唐突、無職期間終了
カッコの後は改行する、
「来週からお前も働きなさい、アオキ」
それは本当に唐突だった
「なんでだよ、まだ12歳、中学入学くらいの時期だ!」
「知らないな魔王は討たれた、勇者候補と言う肩書きが無ければ、強いスキルだけを持つニートだ、それに特例として働かなくてもいいにしたって同じ年代の子は働いてるぞ」
「まだだ、働けと言われても働く場所がない、なぜなら街の人間から、なんか物凄く嫌われているから無理だろう、それと他人と俺を比較するな。何回『数少ない完全覚醒した勇者候補』としてこの町が税収やら補助金の選考で有利になったと思ってるの?」
そう俺は、「勇者候補」とやらのせいで、才能を持たない奴らから後ろから刺されることも多いので、その度に身ぐるみ剥いで、公衆の面前に全裸ではりつけにしたり、俺のスキルを奴隷売買に使おうとした貴族を一族事焼き滅ぼしたりしたため、街からは浮いた存在である。
「うるさい、父さんが雇ってもらってる貴族フェリス家の使用人になるよう話をつけといた。魔王が倒されてからは復興のためにほかの町に支払われて、毎年減っているんだぞ。お前が魔王が倒される前に覚醒したらよかったのに」
「そんなのヤダ、人を使うのはいいが、使われるのはいやなんだよ、社畜ジジイには分からないでしょうね」
「うーるーさーいーぞー、俺のメンツが潰れるじゃないか、そうだろ母さん」
「そういうのは自分自身の考えを尊重するものです」
そう、今、俺の意見を肯定してくれたのはフギュ・ウルシヌス。俺のこの器の母親だ
「でも、息子がいい歳して働いてないと、親として不安だから定職に着いて欲しいと思うのは間違ってるかしら?」
親としては当たり前のことなのか?、確かに、上手く狩りなどができずに死んでった子たちを何人も見たが、不安というよりかは可哀そうだったが、今の時代は平和だからそんなことはないんだろう。、
「働くのは了解した、だが父さんが現領主、長男はこの町にいないし、次男にはもう家来がいたはずだろう、使用人が着いてないのは、くそデブ三男しかいないだろ、アイツ臭いからやなんだよ」
「いいだろ、豚っぽくて愛嬌がある、三日後までに準備をしといてくれ、じゃ」
そう言い逃げるようにクソ親は家から出てった
「めんどくさいわね、あなたはあんな男に似ちゃいけませんよ」
「家出するわ、マジで」
そう俺のスキルはまあまあサバイバルに向いているので頑張れば野宿をできる、と思う。何年かのブランクはあっても、昔ほど物騒ではないだろう。
「まあそれは自由にすればいいけど、たまには顔みへなさおよ」
そう煎餅を食べながら手を振る。
「今日は家出(仮)だから日が落ちるまでに帰る、ハンバーグが食べたい、用意しといて」
そう高らかに宣言して家を飛び出した。