、盾で魔物の攻撃を受け止める。その隙にハッサンが巨大な拳で魔物を一掃し、セフィーナが後方から回復魔法をかけて支える。
「隙を作るよ!」
ミケが素早い動きで魔物の背後に回り込み、短剣で急所を突く。その間にマーリンが強力な範囲魔法を発動し、次々と魔物を薙ぎ払っていった。
「これでどうだ……! 食らえ、『メテオストライク』!」
巨大な隕石が空から降り注ぎ、魔物の群れを壊滅させる。
「すごい……! でも、まだ終わらないみたい!」
セフィーナが塔の入り口を指差すと、そこからさらに巨大な魔物が現れた。それはこれまでのどの敵よりも圧倒的な威圧感を放っていた。
「くそっ、まだ出てくるのかよ!」
彰人が焦りながらもパネルを開き、魔物の動きを解析し始めた。
「この魔物、核心を守る盾みたいな存在だね。倒さないと扉が開かない!」
「ならやるしかねぇだろ!」
ハッサンが叫びながら魔物に突進する。しかし、その一撃は厚い装甲に弾かれ、ダメージを与えることができなかった。
「くそっ、硬すぎる!」
「僕の魔法で防御を下げるよ! みんな、準備して!」
マーリンが素早く呪文を唱え、魔物の防御力を削り始める。その隙に隼人が空中からブレスを放ち、魔物をひるませる。
「これで隙ができたぞ! 全員、一斉攻撃だ!」
隼人の指示で、全員が魔物に向かって総力戦を仕掛ける。クロードの剣が装甲を切り裂き、ハッサンの拳がその内部を砕く。そしてミケが急所を突き、セフィーナの聖なる光が魔物を焼き尽くす。
---
全員の攻撃が決まった瞬間、魔物は大きな咆哮を上げて崩れ落ちた。
「やった……!」
全員が息を切らしながら塔の方を見ると、その扉が静かに開き始めた。
「これでようやく……次に進める。」
隼人が安堵の声を漏らしながら言うと、セフィーナが笑顔で頷いた。
「みんなの力が一つになったからだね。」
「さて、これで終わりじゃないんだろうな。」
クロードが呟くと、マーリンが少しだけ笑みを浮かべた。
「そうだね。次こそ、この旅の本当の目的が見えてくるんじゃないかな。」
全員が新たな扉に向かって歩みを進め、隼人は最後に一度だけ振り返った。
「全員でここまで来たんだ。この先も一緒に乗り越えるぞ。」
「もちろん!」
全員の声が重なり、光に包まれた扉の向こうへと進んでいった――。




