第11話「空間制御の可能性と新たな挑戦」
「隼人、今日も空間制御の特訓だよ!」
朝から元気いっぱいの声に叩き起こされた俺は、顔をしかめながら寝床から起き上がった。
「お前ら、少しは休ませろよ……。昨日だってギリギリで倒れそうだったんだぞ。」
俺の文句を聞いても、6人の子供たちはまったく気にしない様子で訓練場へと駆け出していく。
「だってさ、隼人の空間制御、まだまだ伸びしろがあるんだもん! 今日も試したいことがいっぱいあるんだよ!」
「……ほんと、お前らは俺を働かせることしか考えてないんだな。」
俺はため息をつきながら準備を済ませ、訓練場へと向かった。
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「さあ、今日はこんな感じでいくよ!」
訓練場に到着すると、地面にはいくつもの魔法陣が描かれていた。魔法陣からは薄く光が漏れ出し、不穏な雰囲気を醸し出している。
「なんだこれ……やけに物々しいじゃねぇか。」
「これはね、空間制御のスキルをさらに強化するための環境を作ったの!」
「環境って……これ、どう見ても攻撃魔法の準備だろうが!」
俺が指摘すると、子供たちはニヤリと笑った。
「その通り! 隼人がもっと空間制御を使えるようになるために、僕たちが本気で仕掛けるんだ!」
「だからなんでお前らはいつも俺を痛めつける方向で考えるんだよ!」
隼人が抗議しても、子供たちはまったく聞く耳を持たない。
「だって、実戦で慣れるのが一番早いんだもん!」
「くそっ……仕方ねぇな! 来いよ、相手してやる!」
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訓練が始まると、子供たちは次々と魔法陣を発動させ、俺に強力な魔法を放ってきた。
「いくよ! 隼人、これを避けてみて!」
「お前ら、加減しろよ!」
俺は咄嗟に空間制御のスキルを発動し、周囲の空間を歪めて攻撃を逸らす。だが、魔法の威力が強すぎて完全には防ぎきれなかった。
「くっ……まだうまくいかないな!」
「隼人、もっと意識を広げて! 空間を全体的に感じるんだよ!」
「そんな簡単に言うな! 俺だって必死なんだよ!」
俺は必死に集中し、空間全体を手で掴むような感覚でスキルを発動する。すると、周囲の空間が大きく歪み、放たれた魔法の一部が完全に別の方向へ飛んでいった。
「おおっ、すごいじゃん隼人! 今のは完璧だよ!」
「そうか? けどまだ安定しねぇな……。」
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次に試すのは「空間を固定する」という応用技だった。
「隼人、今度は空間をねじ曲げるだけじゃなくて、攻撃をその場に留めてみて!」
「留める……? そんなことができるのか?」
「うん、できるはず! だって空間制御って、空間そのものを操作するスキルなんだもん!」
「また無茶苦茶なこと言いやがる……。でも、やってみるしかないか。」
俺は迫りくる魔法の矢に向けて手を伸ばし、空間の流れを掴むように意識を集中した。そして、スキルを発動させると――
「おおっ……止まった!」
魔法の矢が空中で静止し、その場に留まったまま動かなくなった。
「やったね隼人! それだよ、それ!」
「すげぇな……でも、これを実戦で使いこなすにはまだ時間がかかりそうだな。」
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訓練が終わった頃、俺は完全に疲れ果てて地面に倒れ込んだ。
「お前ら……本気で俺を潰すつもりだろ……。」
子供の一人が隣に座り、笑顔で水を差し出してきた。
「でも隼人、今日は本当にすごかったよ! 空間制御がここまで使えるようになるなんて、僕たちもびっくりだよ!」
「そうか……まあ、少しは成長したってことか。」
俺は水を飲み干しながら、空を見上げた。少しずつだが、確かに自分が強くなっているのを実感する。
「でも、まだまだ足りねぇよな。もっと強くならないと……お前らをここから出してやれない。」
「うん。だけど、隼人ならきっとできるよ!」
子供たちは明るい声で俺を励ましながら、次の訓練の計画を話し始めた。
「さあ、次はもっと難しいことに挑戦しようか!」
「ちょっと待て! 少し休ませろ!」
俺の叫び声が響く中、訓練場はまた賑やかな笑い声に包まれていった――。




