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転生したらドラゴンでした。毎日冒険者が戦いを挑んできて逃げてたら英雄に鍛えられました  作者: のほほん


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第15話「聖騎士クロードの試練」

セフィーナが扉の向こうから戻ってきたその日、次元の扉は再び静かに沈黙していた。彼女は試練を乗り越えたことを皆に報告し、次は誰が通れるのか期待と不安が入り混じった空気が漂っていた。


「さて、次は誰が扉を通れるのかだな。」


俺が扉を見つめながら呟くと、クロードが剣を肩に担ぎながら一歩前に出てきた。


「こういうのはやっぱり力自慢の俺が行くべきだろう。聖女の次は聖騎士ってことで順番もピッタリだ。」


「お前、いつもそうやって無茶しそうな雰囲気出すけど、大丈夫か?」


俺が苦笑しながら聞くと、クロードはニヤリと笑った。


「心配するな、隼人。俺がどれだけ頼りになるか、今回で証明してやるさ。」


「頼りになるかどうかは分からないけど、無事に戻って来いよ。」


セフィーナも心配そうに声をかける。クロードはそんな彼女に優しく頷いてみせた。


「任せろ。俺の使命は仲間を守ることだ。俺がここで倒れるなんてことは絶対にない。」


その言葉に、子供たちはそれぞれ小さく頷いた。次元の扉は再び淡い光を放ち始め、クロードを迎えるように揺らめく。


「じゃあ、行ってくる。」


クロードは剣をしっかりと握り締め、扉の中へと一歩を踏み出した。



---


次元の扉を抜けた先には、広大な荒野が広がっていた。風が砂を巻き上げ、遠くには岩山が見える。その中央に、巨大な石碑が立っていた。


「ここが試練の場か……静かだな。」


クロードは周囲を警戒しながら歩みを進め、石碑の前で足を止めた。石碑には古代文字のようなものが刻まれていたが、なぜかその意味が自然と頭に浮かんでくる。


『力を示せ。それが試練を超える鍵となる』


「力を示せ……つまり戦えってことだな。」


クロードが剣を抜き放つと同時に、地面が激しく揺れ始めた。


「来るか……!」


地面から湧き上がるようにして現れたのは、全身を漆黒の鎧で覆った巨大な騎士だった。その姿はまるで生きた要塞のようで、圧倒的な威圧感を放っている。


「おいおい、こいつが試練の相手か……! 面白くなってきたじゃないか!」


クロードは剣を構え、笑みを浮かべながら相手に向かって叫んだ。


「俺が聖騎士クロードだ! その力、正々堂々と受け止めてやる!」


だが、黒い騎士は一言も発しない。ただ無言のまま、巨大な剣を振り上げ、クロードに向かって突進してきた。



---


黒い騎士の一撃は重く速い。クロードは咄嗟にその攻撃を剣で受け止めたが、衝撃で体ごと押し飛ばされそうになる。


「くっ、力だけならドラゴン並みか……!」


クロードは後退しながら態勢を整え、再び間合いを詰めた。そして剣を振り下ろし、相手の胴体を狙う。だが――


「なんて硬さだ……効いてないのか!?」


黒い騎士の鎧はまるで岩のように頑丈で、クロードの剣が少しも傷をつけられない。


「おいおい、これじゃ埒が明かないぞ……!」


クロードが再び剣を構えると、黒い騎士は再び容赦ない一撃を振り下ろしてきた。


「まだだ……俺はまだ負けない!」


クロードは必死に攻撃を防ぎながら、相手の動きを観察する。その中で、黒い騎士の動きにわずかな癖があることに気づいた。


「なるほど……こいつ、攻撃を繰り出すたびに一瞬だけ隙ができるな。」


クロードは相手の隙を見極めると、全力でその瞬間に剣を叩き込んだ。


「これでどうだ……!」


彼の剣が黒い騎士の胴体を捉え、鎧に大きな亀裂を入れることに成功した。


「効いたか……!? よし、次で決める!」


クロードはさらに攻撃を仕掛けようとするが、その時、黒い騎士の動きが突然止まった。そして彼の剣を地面に突き立てるように構え、静かに崩れ去った。


「……終わったのか?」


クロードが剣を収めた瞬間、石碑が光り始め、その前に新たな次元の扉が現れた。



---


「これで次も進めるってことか。」


クロードは扉を見つめながら、少しだけ微笑んだ。そしてその扉をくぐり、再び仲間たちの待つ場所へ戻る。



---


「おかえり、クロード!」


戻ってきたクロードに、子供たちは歓声を上げて迎えた。彼は少し照れたように肩をすくめながら答える。


「ただいま。正直、思ったよりきつかったけどな……次の準備はできたぞ。」


「すごいね、クロード! これでまた一歩進めるね!」


「けど、次は誰の番だろうな。」


俺が呟くと、大盗賊のミケが前に出てきてニヤリと笑った。


「次は私だね。盗賊の知恵が必要な試練かもしれないし、ちょっと楽しみだよ。」


「お前……軽く言ってるけど大丈夫か?」


「隼人、大丈夫に決まってるじゃない。私の腕を信じてよ!」


ミケの言葉にクロードが笑いながら肩を叩いた。


「こいつなら何とかしてくれるだろうな。俺の試練の次なら、少しは楽になってるといいけどな。」


次の挑戦者はミケ。俺たちは次の扉が現れる瞬間を静かに待つのだった――。

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