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【第三話】突然タコと出会った日③


 「旅に出ましょう! それしか方法はありません!」


 女の子はそういった。


 用意したホットプレートの中には、さっき生まれたタコ達の入ったタコ焼きが焼いてある。


 このタコは鋼から出てきたが、何の問題もなく食べれるようだ。


 美味しいのはいいのだが、自称タコの女の子もおいしそうに食べているのを見ると、なんだか不安な気持ちになってきた。


 「なんで旅が必要なんですか? そもそも、この呪いって何なんですか?」


 女の子は僕の質問に続けて答えてくれた。


 この呪いは故意に掛けられたものであり、解く方法は呪いをかけた本人に解いてもらう事。


 非常に強い呪いであり、外部からの力での解呪は不可能である事。


 その呪いをかけた本人は王都にいるため、旅をして行く必要がある事。


 だいたいそんな感じの話だった。


 「なので、さっそく準備してください! ちゃっちゃと解呪しに行っちゃいましょう!」


 「ちょ、ちょっと待って! まだ聞きたいことがあるんだけど!? まず君は何なの? なんで僕は呪いをかけられたの?」


 まだ疑問が尽きない状況で、いきなり旅に出ろなんて言われても困るだけだった。


 準備と言っても王都に行くにしても準備がかかるし、そう思って女の子を止めた。しかし


 「何でかけられたのかなんて行って確かめればいいだけじゃないですか、善は急げですよ。 あと私はタコです。それ以外のなんでもないですよ」


 そういった彼女に腕を引っ張られ、そのまま外へと出てしまった。


 お金も何も持っていない状態、王都からここまではあまりにも離れている。


 あまりにも無茶な状況で引っ張り出された。


 せめて軽い準備だけでもさせてほしいといったのだが聞き入れてもらえない。


 だんだんと小さくなっていく作業場を尻目に、僕と女の子はそのまま道を進んでいった。


 「このまま呪いにかかった状態じゃ仕事もできないでしょ? なら準備する時間も惜しいはずです。さっさと済ませちゃいましょう!」


 そういって僕の手を放してくれなかった。


 もう戻るよりも街に行く方が早いくらいまで来てしまった。


 なんだろう。


 これからとても大変な目に合うのだろうと、そういう気がしてならなかった。






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