第18話「天才プログラマー本田彰人の試練」
「ついに僕の番だね……。」
彰人は少し緊張した表情で次元の扉を見つめていた。6人全員が試練を乗り越えた後、彼の順番が回ってきたのだ。
「大丈夫か? お前の能力なら、頭を使う試練なら問題ないだろうけど……敵が襲ってきたらどうする?」
隼人が心配そうに尋ねると、彰人は軽く笑って首を振った。
「心配しないでよ、隼人さん。僕のスキルは頭を使うだけじゃないんだから。」
「え?」
クロードが眉をひそめて疑問を投げかける。
「彰人、あんたのスキルってプログラミングだろ? 頭脳労働ってイメージしかないけど。」
「ふふっ、それが違うんだよね。」
彰人はポケットから端末のようなものを取り出し、見せつけるように持ち上げた。
「このスキルを使えば、プログラムで物を作ったり、相手をハッキングして操ることだってできるんだ。」
「ええっ、操る!? そんなことできるのかよ!」
ハッサンが驚いて声を上げる。彰人は静かに頷きながら端末を操作してみせた。
「まあ見ててよ。僕がどうやって試練を突破するか、期待してて。」
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次元の扉が輝き、彰人は一歩踏み出した。
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扉を抜けた先は、無機質で広大な空間だった。一面が金属の床で覆われ、壁には無数のパネルやモニターが並んでいる。どこか未来的で、まるでコンピューターの中に入り込んだかのようだった。
「これは……なんだか僕向けの世界だね。」
彰人が呟いた瞬間、空間に響く機械音とともに文字が浮かび上がった。
『この試練は、知識と創造の力を示せ。システムを操作し、最終プログラムを完成させよ』
「なるほど……プログラムを完成させるのが試練ってわけか。」
彰人はすぐに手元の端末を起動し、浮かび上がったパネルと同期させた。そして、空間全体に広がるシステムを解析し始める。
「このコード……複雑だけど、やりがいがあるな。」
彼はすぐにエラー箇所を見つけ、修正を加え始めた。すると――
『侵入者発見。防衛システム起動』
「えっ……?」
突然、床から複数の機械兵器が出現し、彰人に向かって攻撃を仕掛けてきた。
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「まさかこんなことになるなんて……!」
彰人は機械兵器の攻撃をかわしながら、冷静に端末を操作する。
「こういう時こそ僕のスキルの出番だね。」
彼は機械兵器の動きを分析し、その制御システムにアクセスを試みた。
「これで……はい、アクセス完了!」
彰人は端末を操作しながら、目の前の機械兵器の一体をハッキングした。そして、その機械が動きを止めると、次の瞬間――
「傀儡化、実行!」
彰人の声とともに、機械兵器は彼の命令通りに動き始めた。
「よし、お前は僕の盾になってもらうよ!」
ハッキングした機械兵器を前に立たせ、他の機械の攻撃を防ぐ。そしてその隙に次々とエラーを修正していく。
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「これで三箇所目のエラー修正完了……でも、次はどこだ?」
彰人がコードを読み解いている間にも、次々と新しい敵が現れる。しかし、彼は冷静だった。
「次のプログラムは……なるほど、物を作れってことか。」
彼は端末を操作し、周囲にある素材を使って自動防衛システムを構築し始めた。
「完成! これで僕に近づく敵は全て防げる!」
彰人が作り上げたシステムが起動し、攻撃してくる機械兵器を撃退していく。その間に彼はさらにプログラムの修正を進め、ついに最後のエラーを見つけた。
「ここだ……でも、このコードは……!」
最後のエラーは、空間全体を維持するための重要な部分だった。間違えれば、空間そのものが崩壊する危険性があった。
「慎重にいかないと……よし、いける!」
彰人は集中し、細かくコードを調整していく。そして、ついに――
「これで……完成!」
プログラムが完成した瞬間、空間全体が眩い光に包まれた。
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光が収まると、彰人の目の前には新たな扉が現れていた。
「やった……試練、クリアだ。」
彼は大きく息を吐き出し、扉をくぐって仲間たちの元へ戻った。
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「ただいま!」
戻ってきた彰人を見て、全員が笑顔で迎えた。
「おかえり、彰人! 試練、突破できたんだね!」
セフィーナが嬉しそうに声を上げる。
「いやー、さすがプログラマーだな。頭もスキルもフル活用って感じか?」
クロードが笑いながら言うと、彰人は少し照れくさそうに笑った。
「まあ、僕にぴったりな試練だったよ。でも……正直、きつかった。」
「けど、お前の能力がすごいってことはよく分かったぞ!」
ハッサンが大声で笑いながら彰人の背中を叩く。
「次はハッサンの番だな。お前の拳がどれだけ通用するか、楽しみにしてるぜ。」
全員が笑顔で次の試練を待ちながら、新たな展開への期待を高めていた――。




