ひとりぼっちのペット
そのペットはひとりぼっち。
その広い家に、ずっとひとりぼっち。
誰も遊んでくれないし、ご飯をくれない。
だから、ずっとさびしんぼ。
そのペットは、家の中で待ち続ける。
飼い主が帰ってこないか、ずっと待ち続ける。
けれど、待っても待っても現れない。
大好きな飼い主は、帰ってこない。
そのうち、歩くこともしゃべることもできなくなったペットは、倒れてしまう。
とても疲れたペットは動けないまま、それでも耳を傾け、すまして、足音がしないか確認し続けていた。
誰かの影が窓にうつらないか、見張り続けていた。
長い毎日が終わる。
やがて、ペットの前に飼い主があらわれる。
ペットは、動けなかったのが嘘のように「ただいま」と言った飼い主のもとへ元気よく走った。